表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RUN&GUN ― 二人で一人の逃走譚 ―  作者: F94
第7章ー姫神奪還作戦ー
186/443

決戦の朝ー

とりあえず気を取り直し、4人は朝食を部屋で取ることにした。


しばらくして、宿のスタッフが料理を運び込む。テーブルに並べられた皿を見て、皆はようやく落ち着きを取り戻し


ミーファは少し首をかしげ、目を細めた。


「なるほど、お二人はベルの身体の事をご存知なのですね」


ベルはテーブルの向こうで、少し照れくさそうに頷く。


「そう。ミリィは一緒に旅をする仲間だし、パティもミリィの家族だから、説明した方がいいと思って」


その言葉に続けるように、ベルはくすぐったそうに笑った。


「それにしてもー、ミーファのよそ行きの顔、いつみてもこそばゆいね」


ミーファは小さく鼻で笑いながら、すぐに顔を正す。


「よそ行きなんて、私はいつでもこうですよ」


しかし、その表情を見た皆は、心の中で密かに思う。


(いやー無理でしょ)


ミーファは真剣な目でベルを見つめる。


「それで今夜、決行なんでしょ?」


ベルは少し俯きながら答える。


「うん、そう。私は何もできないけど…」


ミリィがやさしく首を振る。


「そんなことありません。ベルさんはこうしてみんなを呼び集めてくれました」


パティも頷き、力強く言った。


「その通り、直接戦場に立つことだけが戦いではありません。ベル様はすでに、やるべき事をしてくださいました」


ミーファはにっこりと微笑みながらも、目の奥には熱い覚悟が光っていた。


「本当に、あなたの周りには良い人達が集ってくれるわね。昔から変わらず」


ベルは小さく頷き、微笑む。


「…本当、そうね」


ミリィは拳を握り、真剣な表情で言った。


「絶対に取り戻しましょう。指輪を」


パティも静かに頷く。


「私も、お二人への恩義を返させていただきます」


ミーファも同じく頷き、力を込めた。


「私もがんばります。皆で戦いましょう」


ベルは少し驚きながらも、感謝の気持ちを口にした。


「皆…ありがとう…て、え?」


「ミーファも行くつもりなの?」


ミーファは肩をすくめて答える。


「そのつもりで…来たんだけど?」


ベルは不安そうに目を細める。


「…ミーファ、戦えないでしょ…私より小さいのに」


ミリィが慌てて口を挟む。


「ミ、ミーファさんは私とお留守番しましょ…」


しかしミーファはにやりと笑い、鋭い目つきでベルを見る。


「ベル坊が戦えるなら、ベル坊をボコれる私も戦えるのでは?」


ベルは苦笑しながら頭を振る。


「いやーさすがにそれはないと思うよ?あいつって、たぶんトラウマからミーファに逆らえないだけで、戦えばベルの方が強いでしょ?」


ミーファは手を腰に当て、目を光らせる。


「ちょっとベル坊に変わって?勝負付けるから」


ベルは肩をすくめて苦笑した。


「だから無理だってば。知ってるでしょ?」


ミーファは納得できない様子で唇を尖らせる。


「納得いかない。今すぐボコりたい」


ベルは思わず目を伏せ、赤面しながら答えた。


「ほんっと、恥ずかしいからもうやめて」


ミーファは大きな袋から、信じられないほど巨大な十字架を取り出した。ベルの身長とほぼ同じで、ミーファ自身よりも一回り大きい。


「私は戦うつもりで準備もしてきたんだけど」


ベルは目を丸くしてその十字架を見上げた。


「なんかそれすごく見覚えある気がするんだけど…何だっけ?」


ミーファは胸を張り、誇らしげに答える。


「うちの教会の屋根に付いてた十字架」


ベルは顔をしかめ、思わずツッコミを入れた。


「シスターアリスが生きてたら、めっちゃ怒ると思うよ…」


ミーファは軽く笑い、肩をすくめた。


「それはないでしょ。ベルのために盗って、いや、取ってきたんだから」


ベルは顔を背け、苦笑混じりに言った。


「やめて、私を巻き込まないで」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ