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亀が喋り続けた



「いやー、今日は暑いですなぁ。はっはっ」




目の前で、亀が大口を開けて笑っている。




「なんで僕達喋れてるんですかね?」




僕は純粋な疑問をぶつけてみた。




「若い亀なら、まず無理じゃろうな。儂長生きじゃから」



「何歳なんですか?」



「8000歳じゃ」



「8000歳!?」




僕は大層驚いた。




「人間に飼われていたこともあるぞよ」



「へー」



「じゃが、儂の言葉が分かる人間なんてのはそうおらん。あんたが2人目じゃ」



「2人目か。レアですね」



「1人目は可愛い女の子じゃったなぁ」



「おお!」



「80年ほど前じゃったかのぅ……」



「お婆ちゃん!」




普通に亀と会話をしている自分が恐ろしい。

後頭部が少しジンジンしているので、転んだ時にどこか頭をぶつけておかしくなってしまったのかもしれない。



「ところで少年。こんなところで足を止めていて良いのか?」



「おお、そうだった。お使いを頼まれていたんだった」



「では、早く向かいなされ。亀と喋っている暇はなかろう」




僕はそう言われて、少し考え込んだ。




「思うんですが」



「なんじゃろうか」



「お使いに行くのと、亀と喋るってどっちが貴重な体験でしょうか」



「うーむ、難しい問題じゃな」



「難しいですかね」



「母親からお使いを頼まれるというのも、中々に貴重な体験じゃ」



「そうかな?月に2,3回はあるけど」



「今はのぅ。しかし君が大人になり自立すれば、もう経験出来ないものじゃ」



「そう……かもしれないですね」



「亀と喋るなんてのはいつでもできるからのぅ」



「んー……そうなのかなぁ」




真夏の畦道で、僕は亀と喋っていた。

そして何故か僕は、亀に敬語を使っていた。




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