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1-5 元引きこもりは異世界で目が覚める


「ん?」


 再び目を開けると見知らぬ天井だった。

 ゆっくり身体を起こすと、かなり広い部屋が目に入ってきた。

 引きこもり生活で物が散乱した汚部屋ではない。

 かなり綺麗に掃除されたお部屋だった。

 しかし、気になることがあった。


「なんか物が少ないな。そういえば、疎まれているんだったな」


 疑問を感じたが、すぐに理由がわかった。

 疎まれている状況に絶望し、この少年は意識を手放したのだ。

 正直、この部屋を見るともったいないと思ってしまう。


「やっぱり小さいな」


 ベッドから降り、近くにあった姿見で全身を確認する。

 明らかに子供の姿だった。

 だが、その容姿はかなり整っていた。

 サラサラの黒髪に中性的な顔立ちは前世の俺からすればかなり羨ましい。

 若干肌白すぎるのが不健康に見えるが、彼の状況的には仕方がないのかもしれない。


(コンコン)

「はい」


 扉がノックされたので、思わず返事をした。

 だが、なぜか勢いよく扉が開かれる。

 現れたのはメイド服を着た女性だった。


「シェイド様っ⁉ もう起床したんですか?」


 女性が問いかけてくる。

 何をそんなに慌てているのだろうか?


「見てわかるでしょう?」

「なんで起きたんですかっ! 私の楽しみを取らないでください」

「えぇ・・・・・・」


 予想外の文句に俺は引いてしまった。

 どうして起きただけで文句を言われないといけないのだろうか?

 しかも、結構個人的な理由っぽい。


「ん? 何か雰囲気が変わりました?」

「いや、そんなことはないよ、ラスト」


 腰を低くして目線を合わせてくれる彼女に俺は笑顔で答える。

 記憶を共有しているおかげですぐに彼女のことはわかった。

 彼女の名前はラスト。

 シェイドの専属メイドであり、数少ない信頼できる人物らしい。

 献身的に世話をしてくれているので、姉のように慕っていたようだ。

 ウェーブがかった長い銀髪の綺麗な女性で、年齢は18歳である。


「はぁ、はぁ・・・・・・やっぱり好みだわ」

「ラスト?」

「はっ⁉ すみませんっ!」


 だらしない表情を浮かべていたので思わず声を掛ける。

 謝罪をしながら、表情は元に戻る。

 こういった表情を時々浮かべるのが玉に瑕で、シェイドは心配していたようだ。

 先程初めて見た俺はなぜか全身に寒気を感じたが・・・・・・


「それより大丈夫ですか?」

「何が?」


 心配げな表情でラストが声を掛けてくる。

 質問の意図が分からず、思わず聞き返してしまった。


「昨日の件ですよ。あのあと、シェイド様はショックを受けてましたよね?」

「ああ」


 ようやく彼女が何を言いたいのか理解できた。

 シェイドが【闇属性】と言われたのが昨日のことなのだろう。


「それだったら大丈夫だよ。気持ちの整理はついた」

「・・・・・・本当ですか?」


 俺の答えに彼女は心配そうな表情のままだった。

 この世界の常識とシェイドの置かれた状況を理解していれば、心配するのが当たり前だ。

 シェイドが無理をしていると思うだろう。

 だが、今の中身は別の人物である。


「一晩寝たら、なぜかすっきりしたよ。もう決まったことなら、くよくよせずにどうするかを考えないと」

「まあ、そうですが・・・・・・」


 強がっていると思われているのか、ラストの表情は変わらない。

 むしろ、より心配させているように思う。

 どうしたらいいだろうか?


(なでなで)

「心配してくれてありがとう」


「っ⁉」

「(っ⁉)」


 頭を撫でられ、ラストは驚愕の表情を浮かべる。

 だが、それは俺も同様だった。

 なぜか自然と身体が動いたので、心の中で驚いてしまっていた。

 共有した記憶を掘り起こすと、なぜかラストを褒めるときに頭を撫でるように頼まれたらしい。

 長年の習慣から、無意識に身体が動いたのだろう。


(ブシュッ)

「ら、ラスト?」


 彼女の鼻から勢いよく赤い液体が噴き出す。

 急な出来事に今度はこちらが心配する番だった。


「大丈夫ですよ。いきなりのことでびっくりしただけです」

「いや、さっきのは大丈夫じゃ・・・・・・」

「大丈夫です」

「・・・・・・そう」


 強い語気に押され、これ以上は何も言えなかった。

 本人が大丈夫なら、外野がとやかくいうことではないだろう。

 先程の俺も人のことは言えないしな。







年上好きなので自然とヒロインが年上に・・・・・・


作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

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