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1-4 元引きこもりは新たな世界へと旅立つ

事前の知識って大事ですよね。


「頼んだのはそちらでしょう?」

「いや、たしかにそうじゃが、こんな簡単に受け入れられるとは思わなくてのう」


 神様はなんとも言えない表情を浮かべる。

 たしかにあの条件なら受け入れる方がおかしいのかもしれない。

 だが、俺にも受け入れた理由はある。


「シェイド少年はあまり期待されていなかったのでしょう?」

「まあ、そうじゃな」

「だからこそ、ですよ」

「?」


 俺の言葉に神様は首を傾げる。

 よくわからなかったのだろう。

 理解してもらおうとは思っていない。

 これは俺だけが抱える後悔だからだ。


「ああ、そうだ。一つ頼みがあります」

「なんじゃ?」

「シェイド少年の記憶を共有することは可能ですか?」

「共有?」


 再び首を傾げる。

 何を言っているのか、と思ったのだろう。


「これから10歳の少年に転生することになるわけで、当然それまでの記憶があるはずです。記憶喪失の振りも面倒ですし、知っている体で過ごそうかと思って」

「ああ、なるほどのう」


 説明を聞き、理解してくれた。

 といっても、これはあくまで理由の一つである。

 シェイド少年が期待されていない人物だった場合、記憶喪失なんてデメリットを抱えれば何をされるかわからない。

 状況が具体的にわからない以上、できる限り事前に対処しておきたい。


「それぐらいなら問題なくできる」

「なら良かったです」

「あとは知識の共有もして、言語も自動で翻訳できるようにしておこう。一から異世界のことを勉強するわけにもいかないだろう」

「ありがとうございます」


 知識や言語については考えていなかった。

 たしかに異世界にいくのであれば、当然いろいろと違っているだろう。

 そういう意味では必要なことだ。


「魔法については現地で勉強してほしい。先程も言ったが、その世界は10歳で【属性】の診断がされるので、勉強はそれからになるからのう」

「それで大丈夫ですよ。あんまり最初から揃いすぎるのもなんですし」


 流石になんでもかんでももらうわけにはいかないようだ。

 だが、別にそこは何の問題もない。

 剣と魔法の世界で最初からチートをするのも考え方の一つだが、一から学んで成長するのも悪くはない。

 むしろ、俺はそういう方が好きである。


「まあ、餞別として魔力についての知識を一つだけ与えよう」

「良いんですか?」


 まさか追加されるとは思わなかった。

 しかし、知識を一つだけとはどういうことだろうか?

 その一つが何か役に立つものなのだろうか?


「これを知っているのと知っていないとでは大きく異なってくるからのう。その世界では知っている者はごく一部だけじゃ」

「そんな貴重な知識なんですか?」


 かなり重要そうだった。

 一体、どんな知識なんだろうか?


「体内の魔力量は幼いうちに訓練しないといけない。成人すると最大量は増えなくなってしまうのじゃ」

「そうなんですか? どうしてそんな重要な知識を知らないんですか?」


 疑問に思い、質問をする。

 魔法がある世界で魔力量は大事である。

 それを増やす手段は知っておくべきだと思うが・・・・・・


「魔力量を増やすためには一度魔力を消費し、その分を回復するときに上限が増えるのじゃ」

「ああ、そういうシステムなんですね。つまり、消費を限界ギリギリまですれば、上限も増えるわけですね」

「そういうことじゃ。じゃが、限界まで魔力を使ってしまえば、意識を失ってしまうのじゃよ。だからこそ、子供にそんなことをさせることはないんじゃ」

「ああ、なるほど」


 話を聞くと、たしかに虐待のように思える。

 そうなれば、自然と出来る範囲で魔法を使うことになり、そこまで大きく魔力量が増えないのだろう。


「というわけで、その解決策として寝る前に魔力量を空にするのじゃ。そうすれば、そのまま睡眠することができ、魔力量も増えるわけじゃよ」

「理に適っていますね。でも、この程度なら他の人もやってそうですが・・・・・・」

「凝り固まった常識はなかなか解消されないもんじゃ。意識を失うほど魔法を使わせないのが常識になってしまっているからのう」

「それもそうですね」


 少し悲しげな表情を浮かべる神様。

 もったいないと思っているのだろう。

 だが、彼にはどうすることもできない。


「愚痴を聞かせて悪かったのう。そこの扉をくぐれば、新しい人生が始まるぞ」

「おぉ」


 背後を向くと、そこには扉があった。

 いや、正確に言うと扉の形をした光だろうか?

 得体が知れないが、神々しさを感じるおかげで受け入れることができた。


「では、お主の新しい人生に幸があることを願っておる」

「いろいろとありがとうございます。では、いってきます」


 挨拶をして、光の扉に足を踏み入れる。

全身が温かな感覚に包まれ、視界すべて白くなった。







次回からとうとう異世界に行きます。

続きも読んでいただけると幸いです。


作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

★5でも★1でもつけていただけると幸いです。

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