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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
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悪役令嬢は総書記になりたい。

作者:灰原あかり
最新エピソード掲載日:2026/11/07
婚約破棄のショックで、悪役令嬢はおかしくなった。
そう思われていた。中身が独裁者に変わったことなど、誰も知らない。

侯爵令嬢エリザベート・フォン・ローゼンベルクは、皇太子を愛していた。

彼の妃となるためなら手段を選ばず、権力と家柄を振りかざして数々の恋敵を蹴落としてきた。

そんな彼女を待っていたのは、最愛の皇太子からの婚約破棄だった。

すべてを失ったエリザベートはショックで寝込み、数日間、目を覚まさなかった。

そして目覚めた彼女の中にいたのは、軍事パレードの最中に心臓発作で死亡した朝陽民主人民共和国の最高指導者、キム・ジョンソクだった。

「殿下との婚約の件でございますが……」

怯える侍女に、エリザベートはこともなげに答える。

「何の話だ? そんなことより、この領地の人口と年間穀物生産高を報告しろ」

お嬢様が壊れた。

周囲がそう思うのも無理はなかった。

だが本人はいたって真剣である。

皇太子にも王妃の座にも興味はない。他人の妻になるより、自らが最高権力者になればいい。

辺境へ追いやられたエリザベートは、前世の統治経験を武器に領地を改革。農業、産業、教育、官僚、軍隊を整備し、ついには「ジョセニア人民主義人民共和国」の建国を宣言する。

さらに小国の独立を守るため、魔法による戦略的抑止力の確立へと乗り出していく。

そんな彼女のもとには、いつしか男たちが集まり始める。

元婚約者の皇太子、忠実な騎士、天才魔法使い、技術者、商人。

彼らはエリザベートのために働き、ときには命さえ懸ける。

「あなたのためなら、私は何だってします」

「素晴らしい。君のような愛国者を同志に持てたことを、私は誇りに思う」

違う。

祖国のためではない。あなたが好きだからである。

だが、自分への愛を国家への忠誠と信じて疑わないエリザベートは、彼らの献身を心から称賛する。

そして男たちも、その笑顔を見るために、ますます国家に尽くしてしまう。

政治も戦争も外交も分かる。
だが、恋愛だけはさっぱり分からない。

これは、愛する男のためなら何でもした悪役令嬢の身体に、恋愛より権力を愛する独裁者が入ってしまったことから始まる、少しおかしな異世界ラブコメディ。
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