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…春香の両親の葬儀。
抜け殻のように葬儀場の椅子に座る中、何度か見かけた事のある母の友人である『神田美和子』が春香に声をかけ、泣き出す春香を抱きしめる。
神田美和子と神田公男、この2人の夫婦の善意で、この『神田家』に春香は引き取られた―――
ドラマなどでよく見る『引き取られた先で虐待を受ける』などの事もなく、両親となった美和子と公男は優しく春香に接する
そんな家にいたのが神田丈[ジョー]
神田家の一人息子で、春香と同い年の男の子だ
最初は急な兄妹?姉弟?ができて困惑する丈だったが、自身の部屋にあるゲーム機を見て複雑な表情を見せる春香を見て声をかけようとした瞬間に1歩早く春香が『ゲーム好きなの?』と問いかける
丈は不器用に『うん、だ、大好き…』と言うと春香がズカズカと入りソフトをあさる
「はへっ…?」
丈は春香の勢い余る行為にうろたえる
「ふーんっ…ドラゴンファンタジーにストリートバトラーにブラディウスに…バギャンランド…バクダンマン…」
春香がソフトを次々に手に取り読み上げる。
「私と持ってるやつほとんど一緒だね…」
と優しい笑顔ではないが笑いかける春香。それは戦いを挑む戦士のような、いや、中二病のような…
丈はその笑顔に戸惑うも春香が続ける。
「私の家からゲーム機だけは持ってきた。本体はキミが持ってるからいらなくなったけどコントローラーは2つないだろうから私のを使えば対戦や協力ができる」
「対戦…?協力…?」
…好きじゃなかった暇つぶしのゲームが、新しい家族との絆を育むツールになった。
丈の両親はTVゲームこそはやらないものの、
携帯電話でゲームを少しやるようなのでゲーム自体に理解はあり、
土曜と日曜には家族4人で一緒にTVゲームを楽しむ事もあった。
…それでも本当の両親を失った痛みは忘れない




