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この時からさらに数年前の小学校3年生の頃に、春香の日常は無情にも切り裂かれた。
兄弟姉妹もいない一人っ子で学校から帰ってもいつも一人。共働きに出ている両親。
両親は同じ会社『ミツヤマ商事』勤めでつまり社内恋愛で結ばれた仲だ。
春香は帰宅後に両親がいない生活を寂しいと感じた事はなくむしろそれが"当たり前"と言う生活。
そして春香にはゲームがあった。
両親がバリキャリかつ『ミツヤマ商事』と言う大手の会社勤めと言う事もあり経済面で不自由する事がなく、
両親自体はちゃんと春香を愛しているため寂しさを感じさせないように昔からおもちゃなどを一方的に買い与えて来た。
そして春香が小学生になればゲーム機とソフトを買い与えた。
…つまりおもちゃもゲームも春香がワガママでねだった事は一度もなく、ただ買い与えられた娯楽を純粋に楽しんだ。
「このボスめっ…!」
…春香は横スクロールのアクションゲームをしながらボスに悪態をつく
…でも、ゲームは別に好きじゃないんだよ、お母さん、お父さん…
「…」
いま戦っていたボスを倒した時に涙が落ちた…
ゲームをして私が喜べば、それを見て喜んでくれるお母さんとお父さん…
だから私はゲームの話をするしお母さんもお父さんもニコニコして聞いてくれたよね…
やったこともないクセにアイテムやボスの特徴を聞いては大げさなリアクションしてくれたよね…
あの時にワガママ言えれば良かった…
忙しいお母さんお父さんが大好きで、迷惑かけたくなくて言えなかったよ…
本当はね…
本当は…
ゲームを一人でするより…
一緒に旅行とか遊園地とか行きたかったんだよ…
…キャスターがニュースを読み上げる。
「昨夜19時頃、〇〇県〇市のミツヤマ商事のビルが放火され、〇〇人の死亡者が確認されました」




