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『森口彩芽』

「私も一応はビジネスマンなんで結論から言いますね東条さん…」


邪念のない笑顔で言う彩芽…。


「私は勝てる方にBETするタイプ。東条さんか立花、どちらにBETするか考えてる最中です」

「…!」


…驚いたのは東条ではなく春香。東条は顔色ひとつ変えずに聞いている。


「あと気になってるでしょう?『いつ立花と私が2人で会うほどの仲になるコミュニケーションを取ったのか』ってこと…」


春香は一筋の汗を流し、夏日に目を細める彩芽を見ながら思う。



――シェアハウスでそれなりにしか絡んだ事のないバリキャリウーマン。


そう…"それなり"にしか絡んだ事がなかったのだ。


…なのに…




なぜ…




あんなに車を走らせてまでシェアハウスのメンバーを助けに来たのか…




実は最初から違和感を感じていた…




自分が知らないだけで本当はいい人でそう言う人間なのかと言う可能性も捨ててはいなかったが…




最初の違和感は正解だったようだ…






「実はね…立花と私は"元から"知り合い…」

「…!?」


春香もさすがに動揺する。


東条は相変わらず顔色を変えずに聞く。


「と言っても私は立花と同じ半グレグループに所属してる訳じゃない…。そして神崎と青髪の海田は私の事を知らない…」


風が吹き彩芽の黒髪をなびかせる。


彩芽が続ける。


「私は………立花がオーナーとして運営しているマネーロンダリングの会社に勤めている社員よ」


「…!!!」








―――立花は、東条、彩芽、春香、の3人が会話している姿を遠目から鋭い目つきで睨んでいた。


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