04
―――春香が複数の菓子パンやお惣菜パンを持って東条の所へ到着。
「東条さん、ちょっといいですか?」
「ああ」
東条は適当な所へ座って目線だけで立花を確認していたので春香が立花と話していたのは知っている。
「はい東条さん、立花さんが朝ごはん食べるようにって」
春香は好きなものをどうぞと言う感じで持ってきたパンを適当に広げる。
「ありがとう」
東条は手をつけない。
春香は『まぁどうせ食べないだろう』とわかっていたから特に気にせず焼きそばパンの袋を開けて頬張る。
「…東条さん、言われてた事を彼女に聞けました」
「そうか…」
2日目に東条は掴んでいた。
掃除をしているおば様に「手伝いますよ」と東条は最初は何も考えず善意で関わった。
するとこのおば様…片山は"実話系情報雑誌を読むのが大好き"と言う事が判明した。
「まだ確信は持てないが神崎達の所属しているであろう組織と思われる情報を雑誌で読んだ事がある」と言う旨を本人が言っていた。
それを聞いた東条は、最初は自分が直接片山に話を聞こうと考えていたが、それをする前に立花との因縁の夜があった。
あまり必要以上に色んな人間と会話をしている所を見られると必ず警戒される。
…そこで東条は、1日目に自身と関わった事を立花にバレている春香に「片山さんに話を聞いてほしい」と言う旨のお願いする。
しかも屋上にいる時ではなく銭湯施設の中で、と言う条件で。
これなら立花の目も気にしなくて良い。
春香は東条の頼みを聞いてデメリットはないと判断し、昨夜に片山から話を聞いた。
「春香さん、その話を聞かせてもらう前に、ひとつ今から俺と演技をしてほしい」
「演技…?」
「ああ」
東条は立花の方を一切見る事もなく言う。
「立花が見ている。俺たちが真剣な顔でずっと話していると確実に怪しまれる。だから"談笑している風"を装いたい」
「…」
…春香は即座に手を叩いて爆笑する…と言う演技をする。
「なるほど!それは傑作ですね!」
東条はそれを見て自分も笑顔を作り…しかし声は真剣で小声で
「適当なタイミングでお互い笑ったりのアクションを入れて行こう…」
と言う。
「東条さん意外と面白い!」
と"それっぽいセリフ"を大声で笑いながら言って、
片山から昨日聞いた情報を"談笑している風"に話し始める。




