06
…金髪の若い男に連れられて屋上へ行くと、そこには15人ほどの人間がいた。
時刻は夜で辺りは暗い中、まだインフラは生きているので屋上を照らす電灯がしっかり視界を守ってくれている。
その中で先ほど見た大男が缶チューハイを飲みながら大きな笑い声をあげている。その傍には二人の赤髪と青髪の男。
バリケードにいた金髪の若い男がその大男と側近2人のもとへ春香達を連れて行く。
「おう…姉ちゃんら…よく生き延びたな」
「…」
麗は固まっておりその後ろに隠れる美優。
その前に春香が立ち思いっきり怖い顔を隠さず大男と側近2人を見る。
…しかし大男はそんな春香の様子に気付かず、その春香の前に立つ彩芽に話しかける。
「俺は、神崎って言う。まぁ…あとは…俺らは…………ああ…いいか言っても…」
「…?」
「いわゆる『半グレグループ』ってやつでさ…まぁここの赤髪と青髪は俺の補佐で、バリケードにいた金髪の若い奴は俺のチームの新入りなんだわ」
半グレ。それはひと昔前で言うタチの悪いヤクザと一緒で、今は暴対法が厳しくなり違法行為ができなくなった人間たちが『ヤクザ』を名乗らずに組織するもの。
「まぁぁぁ~~~…怖がらないで。半グレっつったって無駄に人を傷つけたりしないから」
「…」
春香は神崎を見る。この筋骨隆々で身長は190cmはあろう神崎と言う男。
間違いなく純粋な殴り合い『暴力』の勝負になればこの男が一番強いのは間違いない。
「んでここは俺さま神崎を筆頭にみんな面倒を見てやるからっ!安心しろっ!ははは!!!まずは飯だ!!!食わせてやる!」
酒に酔っているのか顔を赤くして夜空に叫ぶ神崎。
「今日は鍋しようぜぇぇぇーっ」
缶チューハイを飲みながら立ち上がって歩き出し彩芽と春香の横を通り過ぎ、
麗の後ろに隠れている美優の顔を覗き込む。
「…!?」
美優は怯えて麗の腰に顔をうずめる。
…身長190cmの男が身長146cmの美優を見下ろしている。
「んな怖がんないでくれよなぁ~…」
と美優に右手を伸ばすも、
ガバッ!!!
と春香がその手を掴む。
「…!」
彩芽と麗がそれを見て焦る。
「…どした嬢ちゃん…?てか俺とそんな歳変わんねーか?」
…神崎は27歳だ。
「神崎…さん…でしたっけ?」
春香が神崎の右手を離し降ろす。
そして顔をあげると、怒りマークをつけながらも不器用な笑顔で、プルプル震えながら神崎に言う。
「この子たち(麗と美優)はあまり男性に耐性がありませんでしてねっ…!(※適当な作り話)いわゆるハコ入り娘2人なんで!(※適当な作り話)もう少しお互いみんな仲良くなってから話しましょっ!」
…と言う謎の気迫になんと神崎が少し押される。
神崎は「ああ、そう…」と苦笑いしながら奥へと消えていく。
「はぁぁぁっ…」
ため息をつく春香。
…その春香達女性陣を意味深に見ている人物が2人。
…一人は、神崎の側近の赤髪の男である『立花』…
…そしてもう一人は適当な場所に座っている黒髪ショートヘアの35歳の男『東条』…




