幕間『女王が見るモノクロとカラー』
…ああ、世界はモノクロだ。
…キャバ嬢の私にとって他人は皆モノクロ。カラーじゃない。
毒親に虐待されて…16歳まで耐えて…我慢できなくて飛び出して…年齢を偽って夜の世界に入った…
しかし店長にすぐ本当の年齢を知られたけど『若くて可愛ければなんでもいい』『童顔で通せばいい』とゲスな考えで雇い続けてくれたし…
クソ汚い寮だったけど住む場所も提供してくれたし…
そのゲスさは汚れていながらも生き抜く術を教えてもらったような気がする…
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世の中、金なんだね…
男を喜ばせて金を巻き上げればいい…
ああ…なんだろう…
嬉しい…
この"支配"する感覚…
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ああ、世界はモノクロだ…
私の太客…めちゃくちゃ貢いでくれんのね…忠犬ハチ公みたい…
いや私世代的にハチ公って名前しか知らない存在だけどね…
この太客が奇妙なこと言い出して私はシェアハウスの管理人、兼、住人になった
…ぶっちゃけ1mmも興味ない
まぁでも言う事を聞いとけばまだまだ私に忠実を誓うよね?
私の世界の『モノクロ』に色を付けてよっ…
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―――現在
…キャバクラの店内に、頭をナイフで刺され倒れているゾンビや人間たち。もう動かない。
そんな中で、1体のゾンビが上手く紐で拘束されて身動きが取れなくなっている。
…そのゾンビに近付くキャバクラ嬢…
この店のNo.1キャバ嬢『近藤クルミ』
「剣持さーんっ…」
拘束されたゾンビ…客として来ていた剣持に話しかける。
「あなたの言う通り、シェアハウスの管理人してたんだけど、もうこれあなたからお礼振り込まれないの…?」
…冷徹な目と冷ややかな少しの笑顔で語り掛ける。
「まぁ…そうなら仕方ないなー…キモイ姿になったもんねー」
クルミはグラスに酒を注ぎ一口飲む…
ああ、世界はモノクロだ…
…クルミは近くにあったフォークを手に取り拘束されているゾンビ…剣持の腕に突き刺してみる。
しかし剣持は無反応。
「なるほどね…痛覚ないんだ…」
ああ、世界はモノクロだ…
興味本位で腕を剣持の顔の前に持って行ってみると噛みつこうとする。
とっさに腕をひっこめて無傷だがその姿を冷笑しながら見るクルミ。
「下等生物になったのね…残念」
サイコパスな笑顔で言う。
…そのままクルミはいつも自身につけている香水を身体に振りなおす。
…その時、剣持がなにやらうめき声をあげる。
「…?」
剣持のその反応を見逃さないクルミ。
「…」
クルミは手の甲に思いっきり香水をふりかけ、剣持の口の前へ手の甲を差し出す。
「…!」
襲って来ない。
「人間の"ニオイ"を消せば襲って来ない…?」
ああ…世界はモノクロだった…
ただでさえモノクロだった世界がゾンビパンデミックと言う訳のわからない世界になってさらにモノクロだと思った…
支配できない男なんていらない…
そう…支配ができればいい…
この剣持で検証を繰り返せばできるかもしれない…
…そう…
支配が…
ああ…
世界がイロヅイタ




