03
…車は住宅街から店が並ぶ大通りの道路へ向かうため走る。
「彩芽さん…正直なにがなんだかわけわかんないんすけど…何が起こってるんですコレ…?」
「…」
春香は助手席から問いかけるも彩芽は険しい表情ですぐには答えない。
いくつもの並ぶ街灯が彩芽の顔を繰り返し照らしながら車は進む。
…住宅街を抜けて大通りの道路に出る。
「春香ちゃん、みんな…外を見て」
…そう言われ窓の外を見ると…
「…!!!」
…皮膚が腐り落ち血まみれのグロテスクな見た目の二足歩行の生物…いや人間…?
映画やアニメや漫画でしか見た事のない
"ゾンビ"…
それが複数…いや結構な数が歩いていた…
麗は絶句して美優は麗に抱き着いて顔をうずめる。
「信じられないでしょ…?」
絶句している春香に彩芽が言う。
「私は営業職って事もあって社用車で外に出てる時にこれが起こったの。幸い車で安全が確保できたから助かった。まさかとは思ったけど映画とかでしか見た事ないゾンビパニックが現実で起きるなんてね…」
「そんなっ…」
春香はすぐに思う。
ジョー…お父さんお母さん…
無事なんだろうか…
「ただ春香ちゃん達を襲ってた"アレ"…」
「…!」
冥牙の事だろう。
「あんなのは初めて見たけどね…」
彩芽はバックミラーを確認する。…冥牙は追っては来てないようだ。
「彩芽さん…何時ごろですか?パニック…と言うのが正しいかわかりませんがゾンビを確認したのは」
春香が問いかける。
春香達が冥牙を確認したのはほんの十数分前の話だ。
麗と美優は駅から徒歩20分の位置にあるシェアハウスまで帰宅のため歩いてはいたものの、
そもそも地方都市でもとから人気が少ない地域だここは。
ゾンビがいても確認できていなかった可能性もある。
「私が確認したのは1時間前…ただそれは場所によるとは思うけどね。私がいたのは隣の隣の町だし。例えば感染源がA地点として、その隣町が15分後、その隣町が30分後…みたいな考え方もできると思うから」
―――感染…
どこが発信源かはわからないが広がって行ってるのだろう。




