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02

窓からとび出た瞬間、冥牙もすぐに窓の外へ出ようと突っ込んで来るので、春香達3人は全速力でアスファルトの上を走る。


昔からシェアハウスには善意でスリッパが用意されていたので3人ともスリッパ着用で足を怪我する事もなく地面を蹴れる。


ただ家でダラダラ配信をしていただけの春香は服装の方が残念で、柔らかい生地の短パンと黒い無地Tシャツ。


他の2人は大学に行っていたのでそれなりのファッションだが。


「なんだよアレっ…!」


走りながら言う春香。


あの化け物がなんなのか意味不明だが、そんな事を考えるよりもまずは逃げる事が優先とわかっている。


幸いにもさすがに空気を読んで麗の腰から手を離し走る美優。泣きじゃくっているが。







そんな春香達の前方から猛スピードで軽自動車が走って来る。法定速度を無視したスピード。


「…!?」


春香達は車のライトが前方から見えた途端に道の端まで移動する。


その車は春香達の後ろから来ていた冥牙に衝突して吹っ飛ばす。


「え…!?」


ボンネットが少しへこむ。









―――運転席のドアが開き、1人の女性が顔を出し春香達に声をかける。


「生きてたのは3人か!良かった!」


…その女性…森口彩芽[もりぐちあやめ]はそのまま続ける


「乗って!!!」


春香達3人は悩む動作もなく命の危機を脱せるならと即座に車に乗り込む。


「無事だったんね…」

「彩芽さんありがとーっ!」


と後部座席から彩芽の首に抱き着く美優。


「こ…こらっ…!ぐるじっ…!な…なつくなっ…!」










森口彩芽[もりぐちあやめ]


…春香達と同じシェアハウスに住む28歳の女性でバリキャリウーマンの営業職。


いつもピッチリスーツを身にまとい黒髪ロングヘアからはいい匂いをさせている。


営業職と言う事もあり飲みの席なども多くなかなかシェアハウスには帰らず、


ネットカフェや岩盤浴併設の朝までいれるお風呂施設などに泊まる事が多い。


シェアハウスに帰った時はよく美優に絡まれて「なつくなっ…!」と突っ込んでいる姿は珍しくない。


ある程度の歴は住んでいるので春香や麗も知っている仲だ。


「彩芽さんっありがとうございますっ!」


春香が助手席からお礼を言うが彩芽は前方の倒れている冥牙をフロントガラス越しに確認して


「安心はまだできないから行くよっ…」


と、車のドアを全員が閉めている事を確認して、エンジンをかける。


・


・


・


…冥牙が起き上がる

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