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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第917話:逃げちゃう謎経験値君

 うちの子達と今日あったことを話しながら、魔境北辺の人形系レア魔物群生地帯を目指す。


「今日帝都でさー。ビルカとリモネスのおっちゃんを連れて、買い物行ったんだよ」

「楽しかったでやすか?」

「うん、やっぱ帝国の首都だけのことはあるね。よく賑わってて、専門店みたいのがあるんだ。例えばトウガラシとかの」

「あっ、お土産のトウガラシはその店のものですか?」

「そうそう、辛みと旨みの強い、お勧めの品種みたいだよ。ドーラではトウガラシの品種まで拘って作ってないじゃん? 帝国を見習って、変えていかなきゃいけないねえ」

「ボスのプレジャーね?」

「プレジャーだねえ」


 笑いながら歩を進める。


「リモネスのおっちゃんは『サトリ』以外にもう一つ、『断罪』っていう固有能力の持ち主だった」

「どのようなものですか?」

「相手より自分の信念が強ければ、レベルに関係なく勝ちみたいな、レアなチートめのやつだって」

「あのおっさん、姐御がヤバいって評価するくらいの男でやしょう? ほぼ無敵ではないでやすか?」

「リモネスのおっちゃんが筋道だった信念を持ってるのは間違いないな」


 あるいは『断罪』の固有能力を生かすために自らの行動に制限を課し、それをもって信念を強めているのかもしれない。


「ではリモネスさんの気性は、『断罪』と相性がいいということですか?」

「かなり」

「アトムのセイするようにインヴィンシブルね?」

「うーん、でもリモネスのおっちゃん、まともな人だからな? 世の中自分が正義だと信じて疑わない、狂信者みたいな人もいるじゃん?」

「姐御みたいなでやすか?」

「どーしてそこであたしを例に出すのだ。あたしは根拠もなく信じるようなおバカさんではないわ。あたしの志向するメッチャいい世界を目指してるだけだわ」


 クララよ。

 それを狂信者と言うのでは? とゆー目で見るな。

 大違いだわ。

 あたしはある物事を盲目的に信じたりは絶対にしないわ。  


 『断罪』は自分に絶対的な自信を持ってるやつや、ちょっと頭のイカれてるようなやつにはおそらく弱い。

 リモネスさんは自分の能力の通じない連中を刺客として送り込まれるのを避けるために、『断罪』持ちであることを秘しているんじゃないか?


「どーもリモネスのおっちゃんは敵が多そうで、案外危なっかしいと思った」

「ディフィカルトね?」

「立場がね」

「いい人ぬよ?」

「うん。いい人なのは間違いないな」


 聖火教徒にも拘らず陛下の信頼が厚く、貴族や大商人に靡かないとなれば恨まれることも多かろう。


「あと帝都の裏町で何人か知り合いできたから、また時々行ってくるね。あ、そーだ。名付け屋って商売があったよ」

「「「名付け屋?」」」


 うむ、わかるまい。


「店の屋号とか商品名とか? 人だったら本名じゃなければ二つ名とかニックネームとかを名付けるんだって」

「商売になるんでやすか?」

「帝国ではなるみたいよ」

「当然ユー様は名付けてもらったんですよね? 何と?」

「クララはあたしのことよくわかってるなあ。『ウルトラチャーミングビューティー』だって。『美少女精霊使い』よりずっといいと思わない?」

「ジャストフィットね!」

「ジャストフィットだぬ!」

「ジャストフィットだったかー」


 アハハと笑い合う。


「わっちも名前をつけてもらいたいぬ!」

「ヴィルも? ……すげえ面白そうだな」


 ひゃい子がいたのは袋小路で目立たない場所だ。

 ヴィルを呼んでも大丈夫な気がする。

 でも帝国で支配的だという汎神教での悪魔の扱いはどうなんだろ?


「ちょっと向こうの状況がわからないから、ボチボチ探っておくよ。平気そうだったらヴィルにも二つ名をつけてもらおうね」

「ありがとうぬ!」


 楽しみが増えたぞー。


「聞き忘れてたけど、新しい『地図の石板』は来てたんだよね?」

「来てやしたぜ」

「至急の案件だといけないから、行き先のチェックだけはしとかないといけないね」


 新しいクエストはこれまた楽しみだ。

 クララが言う。


「一昨日と今日の魔境行きで素材の量も多くなりつつあります。どこかでアルアさんの家へ行くことも考えるべきかと」

「アルアさんとこにはマメに素材を供給しないといけないしな。あ、今日帝国でレア素材もらったんだった。『鑑定』能力持ちのビルカ連れてったお礼だって。見たことないやつなんだけど、何かな?」


 ナップザックから石と綿の合の子のようなそれを取り出す。


「これ」


 クララの顔が紅潮する。

 あれ、ダンテも知ってるみたい。


「『雲唯』です!」

「グラウンドにフォールしてきたクラウドだと言われてるね!」

「かなりレア度の高いものです!」

「どんなパワーカードと交換できるようになるか、楽しみだぜ」

「しばらく交換対象のカード、チェックしてなかったな。今度行った時、交換レート表もらってこよう」


 アトムの嬉しがること。

 宝箱クエストで手に入れた『レディーススリッパ』や『オリハルコン』の交換対象のカードも知らない。

 もっとも現在はどんなカードが欲しいっていう明確なビジョンがないから、あたし個人としては興味が薄れてるんだよな。


「ユートピアにとうちゃーく!」

「ボス、早速シルバークラウンがいるね」

「ほんとだ」


 見つけ始めると見つかるのかなあ。

 それとも増えたか?


「一体は見逃してやろうか」

「ユー様、あっちにもいますよ」

「二体以上いるのは確定か。じゃ、近い方は倒すよ。多分ヤバい子だから要注意ね」

「「「了解!」」」「了解だぬ!」


 レッツファイッ!

 シルバークラウンが逃走! クレイジーパペットのフレイム! 全員がダメージを受ける。ダンテの実りある経験! あたしの通常攻撃! クレイジーパペットを倒した、が……。


「リフレッシュ! うーん謎経験値君、逃げやすい子かな?」

「こちらのレベルが高いと逃げるのかもしれませんね。クレイジーパペットもそういう傾向ありますし」

「あっちのもバトルしてみるね?」

「そうしよう」


 レッツファイッ! また逃げられたっ!

 とゆーか何度戦っても逃げられる。

 どーなってんだ?


「囲んでもジャンプで逃げられちゃいます」


 問答無用で逃げるから、『遊歩』も間に合わないしな?


「今のままじゃ戦闘にならないことがわかったからいいや。ウィッカーマン倒したら帰ろうか」

「「「了解!」」」「了解だぬ!」

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