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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1792話:全然地下っぽくない

「おおう、ここが塔のダンジョンの地下か」


 ヴィルを除いたうちの子達、リリーと黒服、フィフィのパーティーで、魔境クラスの魔物が出現するという塔のダンジョンの地下にやって来た。

 全然地下っぽくないぞ?

 遠くにはワイバーンらしき魔物が飛んでるじゃん。

 予想外にすげえ。


「広くない? てか天井がないじゃん。どうなってるの?」

「わからんらしい。先行偵察している精霊の情報によると、塔の地下ではあるが同時に異空間でもあるそうだぞ」

「ヒカリとスネルの情報か」


 転移できるヒカリが言うなら確かだな。

 塔の地下で同時に異空間って何それ?

 要は謎空間とゆーことか。


 管轄はどの神様になるのかみたいな興味はなくもないけど、現実はどうであるかに思考を切り替えた。

 賢いあたしは知っているから。

 世の中考えてもムダなことはいくらでもあるとゆーことを。


「どれくらいの広さがあるのかな?」

「強歩二日四方くらいだそうだ」

「魔境トレーニングエリア全体と同じくらいだな。ここより地下はあるん?」

「まだ発見されてはいない」

「脱出用の魔法陣は?」

「すぐ近くに一つある。我はまだ見ていないが、それ以外にもいくつかあるそうだぞ」


 ふむ、大体了解だ。

 しかし見た目魔境と変わらんな。

 ベースキャンプじゃなくて、いきなりフィールドに放り出されるのが何とも頼りない。

 魔境トレーニングエリアと違って回復魔法陣がないから、レベル上げに使うには不向き。

 探索には自動回復が重要だ。


「ところでフィフィはどうして危険な地下についてこようとしたの?」

「経験値を稼いでもらえるチャンスだと思って」

「目のつけどころがシャープだな」

「そ、それに貴方やリリー様とじっくりお喋りするチャンスだし……」

「目のつけどころがディープだな」

「ボチボチ行こうではないか。魔物だ。トロル一体だぞ」


 トロルか。

 低級巨人で、確かヒットポイント自動回復持ち。


「遭ったことあるけど戦ったことはないな。クリティカル持ち?」

「うむ。避けるか?」


 もしフィフィがクリティカル食らうと、ガードしてても多分やられちゃうんだよな。


「いや、向こうにターン回るまでに倒そう。もしあたしが撃ち漏らしたらリリーと黒服さん追撃してよ。ダンテは『実りある経験』、残りの皆は防御ね」

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 レッツファイッ!

 ダンテの実りある経験! あたしのハヤブサ斬り・改×二! よーし、ウィーウィン!


「低級巨人はつまらんな。ほとんどドロップに期待できないし」

「随分簡単に倒せるんですのね。経験値はどれくらいですの?」

「大体踊る人形と同じくらいじゃないかな」

「まあ、多い!」


 うーん、フィフィは喜ぶけど。


「この辺の魔物は皆トロル程度の経験値はあると思うよ」

「強い魔物だけのことはあるのね」

「今のトロルはさ。もし向こうにターンが回ってフィフィが攻撃対象になってしかもクリティカルが出る、みたいな確率の低い偶然が重なるとあんたはやられちゃう。事前の相談は、だからどうしようかってことだったんだけど」

「しししし死んじゃう可能性があったんですの?」

「死にはしない。クララが蘇生魔法使えるから。でもまあ気分が悪いじゃん?」

「気分! 気分って……」

「もうちょっと効率のいい魔物を倒したいね。景気が悪くてかなわん」

「景気よりも命の方が大事ですのよっ!」

「わかっとるわ。命が大丈夫なら、次に考えるのはおゼゼだろーが。いや、お肉かな?」

「貴方の言うことには真剣味が足りないわっ!」


 真剣味なんて何の役にも立たんわ。

 ガタガタ言わんとしっかりガードしててください。

 先へ進む。


「ワイバーンか」


 何回か戦闘があり、やや強い魔物が出始めた。

 もうフィフィもレベル二〇近いし、全体攻撃食らっても大丈夫だろ。

 黒服が言う。


「シャドウワイバーンです。通常のワイバーンより、ヒットポイントは高めです」

「オーケー。一回攻撃食らうからしっかりガードしててね」

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 レッツファイッ!

 ダンテの実りある経験! ワイバーンのウインドブレス! 全体にダメージ! チラッとフィフィ見たけど大丈夫だな。あたしの雑魚は往ね! よーし、勝った!


「やたっ! 卵だ!」

「おお、塔の地下の飛竜も卵をドロップするのだな」

「あっ、初めてだった?」

「うむ」

「今日は夕御飯の約束しちゃっててさ、塔の村にいられないんだ。この卵はあげるから、皆で食べてよ」

「そうか、すまんな」


 リリー大喜び。

 ワイバーンの卵好きだなあ。

 と、後ろから恨みがましい声が。


「あ、あのう、貴方?」

「あっ、フィフィごめんね。リフレッシュ!」


 急いで回復魔法をかける。

 つい意識がドロップした卵に行ってしまっていた。

 リリーも同罪だぞ。

 フィフィが弱音を吐く。


「け、結構キツいのです」


 『ハヤブサ斬り・改』×二で倒せばフィフィにダメージは行かないのだが、探索重視ならばマジックポイントを節約したい。

 『雑魚は往ね』で倒して戦闘後に『リフレッシュ』すれば、自動回復分以下のマジックポイントしか使わないんだが。


「うーん、じゃあこの辺にしとく? 今のワイバーンの類は爪が割とお高めの素材なんだ。たまにドロップする卵は高級食材で大変おいしい。リリーの大好物」

「経験値は?」

「踊る人形の倍くらいかな」

「か、かなり効率がいいんですのね?」

「そうそう。あのウインドブレスは強力ではあるけど、やられちゃうような攻撃ではないんだ。へこたれさえしなければお得な魔物ではある」


 リリーが言う。


「ユーラシアパーティーの精霊が、戦闘時に毎回『実りある経験』というスキルをかけてくれているであろう? あれは戦闘における経験値が倍になるスキルなのだ」

「倍? つまり計算上ワイバーンを一体倒すと、踊る人形の四倍の経験値を得ている勘定になるんですの?」

「そゆこと」

「ユーラシアのパーティーは皆レベルカンストしているから、本来経験値倍増スキルの恩恵はない。我々のためにサービスしてくれているのだ。もう少し辛抱してみぬか?」

「さ、サービスということでしたら頑張ります」

「ムリしなくていいからね。我慢できなくなったら言って」


 損得勘定になるとフィフィは頑張るなあ。

 辛抱強いのか業突く張りなのか。

 さらに進む。

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