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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1780話:あたしから手出しするのは構わない

「お肉おいしいです!」

「いやー、よおぐるとは素晴らしいな。お肉のあとにさっぱり感を楽しめる」

「両方美味しいですわよ」


 たわわ姫の絵を描かせてもらってから、網焼きでお肉を楽しむ。

 たわわ姫の用意してくれたよおぐるとはいいな。

 柑橘のものとは一味違う、爽やかな酸味と甘みを楽しめる。


 イシュトバーンさんが言う。


「これは砂糖が入ってるのかい?」

「ヨーグルトですか? 入れてますよ」

「あっ、そーなんだ?」


 てことは本来もっと酸っぱいものなのか。

 イシュトバーンさんよくわかったな。


「どの辺の食べ物なんだい?」

「これはカル帝国から見て東南の大陸の騎馬民族のものです。でもカル帝国にも似たものはありますよ」

「へー、じゃドーラに導入する時は、帝国のやつを考えた方がいいかもな」

「ハハッ、やはりドーラに持ってくるのか?」

「だってこれ単品でもイケるけど、スイーツにも応用利くし生野菜にかけてもおいしいよ。ちょっと酸味足したい時の隠し味にも有力な選択肢になる」

「おお? 入れ込むじゃねえか」


 クセがない味のものは勧めやすいしな。

 砂糖入れれば誰でも食べられそう。


「ま、でも今は手をつけらんないかな」

「ん? そうか?」

「頼むとすると牛乳生産の多い白の民か発酵食品に強い黒の民なんだけどさ。両方とも今手一杯なんだよ」


 白の民は各種家畜家禽を全力で増やしてる。

 黒の民のラボも酢と醤油の生産で余裕がないのだ。

 優先順位を間違ってはいけない。


「『オーランファーム』は? あそこはチーズも作ってるぞ。発酵食品のノウハウはあるだろ」

「その手があったか。でも『オーランファーム』にも色々頼んじゃってるからなー」


 帝国一番人気のトウガラシとか落花生とかな。

 秋からはイチゴ『パウリーネ』の栽培もお願いしたいし。

 まー先でいいだろ。

 偶然よおぐるとを生産している人に出会っちゃったりすれば別だけど。


「ところでたわわ姫はこの場所から出られねえのか?」

「出られないことはないですよ。寄り合いや定例会議もありますし」

「神様同士の? いや、そうでなくてさ。こっちの世界に遊びに来たりはできないの?」

「管轄の世界に直接手出しすることは厳禁ですので、そもそも行く手段すら私は持っていないんです」

「あれ? 手出し無用って思ったより厳格なルールなんだな」


 自分で来ることすらできないのか。

 いや、きっと神様の性格が緩いから、ルールを守らせるために来られないようになっていると見た。


「ですからせいぜい夢にお邪魔するくらいしか方法がなくて」

「つまりこっちの世界からたわわ姫に手出しするのは構わないんだね?」

「えっ?」


 うちの子達は始まったぞーって顔してるし、イシュトバーンさんはニヤニヤしている。

 えっちな目はやめろ。


「あたしが迎えに来て、こっちの世界に遊びに連れ出すのはいいってことじゃん」

「え、いいんですかね……」

「禁止されてないし、罰則もないんでしょ? ダメな理由がある?」


 小首をかしげるたわわ姫。

 おっぱいの動きがイシュトバーンさんを喜ばせますぞ。


「……ダメな理由はなさそうですね」

「でしょ? こっちの世界に来たって余計なことしなきゃ、やっぱりルールに抵触しないわけじゃん」

「それもそうですねっ!」


 ハハッ、たわわ姫も乗ってきた。

 イシュトバーンさんが言う。


「今度迎えに来るね」

「今日の絵もまだ完成じゃねえんだ。でき上がりを見てもらいたいぜ」

「ありがとうございます。ぜひ拝見させてください」

「話変わるけど、たわわ姫がここで手に入れられるものって、どの程度のものまでなのかな? 確か非売品は難しいんだよね。基本的には市販品だけってこと? この前チラッとそう思ったんだけど」

「そうです」

「市販されてても流通量が極端に少なかったりすると?」

「まずお取り寄せできないと思います」


 ふむ、大体たわわ姫のお取り寄せ事情は理解した。

 イシュトバーンさんと顔を見合わせる。

 たわわ姫は本当においしいものをおそらく知らない。


「たわわ姫よ。真に美味いものは売ってないんだぜ」

「そうなんですか?」

「昔のカル帝国の宮廷料理人の残した、秘伝のスイーツレシピ集ってのがあるんだ」

「材料さえあれば、あらかた再現できるってとこまで解読が進んだんだぜ」

「おお、やるなあ。この世界最高のスイーツが食べられちゃうってことだよ」

「素晴らしいですね!」

「素晴らしいですわっ!」


 ガルちゃんまで大喜びじゃないか。


「じゃあ次はオレん家で食事会だ。それでいいな?」

「「「異議なし!」」」「異議なしだぬ!」

「いつにする? その前日にはワイバーンの卵持ってきて欲しいんだが」

「おっと、大マジで最高のスイーツだね? 実に楽しみだな。でも絶対卵持ってこいってことだと難しいんだけど」

「あんたいつも魔境で簡単に取ってくるじゃねえか」


 色んな物事が動き始めたっぽいからな?

 今の状況が魔境ハイキングを許さないとゆーか。


「今日サラセニアでクーデター起きちゃったんだ。騎士団が宮殿に押し入って公子を捕まえようとしてんの。公子二人を救い出して、安全なガリアの王様のところに送り届けたんだけどさ。あちこち連絡しなきゃいけなかったから面倒だった」

「あんたそんな面白そうな話、これっぽっちもしなかったじゃねえか!」

「自分で満足しちゃってたからかな? たわわ姫の絵の方に頭が行ってたよ」


 軽く説明っと。

 大至急クエストがゴーレムで精霊の巫女がどうにかこうにか。

 事態の急展開があり得るから、魔境行くの難しくなるかも。

 イシュトバーンさんが呆れたように言う。


「あんたはどれだけ愉快な星の下に生まれついてるんだよ?」

「さあ? ちなみにこれってたわわ姫は把握してたことなのかな?」

「クーデターのことは把握していました。ユーラシアさんが噛んでくることまでは予想外でしたが。ごめんなさい、これ以上私の方から情報は流せませんけれども」

「わかってるわかってる。じゃ、ワイバーンの卵の入手に成功したら、イシュトバーンさんと日を決めてたわわ姫に連絡入れるよ。数日以内だよ」


 要するに『アトラスの冒険者』による突然の介入は、たわわ姫では予想できないと。

 了解です。

 ごちそーさま。


「じゃ、今日は帰るね」

「バイバイぬ!」


 新しい転移の玉を起動し帰宅する。

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