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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1779話:強調されるおっぱい

「……ってことなんだ」

『相変わらずおかしなことに巻き込まれているな』

「そーなんだよ。巻き込まれてるだけなのに、何故かあたしがやらかしてると思ってる輩が多いの。何とかならんものか」


 帰宅後行政府にヴィルを飛ばして、サラセニアのクーデターについてパラキアスさんに報告中だ。


『ドーラには関係なさそうか?』

「なさそう。ただしまだよく見えてない背景が多いんだ」

『ハハッ、ユーラシアの楽しみが残ってるわけだな?』

「楽しみと言えば楽しみかな」


 商売とかあたしにとって都合のいい世界の構築に関わるところで、トラブルなんて起こって欲しいと思ってるわけじゃないんだけどなあ。

 もっとも今日のイベントが面白かったことは否めないけれども。


「サラセニアとガリア、事態が広がっても帝国とアンヘルモーセンまでだと思う」

『皇帝選への影響はどうだ?』

「あっ、考えてなかったな。……基本的に無視できそう」

『そうか』


 帝国市民はまだまだ内海への関心は薄い。

 この件に関わりそうなのは植民地であるタルガだし。

 報道されたとしても、遠い外国の話っていう認識なんじゃないかな。


「新しい在ドーラ大使のホルガーさん、今日帝国を発ってるって話だよ」

『海の状態にもよるが四、五日で到着だな。了解だ』

「じゃねー。ヴィルありがとう。こっちに戻っておいで」

『はいだぬ!』


 よーし、報告終わり。

 クララが話しかけてくる。


「急に物事が動き始めましたね」

「あちこちいっぺんにね。エンターテインメントは順番に巡ってくればいいのに」


 整理券を発行しとかなきゃならんわ。


「でも明日明後日は用がないんだよなあ」

「どうします?」

「明日はエーレンベルク伯爵家行ってくるよ」


 もうちょっと本の売れ行きを見てから行くのがいいのかもしれない。

 けど、ランプレヒト伯爵は豪快な人ってことだった。

 フィフィが冒険者やってる現状を聞かせて興味を持たせ、本の売り上げに協力してもらうのが正解って気がしてきた。

 皇帝選の投票終えたらすぐ領地に帰っちゃうかもしれないし。

 あたしも先々忙しくなりそうということもある。


「ガリアやサラセニアで何があるかわからん。予定には余裕持たせておこう」

「わかりました」

「姐御、転送魔法陣の行き先変わりやしたぜ」

「大至急のやつ? どうなった?」

「『サラセニア・ウトゥリク市内』ね」


 もう用がなさそうな脱出路から転送先が変わるだろうとは思っていた。

 市内なら調査に好都合だ。


「さてと。イシュトバーンさんを迎えに行ってくるね」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「ほお、いいところじゃねえか」

「でしょ? この木皆聖風樹だって」


 うちの子達とイシュトバーンさんを連れて、『不思議の泉』の転送先へやって来た。

 イシュトバーンさんは絵を描く用意もしてきている。


「聖風樹は使いでがあるだろう? 植樹できねえのか?」

「ある程度の魔力があることが生育条件みたいなんだ。魔境なら育つかもしれんけど」

「昔、帝都メルエルの比較的近くのところにも生えてたらしいぜ?」

「そーなん? あ、ヴォルヴァヘイムの辺りかも。魔境みたいな立ち入り禁止区域があるんだよ」

「木材が必要、開拓も必要ってことで切られ尽くしちまったらしい」

「ふーん。ヤマタノオロチを退治した近辺は、あんまり栄えてなかったけどな?」


 集落がいくつかあったってくらい。

 もっとも何年に一度か魔境クラスの魔物が出ちゃうみたいだから、デカい集落なんかできるわけないか。

 なら別の場所かな?

 あっ、聖風樹を切り尽くしたから魔力の状態が不安定になりやすくて、たまにとんでもない魔物が出ちゃうのかもしれないな。

 因果関係を知りたいものだが、これは魔道研究所の仕事か。


「泉があって斧が落ちてるじゃん?」

「おう」

「で、この斧を泉に放り込むと……」


 あ、来た来た。

 そして水面を割って現れるたわわ姫。


「あなたが落としたのは金の斧ですか? それとも銀の斧ですか?」

「たわわ姫こんにちはー」

「ユーラシアさんと、きゃああああああイシュトバーン様!」

「女神様に様呼びされてんのすげえ」

「今日はよろしくな。夢に出てきてくれた時の木の枝の冠ねえか? あれはあんたによく似合ってる」

「すぐに持ってきます!」


          ◇


「うーん、さすがイシュトバーンさん」

「だろ?」


 イシュトバーンさんが御機嫌で早速絵を描き始める。

 たわわ姫は立ち姿で、下げた両手で一本の斧を持っているポーズだ。

 何がさすがって、二の腕の間でおっぱいが強調されるじゃないか。

 あたしがあのポーズでも強調されないだろって?

 やかましいわ。


 ふいに高まる魔力。

 ヴィルとガルちゃんも来た。


「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」

「お招きいただき、ありがとう存じます」

「ガルちゃんもう少し待っててね。今絵を描いてもらってるんだ」

「絵ですの? あっ、随分とみだらで退廃的ですわね。嫌いじゃないですわ」

「ガルちゃんの感想はなかなか冷静だな」


 チラッと横目でこっちを見ながらイシュトバーンさんが言う。


「昨日のあんたの絵もそうだが、今後描く絵は仕上げるだけじゃなくて、ビッグサイズの写しをとることにしたんだ」

「へー、何で?」

「彩色して細かく書き込みてえってのもある。それよりバアル美術館に寄贈してやろうと思ってな」

「あっ、イシュトバーンさんありがとう!」

「いいってことよ」


 バアルがくれたお宝をメインコンテンツに美術館をオープンして、ドーラ観光の目玉にしようという構想がある。

 以前イシュトバーンさんにもチラッと話したことだ。

 イシュトバーン画伯の絵が展示してあったなら、そりゃ集客力強まりますわ。

 ありがたいことだ。


「柔らかそうですわ」

「柔らかそうだぬ!」

「何なんだあんた達は。わかるけれども」


 たわわ姫の二の腕に挟まれてる部分がとても柔らかそうなのだ。

 そして実物以上に柔らかそうに見せるイシュトバーンさんの謎技術。


「よし、できたぜ。たわわ姫、御苦労だったな」

「とても素敵です!」

「うむ、素敵だぞー。たわわ姫、これお礼ね」


 透輝珠を一つ手渡す。


「えっ? こちらがお礼しなければいけないくらいですのに」

「商業出版するかもしれないからね。権利関係はしっかりしとくの」

「では、いただいておきますね。バーベキューセット持ってきます」

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