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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1734/2453

第1734話:そうじゃないぬよ?

「ただいまー」

「ただいまぬ!」

「お帰りなさい」


 メルヒオールさんウルピウス殿下ルイトポルトさんを送り、ホームに戻って来た。

 ふー、我が家は落ち着く。


「どうでしたか?」

「うん、しっかり昼食はごちそーになってきた」

「ワッツ?」

「スープ、魚料理、肉料理、卵料理、サラダ、ライス、デザートっていう、帝国らしいお皿の数の多い料理だったね。メリハリが利いてておいしかったよ」

「「「……」」」

「卵料理はちょっと変わってたな。基本は溶き卵に牛乳混ぜて固めたものなんだけどさ。中に何かのナッツが入ってるの。意外性があったわ」

「「「……」」」

「デザートはちょこれえとケーキだったね。やっぱちょこれえとの使い方は帝国に一日の長があるわ。ドーラもいずれ見習わないといけない」

「御主人、そうじゃないぬよ?」


 まあわかってたけど、止めないもんだからどんどんお昼御飯を掘り下げちゃったわ。


「いや、どうってことなかったな。双子皇子の皇帝選出馬に関する状況説明はオマケみたいなもんだった。関係者皆、あたしとゆー美少女に会いたいってことだったみたい」


 姿勢には差があったけどな。

 ザイフリート侯爵家バルトロメウスさんは、単なる興味本位に近かったと思う。

 キルヒホフ伯爵家インゴルフさんは切羽詰まってた。

 藁にもすがりたい気持ちだったんじゃないか。

 チョップ男爵家ルイトポルトさんは最初受け身に近かった。

 最終的に一番感心してくれてたけどな。

 

「姐御の実力を発揮してきやしたんでやすね?」

「あたしの魅力を発揮してきちゃったんだよ」

「御主人の馬力を発揮してきちゃったぬ!」


 アハハと笑い合う。

 何だ馬力って。


「アフタヌーンはどうするね?」

「ペーターのとこ行ってくる。いるといいけどな」


 緑の民の輸送隊員ペーターは『晴眼』の固有能力持ちだ。

 転移先を見ることができるので、ドワーフに作ってもらった転移の玉をチェックしてもらおう。


「そんなに時間かかんないから、帰ってきたら魔境行こうよ」

「「「了解!」」」「了解ぬ!」

「行ってくる」


          ◇


「美少女精霊使い参上!」

「参上ぬ!」

「やあ、ユーラシアいらっしゃい」

「エメリッヒさんもこんにちはー」

「おう」


 サイナスさんとエメリッヒさんがJYパークのショップにいた。

 エメリッヒさんと会えたのは好都合だ。

 ブタについて相談しとこ。


「お肉サイナスさん家に置いてきたよ」

「いつもすまないね」

「エメリッヒさんもいる?」

「肉は好物だが、オレは料理できねえんだ」

「エメリッヒさんの才能は、料理なんかで開花しなくてもいいわ。エメリッヒさんにはお嫁さんが必要だね」


 これは心から思う。

 特化した技術や才能を持ってる人は、自分の専門分野だけやってくれればいい。

 特殊で貴重な人を生かすのは周りにいる人間の役割だ。


「サイナスさんから話聞いてる?」

「聞いた。陛下が亡くなったそうだな」

「おおう、そこからか」


 実家のギレスベルガー家の事情も聞いてるはずなのにな。

 あんまり実家には関心ないんだろうか?


「今新しい皇帝を選ぶ選挙をやってるの。帝都市民にも投票権あって、一般投票日は来月の一四日なんだ。翌日には新しい皇帝決まるよ」

「ユーラシアも投票権あるんだろう?」

「えっ?」


 あ、エメリッヒさん意外ですか?」


「あるある。あたしは騎士様だから五〇票持ってるの。さっき投票してきた」

「ん? 市民と投票日が違うのかい?」

「市民票は帝都の市長と選挙管理委員会の、貴族票は施政館の管轄なんだよね。地方の領主は都合よく帝都にいられないから、投票期間に幅を持たせてるんだと思う」

「「なるほど」」

「いや、皇帝選のことよりギレスベルガー家の事情なんだけどさ」


 とゆーかブタの話がしたいんだけどさ。


「フェーベ叔母が女子爵だとか? どうなってるんだ?」

「あたしも聞いただけだから詳しいことはわかんない。エメリッヒさんの腹違いの弟と思われてた人? が、どうやら血の繋がった弟じゃなさそうってことだけ」


 フェーベさん身内の恥って言ってたし、初対面の人に突っ込んで聞ける話じゃなかったわ。

 え、興味なかっただけだろうって?

 興味なくはなかったよ。


「最近のことなんだろうが、ギレスベルガー家も激動だな」

「やっぱ実家のことは気になる? 今度フェーベさんに会わせるから、詳しいことはその時に聞いてよ」

「つまりブタ飼育の提携についての会合だな?」

「そうそう」

「できればあんた、叔母の力になってやってくれねえか?」

「えっ?」


 何ぞ?

 ギレスベルガー家領テルミッツは、魔物の多い土地柄らしい。

 だから魔物退治のことであたしと知り合いになりたかったとは聞いたが。


 エメリッヒさんが苦渋の表情を見せる。


「フェーベ叔母が子爵位を継ぐなんてよっぽどのことだ。ギレスベルガー家内部がまとまってるとはとても思えねえ」

「かもしれないね」

「フェーベ叔母は信用できる。が、ギレスベルガー家内はフェーベ叔母みたいな人間ばかりじゃねえぞ? こすっからいやつに権力を握られると、約束を反故にされるかもしれねえ」

「弟が弟じゃなかったかもって現実があると説得力あるなあ」


 資料をバカ高く売りつけてくるとか、ブタ飼育自体を諦めてしまって提携がなくなってしまうとかか。

 ブタ飼育の実現が遠くなるかもしれないじゃないか。

 どえらい迷惑だなあ。


「フェーベさん、エメリッヒさんが帰ってくるなら子爵位を譲ってもよいって言ってたぞ?」

「よせよ。柄じゃねえ。オレはドーラが気に入ってんだ」

「くう、泣けるね。義理と人情のドーラ旅情」

「旅情関係ないからな?」


 アハハと笑い合う。

 ただエメリッヒさんの言うことももっともだ。

 ブタのために、フェーベさんの立場を強化してやることが必要らしい。

 投票したら領地に帰るって言ってたから、次会えるのは四日後来月の二日以降か。

 早めにエルフのワイルドボア飼育の確認した方がいいな。


「エメリッヒさん。近い内にエルフのブタプロトタイプを見に行きたいんだ。いつ空いてる?」

「いつでも構わないぜ」

「次回の輸送隊はアレクが休みだ。スキルスクロール生産のチェックは任せていいと思う」

「明日行こうか。午前中にエメリッヒさん家迎えに行く」

「わかった」

「じゃねー」

「バイバイぬ!」


 さて、ペーターんとこ行くか。

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