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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1720話:ちゃあはん

 フイィィーンシュパパパッ。


「ユーちゃん、いらっしゃい。用意できてるわよ」


 帰宅後、魔境で少し遊んでからチュートリアルルームにやって来た。

 リリーは今日、皇宮でお泊りだそーな。

 皇妃様と話でもするんだろう。

 ヴィクトリアさんとのわだかまりが早く解けるといいな。


「そして追加のおにーく!」

「やったあ!」


 小躍りするバエちゃん。

 バエちゃんもお肉好きだなあ。


「覚えてるよ、ちゃあはん。バエちゃんの教えてくれる料理だから期待してる」

「今日はお肉多めチャーハンと焼き肉のお肉シスターズね?」

「海藻入りの骨スープ持ってきたんだ。こっちにもお肉入れて三姉妹にしよう」

「素晴らしいわ!」


 クネクネダンスに移行した。

 すごい技のキレだなあ。

 あ、来たな。


「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」

「ガルちゃんもいらっしゃい」

「御機嫌よう。お招きに与り、嬉しいですわ」

「今日はお肉三姉妹だぞ? クララがメインでちゃあはん教えてもらってよ。あたしスープ作りながら横目で見てる」


 明日もお肉の日、ダンテ曰くダブルミートデーだからなあ。

 これが幸せの連鎖か。


          ◇


「……塩コショウしたお肉に大体火が通ったらめんつゆ、摩り下ろしたショウガとニンニクで味付け、同時に水分を飛ばす」


 ふむふむ。

 あたしが見ているスープにもお肉に火が通って灰汁をすくったから、野菜を投入と。

 煮えたら塩入れてでき上がりだな。


「他の具材を投入。焦げつかないよう常に鍋はかき混ぜたままでね……クララちゃん、やたらと手際良くない?」

「そんなことないですよ」


 そんなことあるわ。

 クララの調理は、流れるような自然さがあるんだわ。

 まークララは料理が好きだから。

 バエちゃんにも一度クララの必殺技、魔物一〇秒解体を見せてやりたい。

 あれは料理じゃなくて芸かな?


「お肉以外の具材は何でもいいんだけど、今日はあんまり火を入れなくてもいいキノコとネギね。全体に油が回ったら溶き卵と炊き立てのお米を入れて、お米の一粒一粒が卵の膜に覆われるイメージで」

「了解です」

「塩パラパラと。よし、スープは完成だぞー」

「チャーハンも完成よ」

「ちゃあはんは一旦大皿に移して、あとで取り分けよう。おーいアトムダンテ、スープをよそって。我々は引き続きお肉を焼くミッションに当たる!」

「「「「了解!」」」」


          ◇


「あ~あ~はてしなく~にくをたべ~つづけ~えええ~ああ~いつのひか~おおざら~から~にする~」

「バエちゃん今日も絶好調だな。実にちゃあはん美味い」


 らいすがプレーンな味のものだけに、味をつける方向性はありだな。

 かれえもしかり、ふりかけもしかりだが。

 しかし?


「この手の料理は米文化圏なら考えつくだろうな。ガルちゃん、帝国ではちゃあはんある?」

「油で炒める米料理ということですわね? ありますわよ。主に残った冷や飯を美味しく食べる手段として用いられていますわ」

「冷や飯でもできるけど、炊き立ての方が調理が簡単でおいしいわよ」

「なるほど、細かいノウハウがあるんだな。つまりこれは人類にとっては小さな一歩だが、ドーラ人にとっては偉大な一歩であるとゆーことか」


 ハハッ、バエちゃん感心してら。


「格好いいセリフねえ」

「つい名言がこぼれ落ちてしまったね」

「チャーハンはすごくいろいろバリエーションがあるの。混ぜ御飯炊き込み御飯の類まで加えたら、可能性は無限よ」

「マジでそうだな。米の料理は何かを乗せるか混ぜるかが基本?」

「あとは粥や雑炊のように、お湯やスープで伸ばすくらいよ」

「ふむふむ。米料理はドーラには合ってるな」

「米の栽培が気候に合ってるということ?」


 確かに水さえあれば栽培しやすいという利点もあるんだが。


「食習慣の問題かな。帝国の料理は小皿の数が多い気がするんだよね」

「器が多い方が豪華という意識があるのですわ」

「やっぱそーだったか。ドーラには器が多けりゃいいっていう考え方がないから、かれえらいすやちゃあはんみたいな、一品で完結する料理が向いてると思うんだ」


 ちゃあはんだけで御馳走。

 スープにスイーツがついたら大御馳走だな。


「食文化の違いがあるのねえ」

「まー美味いものは美味いんだが」

「その通りなのですわ!」


 ガルちゃんのテンション高いな。

 お肉三姉妹だからか。


「そっちの世界では何か変わったことあった?」


 というよりバエちゃんとシスター・テレサに関わること。

 あるいは赤眼天使エンジェルさん関係のことが知りたい。


「シスター・テレサの水魔法『アクアクリエイト』販売は絶好調よ。私のところにも配当金が入ってくる予定なの」

「うん、いいね」

「盾の魔法の方はまだテスト中だけれども、こちらの世界でよく使われている『スキルキャンセラ』より先にかかる強力な魔法ということが判明して、ちょっと話題になっているのよ」

「へー。よく使われるスキルの違いで、考え方も変わるもんだな」

「警察や衛兵にも正式採用されそうで、結構な需要になりそう」


 『スキルキャンセラ』は先制でかかり、全ての魔法・バトルスキルの発動を止めてしまう効果だったか。

 向こうの世界では『スキルキャンセラ』の撃ち合いになるケース多そう。

 しかし盾の魔法は、敵がどんな攻撃を仕掛けてきたとしてもとりあえず無効化できるという、際立った特徴がある。

 スキル以外の攻撃であっても効果あるんだから、戦いのやり方も変わるんじゃないの?


「儲かりそうで良かったよ」

「シスター・エンジェルがチュートリアルルームに視察に来るって。まだ日程は決まってないけれど」

「ようやくか。待ちくたびれちゃったよ」


 『アトラスの冒険者』が廃止されるからって、所長がわざわざ末端の現場チュートリアルルームまで来る意味はない。

 エルの行方に関して何か感付いたな?


「多分あたしを呼べって話になるな」

「そうなの?」

「うん。楽しみにしてる。ごちそうさま」

「おいしかったのですわ!」

「ガルちゃん御機嫌じゃねーか。そーいや一昨日サソリのから揚げ食べたら、ひっじょーに美味かったな」


 バエちゃんとガルちゃんが怪訝な顔してるがな。

 ゲテモノじゃないよ?

 本当に美味しいんだって。

 機会があったら食べさせたろ。


「さて、帰ろうかな」

「またね」

「バイバイぬ!」


 転移の玉を起動して帰宅する。

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