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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1718話:ラウラカミラさんとフェーベさん

「こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「おお、ユーラシア。ようまいったの」


 ヴィクトリアさん以外に二人の女性がいる。

 年齢的には二人ともヴィクトリアさんと同じか、少し下くらいだろうか?

 うん、特に反リリーの御婦人というわけじゃない。

 全く問題はないな。


「リリー連れてきたよ」

「うむ、御苦労であったの」

「姉様、お久しゅう。ラウラカミラ殿もフェーベ殿も」

「リリー様こそ。御機嫌よう」


 緊張感が漂う。

 ヴィクトリアさんもリリーも気まずいんだろうな。

 ラウラカミラ、フェーベと呼ばれた二人は、比較的リリーとも親しい間柄のようだ。

 不躾でない程度の好奇の視線を、リリーとあたし、ヴィルに向けてくる。

 あれ、完全にエンタメモードだぞ?

 この二人図太いんじゃね?


 ヴィクトリアさんがいきなり頭を下げる。


「リリアルカシアロクサーヌよ。あー、その長年すまなかった!」

「先手ヴィクトリアさん。大胆な初手です。後手リリーはどう出るか?」

「こらユーラシア、何でもエンタメに当てはめるな!」


 アハハと笑い合う。

 砕けた雰囲気にするテクニックだってばよ。


「ユーラシアに諭されての。カレンシーはいい人だから話してみることをお勧めすると」

「我もユーラシアに聞いた。母様の食い意地の悪さが軋轢を生んだと」

「そうじゃ、カレンシーに申しておけ! 相当美味いものを馳走しないと許さんぞと」

「美味いものとは聞き捨てならないね。ぜひ御相伴に与りたいから、ごちそーの時はあたしも呼んでよ」


 再びの笑い。

 ヴィルがヴィクトリアさんとこに行ったわ。


「今後リリーと呼んでもいいかの?」

「もちろんだぞ、姉様」

「ところでそちらのお二人は? あたしにも紹介してよ」

「おお、先に紹介すべきじゃったの。こちらはヤマタノオロチ退治の勇士ユーラシア。そちらはツムシュテーク家のラウラカミラ伯爵夫人と、ギレスベルガー家のフェーベ女子爵じゃ」

「えっ?」


 えらくあたしにとって関係の深い二人が出てきたぞ?


「どうした、ユーラシア」

「ドーラ人は遠慮がないから、突っ込んだことを二人に聞くけどごめんよ。ラウラカミラさんはライナー君とニライカナイちゃんのお母さん?」

「はい。ユーラシアさんには大変お世話になって。ライナーとリリー様は縁がなかったようで、とても残念です」

「おいこらリリー、眉毛下げんな。ライナー君は聖女キャロラインと多分くっつくから大丈夫だぞ?」

「さようなのか?」


 あれ、ヴィクトリアさんまで食いついてきたやん。

 フェーベさんも興味津々だし。

 意外とゴシップ好きなのかな?


「ライナーが最近、休暇のたびに教会へ行っているのは本当なのです」

「占い師ユーラシアによると、険しい道の果てに幸福があるでしょう、だよ」


 まーあたしのカンは大体外れないから。


「スライムの飼育も順調です。娘が大変可愛がっておりまして、かなり慣れてきたのですよ」

「いいねえ」

「ええ、娘の後ろをついて歩くようになって」


 ラブリースライムは元々人懐こいけど、エサくれる人を認識するんだろう。

 かわゆいのう。


「あのキュートなスライムはペットとして有望じゃの」

「うん。伯爵領で産業化できれば最高だな」


 ノルトマン伯爵が乗り気だったからな。

 ニライちゃんのペットとして接しながら、色々チェックしてるだろう。

 先々希望が持てる。

 でだ。


「聞きたい本命のフェーベさんだけど」

「えっ、私ですか?」


 あたしと絡みがない、蚊帳の外と思ってましたか?

 ギレスベルガー家と聞いては放っておけないんだぞ?


「テルミッツを領地にしてるギレスベルガー家の領主様で合ってる?」

「そうです!」

「テルミッツには魔物が結構多いのだ。騎士や兵士が魔物を倒す駐屯訓練が行われることがある。我も行ったことがあるぞ」

「魔物退治の訓練が成立するって、結構な魔物密度だね」


 ドーラの西域並みに魔物が多いんじゃないかな。


「魔物退治のことでユーラシアと知り合いになりたかったようなのじゃ」

「何だ。早く言ってよ。力になるからさ」

「助かります!」


 そんなに困ってるのかな?

 エメリッヒさん魔物除けの類が必須って言ってたしな。


「元宮廷魔道士のエメリッヒさんっているじゃん?」

「消息不明の甥です」

「あ、フェーベさんの甥っていう間柄なのか。今エメリッヒさんはドーラにいるの」

「「「「えっ?」」」」

「ドーラの産業を底上げするために、魔道の知識を持ってる人が欲しくてさ。エメリッヒさん宮廷魔道士辞めてホームレスしてたから誘ったんだ」

「ドーラに……エメリッヒは無事でしたか。ありがとうございます」


 フェーベさん泣いとるがな。

 エメリッヒさんったら、どんだけ心配かけてんだ。


「今フェーベさんが子爵なんだねえ。エメリッヒさん、弟に子爵家継がせるのが既定路線みたいなこと言ってたけどな?」

「……ギレスベルガー家の恥となることですが……その者は兄の血を継がぬ疑いがあることが判明いたしまして」


 慎重な言い方だ。

 継母の不貞ってことか。

 皆身体乗り出してるじゃん。


「フェーベ殿が子爵家を継いだ背景には、深い事情があったのじゃな」

「エメリッヒは兄によく似ていました。エメリッヒが帰ってくるなら子爵位を譲ってもよいのですが……」

「エメリッヒさん、貴族の教育も受けてないし社交も出たことないって話じゃん」

「そ、そうですね。ムリがありますか……」

「とゆーか、ドーラにとって重要人物になりつつあるから返さないぞ?」

「えっ?」

「聞かせろ! ホームレスの成り上がり、面白いではないか!」


 何だ何だあんた達。

 ヴィルがどこ行こうか迷ってウロウロしてるじゃないか。


「まずメインのお仕事。ドーラから帝国に輸出してる、スキルスクロールの製作に関わってるんだ」

「ほお? どうして宮廷魔道士を辞めてしまったのであろうの? 恵まれていると思うのじゃが」

「宮廷魔道士って軍事とか安全に関わる研究以外では、予算が下りにくいみたいなんだよね。エメリッヒさんは生活に関わるものの研究がしたかったんだって」

「ふうむ?」

「香料の研究とかしてるんだ。遠くない将来に、すげえいい香りのする石けんをドーラから輸出すると思うよ。それ見たらエメリッヒさん頑張ってると思ってよ」

「は、はい」


 転移術や魔力かまどについてはいいだろ。

 もう一つ。

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