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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1660話:余剰石板クエスト候補

 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」


 施政館で昼食をいただき、ルーネとビアンカちゃんを送ったあと、魔境にやって来た。

 ビアンカちゃんは色々あってくたびれたのかもしれない。

 何かボーっとしてたので、ヴィルルーネと一緒になってぎゅーしてやったら復活した。

 ぎゅーは魂の活性剤だから。

 めでたし!


 オニオンさんが言う。


「ユーラシアさんは活発に動いてる割に、ギルドにはあまり顔を出されないらしいじゃないですか」

「ギルド? あまり行かないってことはないけど、特別に約束があるとかじゃなければ、数日に一度くらいかな。売らなきゃいけないものが溜まってくると行く感じ。魔境の方がよく来てるよ」

「ギルドより魔境に来る冒険者なんて、ユーラシアさん以外にいないですけれども」


 ギルドも楽しいんだけどね。

 御飯食べるのにギルドでっていう冒険者が多いんじゃないかな。

 あたし達は家で食べるのがデフォルトだから。

 うちの子達とふれあうためには、人の多いギルドより魔境の方が都合がいいという事情もある。


「例えば今日の午前中は何やってたんですか?」

「帝都にいた。ここに連れてきたことないけど、第二皇子兼主席執政官閣下の一人娘ルーネロッテ皇女ってのがいるの」

「『兼』って。はい、ルーネロッテ皇女ですか。親しくされているんですか?」

「時々遊んでやってる。『風魔法』持ちで、冒険者に憧れてる子なんだ」

「ユーラシアさんが魔境に連れていらっしゃらないのは、違和感がありますね? 何か理由があるんですか?」

「あたしだから魔境に連れてくるのが当然っていうオニオンさんの理屈も、世間様から見ると大概おかしいんじゃないの?」


 うっかりスルーしそうだったわ。

 オニオンさん苦笑してら。


「お父ちゃん閣下が、娘に危ないことさせるなって目で見てくるんだよね。過保護とゆーか」

「ははあ。ユーラシアさんから見て、ルーネロッテ皇女はどうですか?」

「冒険者として? 結構やる子だよ。レベル一の時のステータスパラメーターで比べると、敏捷性と運以外はあたしより高い値だった」

「ユーラシアさん以上のステータスパラメーターって、かなりの逸材ではないですか。もったいないですね」

「本人のやる気もあるのにねえ」


 もっともルーネは帝国の皇女様だ。

 才能もやる気もあるからといって、魔物退治やらせる理由にはならんのだが。


「ユーラシアさんなら、主席執政官閣下を説得することもできるのでは?」

「できなくはないな。でも皇女だもん。冒険者活動に意味がないとゆーか。あたしも閣下の方針に逆らうつもりはないとゆーか」


 ルーネの立場は、リリーほど切羽詰まって冒険者やりたいというものじゃない。

 社交優先という閣下の方針もその通りだと思う。

 どうしてもルーネが冒険者やりたいと言うなら協力するのにやぶさかでないけど、社交界も面白いと思うよ。

 ルーネの世界は広がったばかりなのだ。


「軽い気持ちで冒険者というのも覚悟がないですしねえ」

「えっ? 軽い気持ちでいいと思うけど」

「ハハッ、ユーラシアさんのノリは軽いですねえ。ルーネロッテ皇女が冒険者に憧れてる理由というのは何なんです? 帝国の皇女が冒険者に憧れる経緯が理解できないのですけれども」


 リリーもだが、確かに皇女に生まれたのに冒険者ってのはなあ?

 あたしが皇女に生まれたら、冒険者なんかになろうと思ってなかったわ。


「『輝かしき勇者の冒険』って本があってさ。読んで魔物を倒すのに憧れたみたいだよ。帝国では『輝かしき勇者の冒険』に影響されてる人が結構いるんだよね」

「『輝かしき勇者の冒険』ですか。タイトルは聞くんですけど、ドーラでは手に入らないんですよ」

「ふーん?」


 帝国では結構なベストセラーみたいだけどな。

 エンタメ本を輸入して買うほどドーラは裕福じゃないからか。

 つまりドーラが金持ちになると、あの悪書が氾濫することになる?

 一大事だ。

 もっと安くて面白い本をたくさん出版せねば。


「で、今日はルーネのお友達の子爵令嬢に会わせてもらってたの」

「女子会ですか?」

「初めは女子会みたいな感じだったけど、その子連れてヴィクトリア第一皇女殿下やお父ちゃん閣下のとこ行ったんだ」

「ユーラシアさんが構いたくなる子ということですね?」

「うん。物語を書ける子なんだよね。ドーラで刷って帝国で発売するっていう流れを作れるかも。加えてレアめの固有能力持ち」

「ほう、固有能力は興味ありますね」


 眼鏡がキラっと光るオニオンさん。


「他人の持ちスキルがわかるってやつなんだ。オニオンさん知ってる?」

「『見者』ですかね。いや、スキルを識別する固有能力はもう一種あったはず……」


 へー、二種類あるらしい。

 マルーさんに聞いてこようかな。


「構い甲斐のある子なんだけどさ。基本内気なんで、偉い人に会わせたら気疲れしちゃったみたい」

「ハハッ、ユーラシアさんはパワーありますからねえ」

「あたしだって休養が必要だから魔境に来るんだよ。行ってくる!」

「あっ、ちょっとお待ちを!」


 ん? オニオンさんから呼び止められるのは珍しい気がするな?

 どーした?


「『アトラスの冒険者』の廃止が決まったじゃないですか」

「残念ではあるねえ。あたしの青春だったから涙ちょちょ切れるよ。あっ、新『アトラスの冒険者』用の転移の玉一〇セットがまずでき上ってきたんだ。パラキアスさんが欲しがったから、一セット渡した」

「ああ、パラキアスさんにはお仕事で必要かもしれませんね」


 にこやかに笑うオニオンさん。


「サクラさんの手元にはたくさんの余剰石板クエスト候補があるんです。ところが『アトラスの冒険者』廃止で全てがムダになってしまいますから」

「ひょっとして『地図の石板』を配りまくる?」

「というか、ユーラシアさんは一度行って有益な転送先だと思えば、ヴィルちゃんとのコンビネーション転移で飛べますでしょう?」


 あたしが訪れておくべき場所のクエストを回してくれるということか。

 『ガリア・セット』がいつ終わるかわからんから嬉しいな。

 さすがおっぱいさん。


「楽しみにしてるよ。行ってくる!」

「行ってくるぬ!」


 ユーラシア隊及びふよふよいい子出撃。

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