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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1659話:ビアンカちゃんは大物

 第一皇女ヴィクトリアさんの部屋を辞したあと、ビアンカちゃんがため息を吐いている。


「はひー、緊張しました」

「緊張なんかすることないって。ヴィクトリアさんは話の分かる人だぞ」

「ビアンカ様、深呼吸すると落ち着くと思いますよ」

「そうします」


 ヒッヒッフーってのは深呼吸なのかな?

 ビアンカちゃんは確かに可愛い子だ。

 でもジャンルを細分すると、『あどけない』とか『可憐』じゃなくて『珍妙』がピッタリな感じがする。


「ビアンカちゃんはポンコツ臭がするけど、ルーネがフォローすれば大丈夫だろ」

「そ、そういうのは心の中だけで思うだけにしていただけると」

「あっ、声に出ちゃってた?」

「出ちゃってたぬ!」


 アハハと笑いながら近衛兵詰め所まで来たら、新聞記者トリオがいるやん。

 記事ネタ探しかな?

 仕事熱心だなあ。


「こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「「「ユーラシアさん!」」」

「声が揃ってて気持ちがいいね。今日はどうしたの?」

「何かネタがあれば取材させていただこうかと……そちらの御令嬢はどなたです?」

「ドレッセル家のビアンカちゃんだよ。未来の大作家先生」

「は、恥ずかしいです。やめてください!」


 やめろと言われてやめると思われるのは心外だな。

 ビアンカちゃんデビューはしてるらしいけど、新聞記者は知らなかったみたい。

 あんまり目立つタイプの子ではないからか。


「皇宮の中からいらっしゃるのは珍しいですね」

「ヴィクトリアさんとこにいたんだ」

「新聞記事にできそうなことですか?」

「地味なんだけど、記事にして欲しいな」


 とゆーか新聞も協力してくれないと状況が改善しないわ。


「ちょっとずつでも本を出していかないと、何かを読む習慣を持つ人口が増えないじゃん?」

「本当ですねえ」

「新聞も売れるようにならないんですよ」

「ドーラの方が安く製本できるからさ。向こうで作って帝都で一括で購入して売るっていうプロジェクト始動しようよって話を、今ヴィクトリアさんとしてきたとこ」

「面白いですね」

「第一弾がビアンカ大先生の恋愛小説になりそう」


 記者トリオの視線を一身に受け赤くなるビアンカちゃん。

 ルーネ、しっかりサポートしてやってね。


「記者さん達がいるなら施政館行こうか」

「「「「「えっ?」」」」」

「アデラちゃんが広報担当になるじゃん? 記者さん達を紹介しときたいんだよね。お父ちゃん閣下もルーネとルーネの友達に会いたいだろうし。あたしはお昼御飯をごちそーになりたい」


 ビアンカちゃんがポカンとしてるけど、反対意見はないようだ。

 せっかく施政館行くんだから、内部がどんなところとか取材のつもりでいればいいんじゃないの?


「ヴィル、お父ちゃん閣下と連絡取ってくれる?」

「わかったぬ!」


 掻き消えるヴィル。


「ルーネ、ビアンカちゃんと友達になったこと、閣下に知らせてる?」

「まだです」

「ちょうどいいわ。紹介するのにいい機会だったな」


 ビアンカちゃん、アワアワしなくても大丈夫だぞ?

 お父ちゃん閣下はなかなか悪いやつだけど、ルーネの友達に意地悪して娘に嫌われようとするほど愚かじゃないから。

 赤プレートに反応がある。


『御主人、ドミティウスだぬ!』

『ユーラシア君だな?』

「そうそう、美しい美少女のあたし。ルーネのお友達を紹介してもらったんだ。その子連れて施政館行っていい?」

『何? どこの誰だ?』

「ドレッセル子爵家のビアンカちゃん」

『令嬢だったか。ぜひ会ってみたい』


 男の子かと疑ってたのか。

 お父ちゃんったらもー、思ったより面白いんだから。


「あと新聞記者さん達がいる。アデラちゃんに紹介しときたいんだ。アデラちゃん時間取れるかな?」

『問題ないよ。アデラを呼び、昼食を用意させよう』

「ありがとう! すぐそっち行くね。ヴィル、ビーコン置いてくれる?」

『わかったぬ!』


 新しい転移の玉を起動する。


「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 飛びついてきたヴィルとルーネをぎゅっとする。

 乗り遅れたビアンカちゃんがオロオロしてるやんけ。

 仲間に入れてやろうぎゅー。


「そちらが?」

「ビアンカ様です。先日ウルピウス叔父様に御紹介いただきまして、それ以来仲良くさせていただいているのです」

「よ、よろしくお願いいたします。ドミティウス様」


 何でこんなとこ来ちゃったんだろという、途方に暮れた顔をするビアンカちゃん。

 一方でお父ちゃん閣下の表情は和らいでる。

 ルーネが主席執政官かつ第二皇子の娘だからといって、取り入ろうとするタイプの子じゃないことはわかったようだ。


「いい子だよ」

「いい子だぬよ?」

「うん。今後も娘をよろしくね」

「はひ」


 ハハッ、ビアンカちゃんは癒し系。

 あ、アデラちゃん来た。


「失礼します」

「アデラちゃん。新聞記者さん達連れてきたから、政府が正確な内容の記事載せたい時なんかにはすぐ連絡つくように打合せしといてよ。ドーラでやってることなんだけど、毎日の紙面に固定欄作ってもらってネタを小出しにしてもいいよ」

「ありがとうございます。ではそちらで」


 うんうん、話し合ってください。

 情報を発信する政府も紙面が埋まる新聞も嬉しいだろ。


「ビアンカ嬢はお疲れのようだが?」

「あっ、さっきまでヴィクトリアさんのところにいたんだ。ビアンカちゃんお話書く人だからさ。ヴィクトリアさんと協力して出版できないかと思って」

「ほう? 興味あるな。どんな話を書くんだい?」


 ……あれっ?

 ひょっとして正直に恋愛小説って言うとまずい?

 ルーネに悪影響を与えるとかでビアンカちゃんとの付き合いを禁止されちゃうパターン?

 地味にあたしピーンチ!


「……エンタメ系の読み物だよ。軽く読める本があんまりないってことをヴィクトリアさんが言っててさ。常々あたしも思ってたことだから協力したいの。たまたまビアンカちゃんという才能を発見したからね」

「期待の新星だね」


 ふう、リカバリー成功。

 しかしビアンカちゃんが一杯一杯だというのは閣下の言う通りなのだ。

 あんまり疲れさせては可哀そうだな。これくらいで勘弁してやるか。

 閣下と視線が合う。

 うむ、閣下も同じこと考えてたみたい。


「すぐに昼食を用意させる。リラックスして食べていってね」

「閣下にここまで気を使わせるビアンカちゃんは大物だなあ」

「大物だぬ!」

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