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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1516話:コージモ外務大臣を連れて施政館へ

「ヴィルちゃんのお帽子可愛いですね」

「可愛いぬよ?」


 コージモ外務大臣とルーネを連れて施政館へ行く途中だ。

 ヴィルはいつものようにあたしが肩車している。

 悪魔を連れてても何にも言われないのはいいことだ。

 ヴィルも喜んで肩車されてるから、道行く人達から悪意を浴びてるわけでもなさそう。


「夏用の帽子作ってもらったんだ」


 細い藁製のハンチング帽だ。

 帽子に犬耳くっつけてくるとは思わなかった。

 セレシアさんまさかのセンス。

 似合ってるけど。


 コージモさんが言う。


「メルエルは悪魔にそう忌避感がないのですかな?」

「帝都には悪魔が出歩いてはいけませんという法律がないみたいだよ?」

「そんな法律は我がガリアにもありませんが」

「言われなきゃ悪魔だってわかんないだろうし。ヴィルはレベル九九なんだ。もし何の予備知識もなくヴィルが悪魔だって見破れる人がいるとしても、レベル九九の子にいちゃもんつけてくるほど無分別じゃないと思う」


 ガリアの首都ヴァロマの議会政堂の門兵も、さほど悪魔を気にしてないみたいだったけどな?

 ヴィルを直に見たからかもしれんけど。

 聖火教徒や天崇教徒みたいに悪魔を目の敵にする人はいるだろう。

 しかし少なくとも聖火教徒はヴィルに対して優しい。

 天崇教徒はどうだろう?

 悪魔に対する反応は知っておきたいな。


「とにかくあたしはヴィルのおかげでいろんなとこ行けるし、助かってるんだ」

「わっちも御主人といられて嬉しいんだぬ!」

「そーかそーか。いい子だね」

「いろんなところ、ですか」


 地図指差してここ行ってくれで用を足せちゃうのだ。

 メッチャすごい。


「コージモさんも外務大臣として、いろんなとこ行くんでしょ?」

「メルエルは三度目ですな。皇宮は初めてでしたが」

「サラセニアってどんな国なの?」

「サラセニアですか」

「正直アンヘルモーセンがサラセニアに絡む理由がわかんない。コージモさんが知ってることあったら教えて欲しいの」


 サラセニアのバックにガリアがいることなんかわかってるだろうにな? 

 細い目をさらに細めるコージモさん。


「サラセニアがガリアから独立した国というのは御存じですかな? 特に首都ウトゥリクは、古いガリア様式が美しい町並みですぞ」

「観光資源にもなるな。今の大公様は親ガリアなんだよね?」

「もちろんです。しかし大公家一族もどうやら一枚岩ではないようで」

「あ、世継ぎ争いがあるんだ?」

「いえ、現在の大公ボニファツィオ二世殿下はまだお若いですし、嫡子もおりますので、後継で揉めるようなことは」

「なるほど。大公様の敬称は陛下じゃなくて殿下なんだ。覚えとこ」


 笑い。

 しかし大公家内部にも派閥があるのか。

 おまけにコージモさんは、大公家内部の事情がアンヘルモーセンに付け入る隙を与えていると見ているらしい。

 厄介だな。

 とにかく施政館にとうちゃーく。


「美少女精霊使いユーラシアが、ガリアのコージモ外務大臣とルーネロッテ皇女殿下を連れてやってまいりましたよ」

「はい、伺っております。こちらへどうぞ」


 中へ案内される。

 あれ、いつもの執政官室じゃないな。

 広い応接間のようだ。

 コージモさんを迎えるためかな?


「こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「遠いところをようこそ、コージモ殿、ユーラシア君。こちらへ」


 帝国側は人が多いな?

 おそらくは大臣級だろう。

 クンツ大将やアデラちゃんもいる。

 コージモさん文官一人も連れてこなかったから、軽い話になるかと思ってたんだけど。


 お父ちゃん閣下が言う。


「ユーラシア君、ざっと説明してくれ」

「あたしが? わかった」


 コージモさんも頷く。

 あたしは両国の事情をわかってて、しかも忖度なしに話せるからってことだな?

 事情に詳しくない大臣達に噛み砕いて教えてやれか。

 了解。


「テテュス内海をめぐる情勢だよ。アンヘルモーセンがのさばってきてます。帝国はタルガ植民地を、ガリアはサラセニアを確保しなければなりません。アンヘルモーセンがデカい面してるのも癪ですが、帝国やガリアがアンヘルモーセンと組むのも、その他の国にとって脅威でーす」

「我が帝国がアンヘルモーセンと同盟するのはそんなにダメかの? タルガの維持には有効だと思うが」


 クンツじーさんがイシュトバーンさんに似た目でぬけぬけと言う。

 あんたはわかってるだろ。

 えっちなやつめ。


「タルガを持たせるだけのためならもちろん有効です。ただし、アンヘルモーセンが帝国に期待するのは軍事力です。帝国の軍艦の威を借りてブイブイ言わせたい。しかし、だからと言ってタルガからの輸出が増えるわけじゃありません。何故ならアンヘルモーセンが必要とする物資の量が増えるわけじゃないから。つまり輸出先がアンヘルモーセンしかない状態で彼の国と同盟を組むのは、軍事費におゼゼを突っ込まなきゃいけない分だけ損になりまーす」


 ざわざわ。

 意味が浸透したところでもう一押し。


「そんなところにムダ金を使うくらいなら、ドーラからものを買ってください。お客様のニーズに合わせたユニークな商品を取り揃えておりまーす」


 笑い。

 クンツじーさんがさらに問うてくる。

 今度は真面目だね?


「ガリアがアンヘルモーセンと手を結ぶ可能性は?」

「ピエルマルコ王は、友好国サラセニアに介入しようとするアンヘルモーセンを明確に敵と見做しています。帝国がアンヘルモーセン以上に嫌われることがない限り、そのような事態は起こり得ません」


 これは断言できる。

 ガリアの王様は帝国の力を借りてアンヘルモーセンを排除したいのだ。

 でなきゃコージモさんをすぐに送り込んでくるはずがない。

 ドミティウス閣下が宣言する。


「テテュス内海において、カル帝国はガリアと全面的に協力する方針とする」

「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」

「コージモ殿。タルガとサラセニアの直接貿易を早急に開始する、という理解でよろしいかな?」

「はい」

「ロホス商業大臣、イマヌエル農業大臣は、貿易の概要についてコージモ殿と協議せよ。クンツ軍務大臣は、タルガ防備の必要性についてガリアの理解を得てくれ。ニコラウス外務大臣、アーダルベルト国土大臣、アデラ植民地大臣は執政官室へ。他の者は職務に戻れ」

「「「「「「「「御意!」」」」」」」」


 あたしとルーネも執政官室ね。

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