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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1457話:自由開拓民集落クルクルでイベント

「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 飛びついてきたヴィルをぎゅっとしてやる。

 塔の村から一旦帰宅してうちの子達と合流。

 レイカパーティーとともに、寂れた自由開拓民集落クルクルにやって来た。

 が?


「ここがクルクルか。小さな集落だな」

「うん。でも前来た時より、柵がしっかりしてる」


 効果の高い新型魔物除けが働いているのかな?

 集落にやる気を感じる。

 あれ、うちの子達もキョロキョロしてるな?

 この前クルクルに連れてきたのはヴィルだけだったか。


「ところで村長さん家どこかな? お土産渡したい」

「こっちだ」


 この村出身ハオランの案内で村長宅へ。

 といっても小さな小屋ばかりだが。


「この建物は比較的大きいな。これが村長宅? 倉庫っぽいけど」

「村の倉庫も兼ねてる」

「便利だね」


 何かを兼ねてってのは、管理が合理的になることが多い気がする。

 美少女精霊使いと最強冒険者パーティーのリーダーを兼ねてる、あたしが言うのだから間違いない。

 ただ一人に権力が集中するのはなー。

 村長が私腹を肥やしやすいっていうデメリットもありそうって、フラグじゃないよ?


「こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「ユーラシア達ではないか」

「先輩? あっ、ハオランも!」


 村長さん家に『西域の王』バルバロスさんと後輩冒険者のボニーがいた。

 他にも村の顔役らしき人三人がいる。

 何やらイベントの気配がするじゃないか。

 いいところに来たな。


 バルバロスさんが説明してくれる。


「村長、ドーラ一の冒険者精霊使いユーラシアのパーティーと、塔の村で活躍する上級冒険者レイカのパーティーだ」

「ハオランも上級冒険者って聞いたよ。頑張っているんだね」

「ああ」

「返事そんだけかい」


 ボニーが嬉しそうなのに、まったくハオランはぶっきらぼうなんだから。


「ガハハ。ユーラシアはクルクルに何の用だ?」

「例のよく効く魔物除けの札あるじゃん? 成果はどんなもんか確認しに来たんだ」

「先輩、あの札は素晴らしいんだ!」


 ボニー御機嫌じゃねーか。

 バルバロスさんが言う。


「しっかりした柵との併用で、おそらく最も問題の大きい収穫期以降の大型の草食魔獣の侵入はゼロにできるぞ」

「やっぱ柵は必要かー。むーん?」

「先輩愛してるっ!」

「おお、ぶっ込んで来るなあ。最近男女拘らずモテてモテてしょうがないよ」

「ユーラシアはどうしたのだ? 微妙な表情ではないか」


 それがな?


「あたしのやろうとしてることには、ちょっと札の効果が足りないっぽいの」

「やろうとしていることとは?」

「南部からクルクルまで道を通したいんだよね」

「「「「「「「「道を通す?」」」」」」」」

「交易を活発化するには必要だな。南部から西域街道まで最短距離で道を通すとすると、自然とクルクルが分岐点になるじゃん?」

「南部か」


 バルバロスさんが難しい顔をしとるわ。


「バルバロスさんの自主自立の考え方からすると、立派に自立してる南部は触んなくてもいいと思うんだろうけどさ。南部は面白い産物が多いんだよ。遊んでる土地も広い。交流が最低限っていう状態は実に面白くない。ドーラの発展っていう立場から言うと、南部の協力が不可欠だなと思ってるんだ」

「いや、己もわかる。南部街道を実現できるなら、南部にもクルクルにも大きな恩恵がある。ひいてはドーラ全体のためになる」


 バルバロスさんも交流のメリットを考えるようになってきたか。


「しかし……」

「うん、魔物が強いんだよね。魔物除けの札の効果が十分ならばイケるかなと思ったけど、話聞く限りではムリだな」

「両脇に丈夫な柵を備えた街道にすればいいんだろう?」

「そんなんどんだけおゼゼがかかるかわからんもん」


 西域街道は帝国の資金があったから可能だったんじゃないかな。

 その西域街道でも柵なんかありゃしないぞ。

 現在のドーラにはお金がない。

 最初は立派な道じゃなくてもいいから、まずはコショウ商人が安全に通れるよう、せめて西域街道並みに魔物の出現を抑制したいのだ。

 交通量が大きくなった時、整備と拡張を考えればいいわ。


 レイカが感心する。


「相変わらずユーラシアの構想は偉大だな」

「偉大なんだよ。でもドーラの発展にはどーしても魔物がネックになるな」

「先輩以前、さらに強力な魔除けに心当たりあるって言ってたじゃないか」


 以前チラッと話しただけなのに、ボニーよく覚えてたな。


「うーん、術式はわかってる。材料さえあれば投入できるんだけど」

「足りない材料とは何なのだ?」

「碧長石っていう石なんだ。聞いたことない?」


 バルバロスさんボニーレイカパーティー顔役の皆さんの全員が首を振る。

 だろうね。

 どうやら碧長石は、他の何かに使える素材ってわけじゃないようだし。


「碧長石とは珍しい石なのかい?」

「多分。あたしはどこかで使われてる碧長石しか見たことないんだ」


 アトムもまとまって取れるところ知らないし、珍しいんだろうな。

 仮に三〇ヒロに一つ、ある程度の大きさの魔除け碧長石を置くとする。

 強歩一日の道に一〇〇〇個以上の碧長石が必要だ。

 マウさんの『奇妙なクエスト』の転送先にあった碧長石の碑三基は大きかったけど、あれ全部使ったとしても数十個が限度なんじゃないかな。

 貴重な異世界文明のブツだから、資料として取っておきたいしな?


「ま、あたしはドリーマーじゃないのだ。実現に至る道筋が見えてないことを語っててもしょうがないな。ところでバルバロスさんや村長さん達は何の相談だったの?」


 エンタメの予感がプンプンするわ。

 今日は用がないから参加させろ。


「村域を広げようという相談だったのですぞ」

「ガハハ。ユーラシアの求める性能には足らんかもしれんが、村の防衛に必要な要件は満たしておるのだ」


 クルクルは街道に沿ったほぼ真四角の集落だ。

 縦横を倍に広げ、村域面積を四倍にする計画らしい。


「今日は己の監視の下、まず西へ広げる予定だったのだ」

「先輩、ハオラン、手伝ってくれないか? もう柵は完成している。人手があれば、今日だけで一気に拡張できるんだ! お礼は……できないけど」

「あたしは構わないぞ?」


 レイカパーティーにも異存はないらしい。

 人助けだしな。

 心なしかハオランが嬉しそうで、それを隠そうとしている。

 レア表情だな。

 いいもの見たニヤニヤ。

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