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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1428話:公認聖女と名乗れる

「サイナスさん、こんばんはー」

『ああ、こんばんは』


 夕食後に毎晩恒例のヴィル通信だ。


「セレシアさんの服の追加デザインは帝都に届けてきたよ」

『帝都で流行っているのかい?』

「販売は好調と聞いた。でも流行っているとまでは言えないかな」


 たまにあれセレシアファッションだなって人は見る。

 けど、多いってわけじゃない。

 まだ発売したばかりだし、帝都は人口多いからな。

 売れてるは売れてるようだから、今後に期待だわ。


『今月の移民はいつ来るか聞いてないかい?』

「あ、もうそんな時期か。聞いてないや」

『まあ輸送隊が帰ってくれば情報も入るだろうけどな』

「輸送隊は情報の面でも働いてくれるなあ」


 アドルフが新聞記者ズに伝えてるだろうからな。

 ……以前パラキアスさんが、ケイオスワードを理解して生産したスクロールをチェックできる人材に心当たりがあると言っていた。

 帝国人で移民として来るかもしれないな。

 パラキアスさんに確認しとかなきゃいけない。


「今日もガリア行ってきたんだ」

『昨日の続きだな?』

「うん。でもちょっとおかしなことになって」

『君の経験することでおかしくないことなんかないじゃないか』

「身も蓋もない言い方だなあ」


 スパッと切り捨てられると話しづらいじゃないか。

 サイナスさんはもっと溜めと余韻を理解した方がいいと思うの。


「昨日は魔物の対策会議してた、議会政堂っていう政治の場が魔法陣の転送先だったんだ」

『陛下やら閣下やらがわんさかいるところに美少女精霊使い登場ってわけかい?』

「そうそう、ビックリした」

『昨日話さなかったじゃないか』

「本筋じゃないし、大したことじゃなかったから」

『大したことじゃないの閾値がえぐい』


 サイナスさんのエンターテインメント判定だって最近えぐいぞ?

 いや昨日はラグランド交渉の話もあったから、盛りだくさんだったでしょーが。


「今日は転送先が王宮に変わってたの」

『転送先が変わるというのはよくあることなのかい?』

「時々あるんだよ。でも転送先が変わるのって、例外なく変わった方が便利なケースなんだよね」

『議会政堂は政治の場か。では転送先が王宮に変わったということは、ガリア王国よりも、王本人や王族と関わるようになる?』

「多分」


 あたしとしてはガリアという国に関われた方が、ドーラの発展にも寄与できそうだという思いはある。

 でも王様は個性の強い人だ。

 王様個人の関係のクエストの方がずっと面白いだろうなあ、って確かな予感がある。

 といっても都合よくクエストが発生するわけじゃないし、どうなんだろうな?


「ガリアは遠いから、国がどうこうより王様と仲良くしとけってことなのかも」

『巨人を倒して終わりじゃなくて、これからも付き合いが続くのかい?』

「クエスト名が『ガリア・セット』に変わったんだよね。これいくつかまとめてクエストが発生するってことなんだ」

『王宮でか? あんまり力技で解決できそうなクエストじゃないんじゃないか?』

「あれ? サイナスさんの言う通りだな。あたしの魅力で解決することになるのかなあ?」

『ツッコまないからな?』


 どっちへ転がるか、方向の見えないクエストではある。

 楽しみが残っているとも言う。


「まあ転送先どうこうなんてことはともかく、霜の巨人討伐の褒美としてピュアセイント勲章ってのもらったんだ」

『聖人? 聖女? そんな勲章がガリアにはあるのか?』

「なかったけど、新設してくれるって」

『ええ? また強引なことしたのか?』

「してないとゆーのに。最初武勲におけるガリア最高の勲章、ブレイブハート勲章ってのくれようとしたんだけど、あたしがあんまり喜ばなかったら変えてくれたの。ガリアの王様は人心の機微に敏感だね」

『ガリア公認の聖女ということかい?』

「ついに聖女だよ! 出世したわ!」

『おかしなところに拘るなあ』


 聖女だぞ?

 イメージがいいじゃん。

 今後どこへ行ってもガリア公認の聖女だって名乗れるわ。


「帝都のうっかり公爵邸へも行ったんだ」

『ラグランドの王女の様子を見にか?』

「それもある。すげえ可愛がられてて嬉しそうだからよかったよ。でもラグランドからついて来てたオードリーの侍従の人が、ぎっくり腰やっちゃて寝込んでるって」

『ハハッ、楽しさが伝わるよ』


 ぎっくり腰とゆーのが実にユーモラスでいい味出してる。


『公爵邸へは他にも用があったのかい?』

「ドーラの杖職人がうっかり公爵に杖を献上したいってことでさ。その杖職人は帝国出身で、この前タムポートでうっかり公爵とは会ってるの」

『ほう? しかし面白ポイントがわからない』

「がっついてくるなあ。杖職人もうっかり公爵のことが気に入ったみたいでさ。帝国紳士向けに売りだしたい、盾の魔法を発動できるステッキタイプの杖第一号を、ぜひ公爵に使ってもらいたかったみたい」

『商売も絡んでるのか。今までのユーラシアの話からすると、うっかり公爵は敬遠したい人のように思えるんだが?』

「要するに高い身分なのに面倒起こすから、影響が大きいし迷惑ってだけだよ。基本的にいい人。いや、いい人ではないか。憎めない人ってのが近いかな。周りの不幸を一人で背負ってくれてると思えば、あんまり腹も立たないとゆーか」

『見切ってる感が残酷でひどい』


 嫌な人ではないのだ。

 皇帝陛下と親しいというのもわかる。

 だから使用人もできる人が集まるんじゃないかな。


『明日アレク達は冒険者活動に出ないで、カラーズにいるようだぞ。盾の魔法のスキルスクロール納品について、君に相談したいみたいだ』

「スクロールの納品は行政府になるしな?」


 あたしも赤眼族の碧長石の魔物除けについて、アレクの知恵を借りたい。

 カラーズには行きたいが……。


「うーん、明日の午前中の用事が何時に終わるかわかんないんだよね。

『天才剣士と会うんだったか?』

「会う。これもちょっと正体のわからない、女性絡みのイベント」

『女性絡みと決めつけてるし』

「答え合わせは明日ね。なるべく午後にカラーズ行くよう努力する」

『わかった』


 以上かな。


「サイナスさん、おやすみなさい」

『ああ、御苦労だったね。おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『了解だぬ!』


 明日はライナー君の忍ぶ恋イベント、だったらいいな。

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