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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1399話:世界交易を自由化するためには

『御主人! プリンスだぬ! 代わるぬ!』

『やあ、ユーラシアかい?』

「そうそう、賢く気さくな麗しのあたしだよ」


 ラグランドから帰宅後、ヴィルでプリンスルキウスと連絡を取る。


「使者のリキニウスちゃんとルーネが、明日ラグランドに到着予定なんだ。プリンスの出番は明後日になりそう。迎えに行くから準備しといてね」

『了解だ。ラグランド人側の主だった指導者はどんな人がいる?』

「名目上のトップが、古きラグランド王家の正統な血を引く唯一の王女オードリー。七、八歳くらいの元気で可愛い子だよ。オードリーの侍従のセグさんって人がいて、年齢的にまとめ役になってる。実戦部隊に衛士長ジャブラニと魔法連の頭ヒャクダラ。この二人が中心となって蜂起を抑えているよ。最後に内政担当のリリウオ。彼がプリンスの直接の交渉相手になるかな」

『そのリリウオとラグランド総督ホルガー殿の間で、かなり話は進んでいるのかい?』

「進んではいるようだったけど、決まってないところも多いって。さっきラグランド人の首脳達と会ってきたんだ。講和金払ってくれると嬉しいけど、ホルガーさんが折れないみたいなこと言ってた」

『帝国政府のメンツを立ててくれれば少々は払ってやってもいいが、代わりに物品ではダメなのかい?』

「あたしもおゼゼ払うと帝国が譲った感じになっちゃうから、難しいかもな。代わりに何かものちょうだいにしろとは言った。実際交渉の席でその手の話は出ると思うよ」

『わかった。あと出る要求としては何だろう? 独立と税率引き下げがないとするならば、自治権の拡大、帝国人ラグランド人の法的平等化、貿易不均衡の是正、各種技術供与くらいかな?』

「あたし基本的に部外者だから、詳しい内容までは聞けないんだよね。現地でホルガーさんに聞いてよ」

『ああ、そうだったね。ユーラシア君と喋っていると、当事者だと錯覚してしまう』


 あたしが当事者で好きに話をまとめていいんなら、もっと簡単なんだけどなあ。

 帝国のメンツとか次期皇帝争いとか、あるいはラグランドの反帝国感情とか。

 みみっちい不純物が混ざるからやりにくくなる。

 面倒くさくなるほどあたしにしわ寄せが来そうなのが、ひっじょーにいただけない。

 あたしにボーナスを出せ。


「貿易の話が出るなら、ラグランドは他国とも貿易していいって話にしてよ。具体的には、ドーラもカカオを輸入してちょこれえとを作りたい。あんな美味いものを帝国で独占しているのは、まことにけしからん」

『アハハ、わかっているよ』


 よし、これでまず間違いなくドーラ~ラグランド貿易は解禁される。

 今年はムリでも、来年以降大量に農産物を輸出してくれるぞ。

 ラグランドも帝国以外から食物を輸入できるなら、飢えることもあるまい。

 ウィンウィンだ!


「あとやっぱ蜂起側にも急進派? 過激派? みたいなのがいるんだって。一〇人は越えないみたいだけど。その中にレベル三〇弱の風魔法使いが二人いるみたい」

『注意しろってことだね?』

「まあ一応」


 レベル三〇弱でプリンスをどうにかできると思えん。

 でも『ダンシングウインド』を連発で食らうと結構痛いしな。


「現地は一見のんびりしてるよ。ただ紛争中の地だってことは忘れないでね。パワーカードはいつでも起動できるようにしといて」

『了解だ』

「以上でーす。緊急で知らせなきゃいけないことがなければ、明後日迎えに行くからね」

『ああ。待ってるよ』

「ヴィル、ありがとう。こっち戻ってきてね」

『はいだぬ!』


 連絡終わり、と。


「ヴィルが帰ってきたら肉狩りだぞー!」

「「「了解!」」」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「颯爽とあたし登場! アリスこんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「あら、いらっしゃい」


 本の世界にやって来た。

 マスターである金髪人形アリスが話しかけてくる。


「今日もお肉なの?」

「そうそう。お肉は人の心を穏やかにする魔法の食材だからね」


 あれ、うちの子達が魔法? って顔してるな。

 ハッピー食材くらいの方が良かったか。

 この味魔法でもかかってんじゃないかってくらい、うまーいお肉を食べてみたいな。


「今、ラグランドのクエストにかかってるんだ」

「あなたも世界各地で活躍する戦士なのね」

「世界各地で活躍する美少女ビジネス戦士なんだよ。まったく『アトラスの冒険者』は面白いことに関わらせてくれるもんだ」


 アハハと笑い合う。

 表情は動かないアリスでも、笑っていることはわかるのだ。

 ついでだから聞いとこ。


「カル帝国の海外植民地統治の基本は軍事なの?」

「背景に軍事力があるのはもちろんよ。でも豊かなのは通貨政策のおかげだわ」

「通貨?」

「植民地側に通貨発行を禁じておいて自分達が自由に通貨を作れるなら、相手のものをタダで手に入れられることになるでしょう?」

「そんな気がしてたんだよなー。でもバランス難しいよね?」


 以前チラッと考えたことではある。

 でも流通するおゼゼに対して物品が少なければ、おゼゼの価値が下がっちゃう。

 価値が下がるおゼゼなんて、皆が使わなくなっちゃうから意味がない。


 通貨に貴金属を使ってるから最悪の事態は起こりにくいだろうが、帝国だけが通貨を作る権利があるってのはどうなんだ?

 ドーラも帝国ゴールドに頼っていないで独自通貨にすればいい?

 通貨発行機関を作る余裕もなければ政府の信用も薄い。

 混乱する以外の未来が見えない。

 大体帝国との貿易が面倒になっちゃう。


「難しいな。どうせなら世界各国で統一通貨単位を取り決めて、自由に交易できるのがあたし好みだ」

「世界交易の自由化が望みなの? なら度量衡も統一しないと」

「どりょうこう?」


 量とか重さとかの単位のことだそーな。

 そーいや以前、魚人のバークーンとかいう距離の単位がわかんないことがあったわ。

 ドーラは移民で成り立ってた国だから帝国と同じだけど、世界を見渡すと単位は結構バラバラなんだって。


「もっと難しくなった。頭がぷしゅーってしちゃう」

「あんまり難しいことを考えていると、お肉を消化しなくなるわよ?」

「一大事だ! つまんないこと考えてる場合じゃなかった!」


 つまんないことではなかったか。

 しかし現状どないもならん。


「コブタマン狩ってくる!」

「狩ってくるぬ!」

「行ってらっしゃい」

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