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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1376話:本日の予定は

 ――――――――――二二六日目。


「さー今日はどうしようかな」


 今日は凄草株分けの日。

 畑番の精霊カカシと大悪魔バアルを相手にお喋りしながらの作業だ。


「リリー皇女を連れて、辺境侯爵のところへ遊びに行くのであろう?」

「リリーは昼頃にならないとコンタクト取れないんだよ。今日じゃなくてもいいし」

「とりあえず午前中何をするかってことかい? 魔境でいいじゃねえか」

「有力な選択肢だね」


 ガータンへ行って、取れた黒妖石の確認。

 盾の魔法スクロール化の進捗を行政府に報告。

 自由開拓民集落クルクルで魔物除けの札の効果を聞く。

 あるいは魔王島でキメラ狩りなんてのも有力だが?


「……普通に肉狩りかな」

「どうしてそういう結論になったんだい?」

「魔境は昨日もちょっと行ったってこともあるけど、お肉持って赤眼族とエルフの様子も見ておきたいかなと思って」

「ドワーフの様子は見なくていいであるか?」

「あ、その手もあるな。でもドワーフのとこ行くなら聖火教の集落が先だわ」


 いや、食の逼迫度から言うと、聖火教の集落はエルフんとこより優先だな。

 じゃあ聖火教の本部礼拝堂へ行くべきか。


「よし、午前中は肉狩り。お肉を持って赤眼族と聖火教の集落に決定。あんた達と喋ってると考えが整理されるよ。感謝してるぞ」

「照れるぜ」

「照れるである」

「何言ってるんだ。この頼りになるやつらめ」


 アハハと笑い合う。

 クララと二人で住み始めたこの家も、アトムとダンテが仲間になって戦闘メンバーが定まって。

 カカシとヴィルが加わって、生活が楽になり行動範囲も広がった。

 バアルもいずれ籠から出してやりたいけどなあ。

 バアルはうちにいてもあんまりメリットなさそうだから、自由にしてやるとどこか行っちゃうだろうな。 


「さて、作業終わり! 朝御飯食べてこよ」


          ◇


「あたしはアトムとアルアさんとこ行ってくる。素材換金してくるだけだからすぐ帰るよ。クララはうちでストックする分だけ解体しといてよ。ダンテはそのサポートね」

「どうせボスはトラブルに巻き込まれて、早くバックできないね」

「おいこらダンテ、変なフラグ立てるな」


 本の世界で大量にコブタマンを狩ってきたのだ。

 クララの仕事が終わったら、赤眼族と聖火教の集落へ行く予定。


「ユー様、よかったんですか?」

「何が?」

「アリスでやすぜ。帝国とラグランドについて、知っておくべきことがあったかもしれやせん」


 本の世界のマスターであるアリスに、意見を聞いとくべきじゃなかったかということか。

 アリスは既定の事柄ならばほぼ何でも知っている、が?


「あんた達の言うことは正しいけど、ラグランドで何かあるとすると誰かの思惑に絡むことか偶発的なアクシデントなんだよね。そーゆーのまでアリスを当てにできないから」

「ビコーズ、エンターテインメントにハプニングは必要だからね?」

「そうそう、エンターテインメントにハプニングはニードだからだよ」


 インチキ横文字トーカーより横文字トークっぽかった。

 でもラグランドでハプニングあると困るなあ。

 交渉を仲介するあたしの手際が悪いみたいに見えちゃうじゃないか。 

 

「じゃ、頼むね。アトム行くよ」

「へい!」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「おー、大分草が生えてる!」


 お肉をお肉にする作業とパワーカード工房での素材交換の後、うちの子達とともに『焼け野原』の転送先にやって来た。

 まだ黒い焦げ跡を覆い隠すほどではないが、確実に時間が大地の傷を癒している。


「クララ、お願い」

「はい、フライ!」


 コブタマンの亡骸とともにびゅーんと赤眼族の集落へ。


「こんにちはー」

「おお、精霊使いの人! 肉だな?」

「まだお肉になってないお肉だよ。ここ置いとくね」

「おーい! 解体だ!」


 村人集まってきた。

 あ、村長とミサイルだ。


「こんにちはー」

「ありがとう。よく来てくれたね」

「よく来たな!」

「最近どう?」

「うむ、ダイコンもそうだが、早く育つ作物があるから秋までは飢えまい」

「まず安心だね」


 集落の皆の顔が明るい。

 秋まで飢えなきゃ穀物とイモの収穫があるから、冬越せるだろ。

 また火事みたいな突発事項がなければ、もう赤眼族の集落は大丈夫。


「先日もらったサツマイモだが、あれは言うほど増やせるものなのか? 蔓の伸びが悪い気がするんだが」

「サツマイモの蔓がぐーんと伸びるのは、暑くなり始めてからなんだ。二ヶ月後でも全然間に合うよ」

「そうだったのか」


 安心してください。

 生えてますよ。

 サツマイモは慣れると育てるの簡単だけどな。

 蔓切って増やす時にまた教えに来ないと。


「もうちょっと畑の面積があるといいけどねえ」

「難しい。今ある畑でも、隅々まで魔物除けが確実に効いているわけではないんだよ」

「そーなの?」


 ここで魔物見たことないよ?


「火事の前は割といたぞ」

「今でも夜は危険なんだ」

「魔物除けが門についてるじゃん。門の前は安全なんでしょ?」

「しかし正門前は広場として機能しているんだ。畑にするわけにいかない」

「確かにここが畑になると、お肉の解体もできなくなっちゃうしな?」


 つまり魔物除けの増量が必要。

 魔物除けの札でもいいが……。


「あの碧長石の魔除けはもう作れないんだ?」


 全然魔物を寄せないほど効果高いしな?

 謎を知りたい。

 同じものを安価に作れるなら赤眼族の安全は保障されるし、西域開発もグンと進む。

 そうでなくても魔物除けの札に応用できれば、より効果の高いものが作れるんじゃないか?


「我々は魔除けに関する知識は持ってないんだ。おそらく同じ石があって同じ文様を彫り込めば、同様の効果を発揮するのだろうが……」

「碧長石だと効果が高いってのは伝承されてるんだ?」

「ああ」


 碧長石じゃなくても効果を発揮するのかな?

 ん? クララ何?

 文様はケイオスワードに間違いないけど、装飾的でかなり複雑?

 クララが複雑って言うほどなら、アレクに見てもらった方がいいな。

 魔物除けだから、呪術師グロちゃんも連れてこよう。


「あたしのカンでは碧長石の入手がネックになるな。採掘できる場所知らない?」

「我々は知らないな」


 簡単に手に入るならとっくに試しているか。

 そもそも魔物がいるから、外に探索にも行けないだろうし。


「今日は帰るね」

「また来い!」


 転移の玉を起動し帰宅する。

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