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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1341話:ガルちゃんは食べる子

 施政館で食べ放題にチャレンジ。

 意外なことが判明しました。


「ガルちゃんは食べる子だったんだ?」

「ええ。実際にお食事できる機会はあまりないから嬉しいわ」


 まーわかる。

 閣下もガルちゃんの分の料理を用意させることはできなかったろうし。


「ん? 普通悪魔は食わんのか?」


 中将が不思議そうだ。

 中将はたくさん食べるなあ。

 デカい身体してるだけある。

 見かけ通りだわ。


「負力っていう人間の感情をエネルギーにしてるから、普通の悪魔は食べないんだよね」

「ほう? 味気ないではないか」

「私もそう思うのだけれど、ゲテモノ食い扱いされてしまうの」

「ちなみにガルちゃんが好きな食べ物って何?」 

「お肉よ」

「生肉と調理済みではどっち?」

「もちろん調理済みの方がいいわ」

「同志よ」


 何だ、ガルちゃんわかってる子じゃないか。

 お肉は正義だもんな。

 ぎゅっとしてやったら面食らっとるわ。


「今度おいしいお肉食べる時に招待してあげるよ」

「えっ? 本当に?」

「代わりにヴィルと仲良くしてくれる?」

「どうして?」

「ヴィルにあんたと連絡取ってもらうからだよ。仲悪かったら連絡どころじゃないだろーが」

「わ、わかったわ」


 確認するように首を縦に振るガルちゃん。


「ヴィル、ガルちゃんを連れてくることはできるの?」

「わっちは自分一人でしかワープできないぬが、ガルムとシンクロしてワープすることはできるはずぬよ? でもやったことはないぬ」

「シンクロか。ワープにも知らん技術があるんだなあ。ちょっとやってみ?」


 ヴィルとガルちゃんが同時に消えて、また現れた。

 うん、問題ないな。


「よーし、オーケー。閣下、ガルちゃんたまに借りるね」

「予は構わないけれど」

「私はドミティウスのものではないのですわ」

「すげえ悪女っぽいセリフだな」


 アハハと笑い合う。

 閣下が聞いてくる。


「ユーラシア君は、どの悪魔とも付き合えるのかい?」

「あたしも去年まではヴィルしか知らなかったんだ。今年に入って急にいろんな子と会えるようになってさ。今まで会った悪魔の中には、特に付き合いづらい子はいないな。まだわかんないことはあるけど」


 閣下の聞きたいことはこれだろう。


「悪魔同士の関係は大体マウントの取り合いだよ。だから悪魔は基本的にソロ活動なんだ」

「例外が他の高位魔族を力で従わせる魔王と、悪魔同士に連絡を取らせようとする吾が主なのである」

「だから一人悪魔がいると、普通は他の悪魔が寄ってこないの」

「そういうことなのか……」


 大きく頷く閣下。

 閣下の側に長年バアルしかいなかった理由。

 バアルが去ったあと、すぐ後釜にガルちゃんが入った理由だよ。

 中将が言う。


「悪魔に言うことを聞かせるのは簡単なのか?」

「言うことを聞かせるっていうか、一種の契約みたいなもんだねえ」

「契約?」

「うちのヴィルはいい子だし、バアルは誇りある大悪魔だからウソ吐かないよ? でも他の子はそうでもないから、何々してあげる代わりにどうこうしてねって風にするの。相手にもメリットになるように」

「さっきのおいしい肉食べる時に招待してあげるから、ヴィルと仲良くしてくれ、っていうような?」

「そうそう。もちろんガルちゃんにはおいしいお肉を食べることができるというメリットがある。一方で閣下の近くはガルちゃんのナワバリだからヴィルが近寄りにくいんだけど、仲良しならあたしは閣下にヴィルを送って自由に連絡を取ることができる」

「予に連絡することがあるということか?」

「うん。特にラグランドで蜂起があると、リアルタイムで連絡取りたくなるかもしれないじゃん? 何時頃だと迷惑じゃないかな?」

「午前中なら謁見がなければ一〇時から昼頃まで。午後三時以降は報告書が入るね。会議になることも多い」

「了解でーす。覚えとくね」


 これで施政館にもヴィルを送れる。

 あれ、中将懐疑的ですね?


「しかし、一方的に騙されることだってあるのではないか? ユーラシアは悪魔を信用するのか?」

「あたしをコケにしやがったら、ありとあらゆる手段を駆使して世界中に悪行を知らしめてやるわ。この悪魔は約束すら守れない、最低最悪のクズだぞーって」

「えっ? 怖い怖い怖い!」


 悪魔は面目を失うことをマジで嫌がるなあ。

 震えあがるガルちゃんにバアルが言う。


「ガルムに忠告しておくである。吾が主は悪魔以上に悪魔的なのである。恐ろしいであるぞ。しかし極めて公平であるゆえ、従っていればいい目を見られるである」

「よ、よく覚えておきますわ」


 恐々チラチラこっち見るけど、べつにあたしはガルちゃんを虐めるつもりはないんだぞ?

 あたしはわんちゃん好きだし、おいしいもの食べさせてやりたいと思うし。

 閣下が羨ましそうだ。


「バアルはユーラシア君と随分仲が良さそうだね?」

「主は吾とドミティウスの対ドーラ戦争を潰したである。最初は憎しみしかなかったであるが……」

「色々やらかしてくれたよねえ。三日で死ぬ呪いかけてきたり、いきなりブラックデモンズドラゴン召喚したり」

「全て退けられたである」

「ユーラシア君は敵のバアルでも許すのかい?」

「うん。バアルはなかなか面白い個性だし、役に立ってくれるし。あっ、宝物一杯貢いでもらったな」

「貢いだわけではないである! 凶悪な罠だったである!」


 罠ゆーけど、ボーナスイベントでしかなかったぞ?

 まー手ごわい敵ほど、仲間になった時は頼りになるってやつだよ。


「悪魔はどの子もそれなりにいいところがあるんだよね。なるべくいろんな子と知り合いになっておきたいんだ」

「ふむう?」


 中将は納得いかんかもしれないけど、人間も悪魔も一緒だよ。

 いいやつもいれば悪いやつもいる。

 むしろ悪魔は気高さというか生き方の矜持みたいなもんがあるから、あたしにはわかりやすいのだ。

 レベルの恩恵で悪魔側があたしに一目置いてくれるってこともあるけど。


「ごちそーさま、おいしかった!」

「これからどうするんだい?」

「『ケーニッヒバウム』行くんだ。帝都にはちょこれえとといううまーいスイーツがあるって聞いたから、食べてみたくて」

「チョコレートか。用意させておけばよかったな」

「ラグランドが無事落ち着いたら御褒美によろしく」


 アハハと笑い合う。


「じゃあまたねー」

「バイバイぬ!」


 施政館を後にする。

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