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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1282/2453

第1282話:白旗完成

「美少女精霊使いユーラシア参上!」

「ヴィル参上ぬ!」


 帰宅後、狩ってきたコブタマンをクララ達がビフォーアフターしている間に、JYパークの青の民のショップにやって来た。

 族長代理のディオ君が話しかけてくる。


「ユーラシアさん。お待ちしてましたよ」

「旗ができたって聞いたんだ。どんな感じに仕上がったかな?」

「はい、いかがでしょう?」


 帝国艦隊がソロモコにおいでなすった際、艦隊に使者として乗り込むために使う白旗だ。

 真っ白だと寂しいので、真ん中にフクロウの顔を描いてもらうことにした。

 アハハ、図らずもフクちゃんにそっくりだ。

 今回の旗にピッタリ。

 

「うん、バッチリだ。ありがとう!」

「よかったです」


 ディオ君もホッとした模様。

 いや、これ大体でよかったんだからね?


「ファッションデザインが完成したので帝都に届けてくれと、姉から連絡がありまして」

「『ケーニッヒバウム』に委託するやつだね。任せて。今から行ってくるよ」

「本当にすみません」

「いいんだよ。あたしも帝国の有力者とは繋がっておきたいからね」


 これは本音だ。

 いろんな人に会いたい。

 人脈イコール影響力だから。

 あたしの影響力が強くなるほどドーラの商売に好影響だし、あたし自身も活動しやすくなる。


「じゃあ、ディオ君またね」

「バイバイぬ!」


 転移の玉を起動し帰宅する。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。

 イシュトバーンさん家にやって来た。


「こんにちはー」

「やあ、精霊使いじゃないか」

「ノアも元気だねえ。ココちゃんは?」

「ああ。楽しく毎日を過ごしている」


 うんうん。

 ドーラで楽しく暮らしてくれると嬉しいよ。

 あ、イシュトバーンさん飛んできた。


「こんにちはー。お肉お土産だよ」

「おう、すまねえな。ところであんた、今日は何の用だ?」

「セレシアさんのファッションを『ケーニッヒバウム』で売るんだよ。デザインができたって言うから、受け取りに行くの」

「ハハッ、デザインだけ送って生産は帝国でか。輸出はムリか?」

「ムリだなー。輸送費乗っかると高くなっちゃうもん」


 輸出に比べれば、帝都で自前の店開いた方がまだ可能性がある。

 でも店開ける場所も仕入れも顧客も何の当てもないしな?

 デザインだけ渡して委託にすれば、『ケーニッヒバウム』はドーラとのパイプを強くするために一生懸命商売してくれるわ。

 結果としてセレシアさんファッションのブランド価値は高まると見た。


「じゃねー」

「オレも連れてけ」

「え? いいけど、あたし荷物受け取ったら、転移ですぐ帰っちゃうぞ? 特に面白いことないと思うけど」

「どうせ新聞記者達が寄ってくるだろ?」


 そーかも。

 でも新聞記者との掛け合いが楽しみの範疇に入ってるのな?

 あたしも楽しいけど。


「ノア、ついて来てくれ」

「はい」


 セレシアさんの店に向かってしゅっぱーつ。


          ◇


「ユーラシアさん、イシュトバーンさん!」

「密会ですか逢引きですかスキャンダルですか?」

「狙ったように来るなあ」


 新聞記者ズでした。

 予定通りです。


「その後固定コンテンツで購読者の興味引く作戦はどう?」

「ありがとうございます! 好調です」

「新聞を定期購読契約してくれる方が増えました!」

「よかったねえ」


 ドーラを裕福にしたいあたしは、識字率向上がカギと見ている。

 新聞が売れることは識字率向上に密接に関係するのだ。

 身近な新聞が有用な情報媒体であるほど、字を覚えたくなるだろうしな。


「ところで記事のネタはありませんか?」

「寄り道せずストレートに来るなあ。話せるやつで大きいネタがないんだよなー」

「話せないやつではあるんですか?」

「世界の平和に関わるようなのがあるよ。いずれ教えてあげるからね」

「「期待してます!」」


 小ネタだと……。


「セレシアさんとこのファッションが帝都の『ケーニッヒバウム』で販売されるんだ。ただ輸出するんじゃなくて、デザインを提供しての委託販売になるよ」

「ついに帝国進出ですか」

「デザインできたって連絡入ったから、今から取りに行くんだ」

「ユーラシアさんが帝都まで運ぶわけですね?」

「そゆこと」


 ドーラ発の産物が世界を席巻するといいのになあ。

 ファッションは目立つのでセレシアさんに期待。


「去年のフィッシュフライフェスの時、特別賞出した『ダヤン食堂』っていう店があるんだ。揚げた骨を砕いたものを身にまぶしてもう一度揚げるって工夫してたのを評価したんだけど」

「おう、あれか。美味かったよな」

「ところがどうして特別賞になったかの経過が伝わってなかったらしくて、一部で贔屓したと思われてるみたいなんだよ。店に迷惑かけちゃって悪かったから、その辺記事にしといてくれると嬉しいな」

「「わかりました」」

「前回は勝負をわかりやすくするために、数売った方が勝ちってことにしたけどさ。今後のフェスで、数売ることばかり優先されても困るじゃんねえ。おいしいやつは別枠で評価したいよ」

「同感だな。どこで食べても美味いってのが理想だぜ。今年も食フェスやるのか?」


 あれ、新聞記者ズが前のめりになったけど。

 期待されてんのかな?


「やりたいねえ。じゃ新聞で呼びかけて希望者多かったら、ヨハンさんに相談しとくよ」

「希望者なんか多いに決まってますよ!」

「そお? じゃ、今年も食フェス開催のつもりでいるよ。去年ギリギリだったから、今年は早めにレギュレーション決めといた方がいいのかな?」

「参加希望の店は早めにわかってる方が研究のし甲斐がありますよ。腹案はありますか?」

「考えてるのはスイーツかな。ドーラの砂糖生産量を多くしたいとゆー含みもあってさ。これまだ決定じゃないから発表はしないでね」


 今年も食フェスやることになりそう。

 フィッシュフライフェスの興奮再び!


「塔の村にいるババドーン元男爵の娘フィフィリアが本を出すよ。ほぼ原稿もできてるみたい。画集見たフィフィが、イシュトバーンさんに表紙描いてもらいたがってたぞ?」

「おう、あのお嬢か」

「今冒険者としてバリバリ活躍してるの。変化に驚くと思うよ」

「ほお? そっちも期待できるじゃねえか。楽しみにしてるぜ」


 フィフィもいつの間にか扇で口を隠すことがなくなった。

 でも帝国で売ること考えると、表紙はわかりやすいポーズの方がいいか?


「さて、お店に着いたっと」

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