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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1266話:今日はえぐくない

「サイナスさん、こんばんはー」

『ああ、こんばんは』


 毎晩恒例のヴィル通信だ。


「ハヤテのレベリングしてきたからね」

『ああ、聞いた。パワーカードも買ったと喜んでいたぞ』

「ハヤテあれから塔の村行ったのか。やる気があるなあ」


 人も多かっただろうに、よく魔宝玉を処分できたなと思ったが、多分画集はもう売り切れてるんだろうな。

 人の数もそれなりか。


『ユーラシアは面倒見がいいね』

「これでアレクをこき使えるかと思うと」

『そういうことを言わなければ……』

「よりミステリアスなのにって? 可憐なあたしはゴリ押しか力尽くかパワープレイが持ち味なんだよね。謎要素はあたしに必要ないかな」

『言ってない言ってない。勝手に言葉を継ぐな』

「新しい芸風としてどーかな?」


 アハハと笑い合う。


『やはり開拓地の元辺境開拓民達が、パワーカードを手に入れたいようなんだ』

「ほーん?」


 サブローさんのマネ。

 ってのはともかく。


「積極的に開拓地周辺の魔物狩りをやってくれるってことなのかな?」

『ああ。肉とアイテムと経験値目当てだな』

「実にドーラの冒険者っぽくてありがたいね」


 魔物を排除するって目的だと悲壮感が漂う。

 魔物を倒すことが自分の儲けに繋がるのなら、モチベーションが違うもんな。


「あたしがあまりにも神々しいから、恐れ多くて会いたくないって話じゃなかったっけ?」

『恐れが多くて会いたくないのは確かなようだ』

「えーと、それは恐怖心的な?」

『恐怖心的な。しかし向こうさんがどう思っていようが、君の行動には影響を与えないんだろう?』

「まあ。けどあたしはしょっちゅう開拓地に顔を出せるわけじゃないからな?」


 元辺境開拓民どもが何を囀ろうと、だからってあたしが開拓地に行くわけじゃない。

 何故ならウルトラチャーミングビューティーの行動はウルトラチャーミングビューティーが決めるから。

 あたしが中継してパワーカードを売買するより……。


「……ブローン君じゃパワーカードの知識がないからダメだな。じゃあピンクマンとエルマに頼むのがいい。エルマは兼業でパワーカードの職人やってるから詳しいよ。でも未成年だから取り引きには不安があるじゃん? ピンクマンを間に入れればいいよ。ピンクマンもある程度パワーカードのこと知ってるし」

『ふむ、ではカール氏にまず話を持っていけばいいな?』

「そーだね。カラーズでパワーカード欲しい人がいたら融通するっていう体制ができるといい。回復魔法治癒魔法が使えるカードなんかは、欲しい人多そうだけどな」


 とゆーか『ホワイトベーシック』は常備しておくべきかもしれない。

 欲しい人が多くなってパワーカード職人希望が増えるといいなあ。


「話飛んでいい?」

『いつものことじゃないか。断って話し始める新芸風なのかい?』

「エルマが今日ドラゴンスレイヤーになったんだよ」

『えっ?』


 ハハッ、驚いてやがる。

 あたしも意外だけど。


『どういうことだ?』

「ギルドにお昼食べに行ったらエルマがいてさ。アイスドラゴン倒したいから、お姉さま付き合ってくれって言われたの」

『それだけじゃわからない』

「サイナスさんじゃわからんかもしれんけど、現在のエルマは冒険者として結構な実力者なんだよ。ヤバめの固有能力持ちで。ただ大人しい子だしパワーカード職人っていう職もあるし、危険を冒すだけの理由もないと思ってたんだ」

『危険? あっ、君手を貸さなかったのか?』

「お姉さまのような特別な方じゃなく、わたしのような平凡な子でもドラゴンスレイヤーになれるとなれば、パワーカードの需要は大きくなると思うんですって言ってたの」


 いや、あたしはエルマが平凡な子なんて思ってないけど。


『つまり職人たる者の糧として、ドラゴンを倒すことを望んだ、と?』

「格好いいわ。エルマは偉いねえ。もちろん危なくなれば助けに入る予定だったけど、完璧な戦いの運び方だったよ。ピンチなんかなかった」


 一番最初の『強撃』が『閃光撃』だったら、ドラゴン初撃の爪攻撃の威力を落とせたかなとは思うが、些細なミスだ。


『素晴らしいことだなあ』

「ドーラの未来は明るいよ」

『君今日、帝国に行ってたんだろう?』

「うん。ガータンってゆー、帝国本土の真ん中辺り。多分人口はカラーズくらいかな」

『経営の様子を見に行ったんだな? どうだった?』

「想像以上に厳しいってことはないよ。でも帝国は税金が高いじゃん? 個人的には魔物がいても税金のないドーラの方がマシだと思う」

『苛政は魔物よりも猛し、か』

「魔物にはおいしいやつもいるしねえ」

『それは君だけの感想だからな?』


 魔物においしいやつもいるってのは単なる事実だぞ?

 あたしだけの感想とか言われると戸惑うわ。


「帝国には標準税率ってのがあるらしいんだ。標準より税率を上げてもいいらしいんだけど……」

『領民が離散してしまうということか』

「領主も厳しいねえ」


 領地の当たり外れってすごく大きい。


「市民権持ってなくて独立した生活を営んでる人達が『山賊』って言われてるんだ。これが問題なの」

『ふむ、当然治安が悪化するよな』

「そうそう。山賊が住み着いてると交易が機能しないんだよね。明日山賊退治してくる」

『ん? サービスかい?』

「いや、何とガータンでは転移石碑に使える黒妖石が取れるのでした! しかも硬い石だから農具が傷むとかいって邪魔物扱いなの。黒妖石をもらう代わりに働いてくる」

『黒妖石の真の価値を知れば、譲ってくれなくなるんじゃないのかい?』

「どーかな? ドワーフの技術がなければ、あたし達にだって利用が難しいものだし」

『ああ、なるほど』


 いつまでもアルアさん頼りではダメだ。

 ドワーフの集落に伝手が欲しいな。

 そういえばアルアさんは何で同族と離れて暮らしてるんだろ?

 微妙な問題かもしれない。

 ドワーフの集落の場所はエルフに聞いた方がいいか?

 パラキアスさんもエルフとドワーフの争いを仲裁したって話だったから、パラキアスさんに聞いてもいいか。


「考え事してると眠くなっちゃう。サイナスさん、おやすみなさい」

『ああ、おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『はいだぬ!』


 明日もガータン。

 うちの子達も連れて山賊退治だ。

 どうでもいいけど今日はえぐいって言われなかった。

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