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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1264話:再び魔境へ

 クララの『フライ』でびゅーんとベースキャンプに戻ってきた。


「ただいまー」

「ただいまぬ!」

「お帰りなさいませ。エルマさん、おめでとうございます!」

「ありがとうございます!」


 頑張る子は報いられないとな。

 チュートリアルルームで最初に会った時、エルマは冒険者としてはムリだと思ったけどなあ。

 『大器晩成』の固有能力持ちは、手をかけてやりさえすればすごく育つ。

 エルマも頑張った、偉い!


「じゃあエルマ、夜ギルドで会おう」

「はい!」

「オニオンさんも仕事引けたら来てよ」

「よろしいんですか?」

「もちろんだよ」

「ええ、ぜひお出でください」


 ヴィルがニコニコしてる。

 素敵な感情が満ちているんだろう。


「エルマ、オニオンさん。またね」

「さようなら」

「お姉さま、さようなら」

「バイバイぬ!」


 転移の玉を起動し帰宅する。

 夜はお祝いだ。

 めでたい予定が入ると嬉しいな。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「いらっしゃいませ……えっ? ユーラシアさん?」


 ハヤテを送り、再び魔境にやって来た。


「どうされたんですか?」

「どう、と言われても、日常的な都合だね。おゼゼがないので稼ぎに来たという」

「いつもの理由ですねえ。何故ユーラシアさんがお金に困っているのかは謎ですが」

「あたしも不思議なんだよなー。どーしてだろ?」


 まあお金に困ってるというほどでもない。

 使わなきゃいけない場面が来るだけだ。

 ワイバーンの卵をもう少しとか、明日ガータンに持っていくクレソンが欲しいという理由もある。


「失敗した。さっきの精霊の子いるじゃん?」

「ええ。どうかしましたか?」

「あの子自分で転移できるんだった。わざわざ送ることなかった」


 つい以前の迷子の時の感覚だったわ。

 場所わかってる今は自分で転移できるのに。

 ちなみにハヤテには透輝珠二個を渡してある。

 パワーカードを充実させれば、冒険者稼業も捗るだろ。


「今は魔境からでも転移できるんですか?」

「転移って自分との位置関係がわかってるか、転移先がキッチリ決まってるかするといいみたいなんだ。前回迷子になった反省を生かしたんだって」


 案外固定の転移位置を決めておくのは面倒なことらしい。

 ヴィルなんかは赤プレートを持ってるあたしのところへはワープできるわけだが。

 あれ? 自分で自分を固定物扱いだぞ?

 オニオンさんが言う。


「海外情勢はどうなってます?」


 ハハッ、オニオンさんも聞きたくなっちゃうらしい。

 オニオンさんは魔境引きこもりなんかやってる割に視野が広いんだよな。


「ゼムリヤの次の領主はウルピウス殿下になりそう。メルヒオール辺境侯爵がその気だし、主席執政官の第二皇子もいいんじゃないかって意見みたい」

「ほう? 皇子が辺境侯爵家を継ぐのは容易なので?」

「制度上簡単ではないらしいよ。でも主席執政官と封爵大臣が認め、皇帝陛下の裁可があれば可能みたい」

「……厳格ではあるのでしょうけれども、思ったより簡単な仕組みですね」

「ゼムリヤの領主って優秀じゃなきゃ務まんないし、皇帝家と血の繋がりが濃くて忠誠度が高いってのも重要なポイントらしいんだ」

「つまり都合がいいから通ってしまうということで?」

「みたいだね」


 都合がよければ何でも通る、というのはひっじょーにわかりやすい。

 メルヒオールさんの次というのは帝国の政権にとって頭を悩ます問題なのだろう。

 そして第二皇子にとって次期皇帝の座は何より重要だ。

 ウ殿下が同じ現皇妃系のフロリアヌス殿下とタッグを組んで次期皇帝を狙う、というのは第二皇子にとってあまり考えたくないことだろう。

 ウ殿下の目がゼムリヤに向くなら、その方がいいと考えているのかもしれない。


「帝国情勢も複雑怪奇なんだよね。この前施政館に行ったら、第二皇子が昼食に毒盛られてるの」

「えっ?」


 目を丸くするオニオンさん。


「わざわざあたしが行く時に毒盛るとか、質が悪いよねえ。下手すると遊びに行けなくなっちゃうとこだわ」

「大丈夫だったので?」

「給仕に来た女の人がどう見ても怪しかったんだ。その人犯人に脅されてたから、泳がせて芋づる式に捕まると思う」


 第二皇子は有能なので、黒幕とっ捕まえ損なうことはないだろ。

 第二皇子にも敵がいる、ということは一つの示唆かも。

 皇子達の誰かなのか政治上のライバルなのか、はたまた帝室や政権に対する不満分子か個人的な恨みなのかはわからんけど。


「帝国海軍のソロモコ遠征は決定だよ。三日後に帝国艦隊がタムポートを出るから、さらに三日くらいあとに到着かな」

「予定通りですか?」

「まあ。待ち構えてるやつだからどうってことない」


 前からわかってたことだしな。

 ソロモコの住民を動揺させたくないから、フォローを入れてやんないといけないが。

 あたしとフクちゃんがいれば特に問題ないだろ。


「で、もう一つ。来月の半ば頃にラグランドとゆーところで住民蜂起が起きるって。帝国の圧政に我慢ならんってことみたいだよ」

「ラグランド……帝国の海外植民地ですね。熱帯圏です」

「ラグランドって熱いところなんだ? あれ、小麦って熱いところはあんまり向いてないよね?」


 パラキアスさんは小麦作ってるみたいな話してたよな?

 もしかしてラグランドは気候に適した穀物を作ってない?


「帝国は本土でも税金高いと聞きますね。海外植民地は場所ごとで税率は違うはずです」

「ラグランドは特に税金高い方なのか。適した作物作らせてもらえなくて食をコントロールされちゃってるのかなあ?」


 腹一杯食べられないのは不幸なことだ。

 詳しい事情を知りたいが。


「気にはなりますが、ドーラに直接関係ないですよね。ひょっとして関係ができてしまうパターンですか?」

「フラグを立てるなあ。ラグランドに関わると帝国と揉めそうだから嫌なんだけど」


 何でオニオンさんは嬉しそうなんだろ?

 ヴィルがひっついてるんだけど?


「関係ができるというより、ラグランドの処理いかんで帝国の将来が決まる気がするんだよね。でもまだ不確定なことが多いの」

「ユーラシアさんのカンは当たりますからねえ」

「ま、いいや。行ってくる!」

「行ってくるぬ!」

「行ってらっしゃいませ」


 目先はおゼゼ儲けが重要だ。

 ユーラシア隊及びふよふよいい子出撃。

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