第1263話:エルマの勝利!
「真っ直ぐドラゴン帯を目指すよ」
魔境のやや重い空気を感じながら直進する。
さすがにドラゴンにチャレンジするともなると緊張するかな?
エルマの顔がやや強張ってるように見える。
「ボニーっているじゃん?」
「今年初めての『アトラスの冒険者』ですよね」
「そうそう。エルマはどういう印象持ってる?」
「わたしより後輩の人達とうまくやっているなあ、という感じですかね」
「ボニーは芸人冒険者を目指しているんだ」
「ええっ?」
これは絡みが少ないと知らないだろ。
「真面目そうに見えるんですが」
「真面目は真面目だな。お笑いに忠実。『アトラスの冒険者』になったのも、滑らない話を語れると思ったからって言ってたぞ?」
「ええ? 意外です」
ちょっと硬さが取れたかな?
「冒険者にもいろんなスタンスがあるなあと思ったよ」
「お姉さまもお笑い系ですか?」
「お笑い系ゆーな。あたしんところにはヒロイン補正でおかしなクエストが集まるだけだわ」
アハハと笑い合う。
うん、いい笑顔だね。
「エルマとハヤテはガードしてくれてればいいからね。もし魔物に急襲されたら、ヴィルはハヤテを守ってやって」
「わかりました」「わかったぬ!」
あ、クレイジーパペットだ。
ラッキーだが今のハヤテにはちょいとツラいか?
「しっかりガードしててね!」
レッツファイッ!
クレイジーパペットのフレイム! ハヤテは? 大丈夫だな。ダンテの実りある経験! あたしの通常攻撃! よーし倒した!
「リフレッシュ! どんどん行くよ!」
うむ、ハヤテもレベル上がったな。
さらに中へ。
◇
「あっ、ワイバーンだ」
「お姉さま?」
「た~ま~ご~お~と~せ~」
レッツファイッ!
以下略。
「よーし、狙い通りだ! ワイバーンの卵ゲットだぜ! エルマのドラゴンスレイヤー記念パーティーに一品添えられるよ」
「ぱ、パーティーって……」
「御家族もギルドに呼んでおいでよ」
「お姉さま……」
「こら、ウルウルしない。本番はこれからだぞー」
ワイバーンのフワフワ卵焼きはすごく美味しいしね。
ザコを倒しつつドラゴン帯へ。
◇
「いるいる、グリフォンだ」
「わたし、グリフォン見たの初めてです」
「あんまり生息数が多くないんだよねえ。それっ!」
飛びついてもふー。
「お、お姉さま?」
ハハッ、エルマもハヤテもビックリしてやがる。
「グリフォンとは仲良くしてるんだ。櫛かけてやるから、周り警戒しててね」
「はい!」
手早く櫛をかけ、羽毛をいただく。
グリフォンもこれ、気持ちいいんだろうな。
目を細めている。
「御主人、デカダンスが来るぬよ」
「よーし、いいタイミングだな。エサを狩ってくるからちょっと待ってなさい」
「くおっ!」
こらこら、エルマもハヤテもビビるんじゃないよ。
グリフォンいい子だぞ?
デカダンスを倒してグリフォンに亡骸をあげる。
「食べてる……」
「グリフォンもなんだけど、でっかい鳥の魔物は人形系の魔物の亡骸が好物みたいなんだよね。やると喜ぶんだ。代わりに羽毛をもらってるの」
「羽毛も利用できるのですか?」
「高級布団の材料なんだ。これも輸出向けだね」
「ほへー」
エルマが尊敬の目で見てるよ。
気分がいいなあ。
「じゃあまたね」
「くおっ!」
グリフォンと別れる。
「ハヤテ、これ触ってみ?」
「あい」
ギルドカードで確認してみると、レベルはちょうど三〇か。
目的達成だな。
残りはエルマのメインイベントのみ。折よくアイスドラゴンもやって来た。
「エルマ、どうする?」
「いきます!」
「よーし、もし危なくなったら助けるから、安心してチャレンジしなさい」
「はい!」
レッツファイッ!
アイスドラゴンの爪攻撃! うむ、それなりのダメージのようだ。エルマの強撃! クリティカルだ! 『暴虐海王』の効果でアイスドラゴンの全ステータスを下げる!
「エルマいいぞー!」
「はい!」
エルマの反撃の防御。攻撃力が上がる。アイスドラゴンのアイスブレス! ほとんどダメージ受けたように見えないな。ヒットポイント自動回復量の方が多いだろう。
「計算通り!」
「はい!」
エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンのアイスブレス! どうってことない。
「押せ押せー!」
「はい!」
エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンの爪攻撃! 爪攻撃の方が厳しいな。
「いけるいける!」
「はい!」
全然余裕あるじゃないか。エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンのアダマスフリーズ! アイスブレスよりダメージは大きいが?
「弱体化切れるよ!」
「はい!」
エルマの強撃! 『暴虐海王』の効果でアイスドラゴンの全ステータスを下げる! 張り替えのタイミングピッタリだ。アイスドラゴンのアイスブレス! 大したことないぞ。攻撃力強化も切れそうか?
「順調だよ!」
「はい!」
エルマの反撃の防御。 再び攻撃力が上がる。アイスドラゴンの爪攻撃! クリティカルだ! 防御時でラッキー。
「エルマ、ツイてるぞ!」
「はい!」
エルマのドレインアタック! すげえ、エルマのヒットポイント満タンじゃん。アイスドラゴンのアイスブレス! 問題なし。
「その調子!」
「はい!」
エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンの爪攻撃! クリティカルにならなきゃ平気だ。
「余裕のある内マジックウォーター使って!」
「はい!」
エルマがマジックウォーターを使用、マジックポイントを回復させる。アイスドラゴンのアイスブレス! ん? ドラゴンが着地したな。
「ドラゴン弱ってきてるぞ!」
「はい!」
エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンのアイスブレス! もう爪攻撃はできまい。
「弱体化切れるぞ!」
「はい!」
エルマの強撃! 『暴虐海王』の効果でアイスドラゴンの全ステータスを下げる! 万全だ。アイスドラゴンのアイスブレス! 苦し紛れだ、もう一息。
「とどめだよ!」
「はい!」
エルマの火の連続衝! かなりのダメージが入る! アイスドラゴンの動きが一瞬止まり、悲し気な叫び声とともに崩れ落ちる! やったぜ!
「よーし、よく頑張った! リフレッシュ!」
「は、はい。ありがとうございます!」
これでエルマもドラゴンスレイヤーか。
感慨深いわ。
「アトムが『逆鱗』取ってきたらベースキャンプに戻るよ。それまで警戒!」




