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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1240話:カカシのレベル上げ

 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」


 畑番の精霊カカシのレベルを上げる目的で魔境にやって来た。

 あれ、ヴィルがオニオンさんに飛びついてら。

 珍しいパターンだな?

 オニオンさんからヴィル好みの好感情が溢れているということか。

 つまり……。


「おっぱいさんとの関係が進んだということだね?」

「おわかりですか。正式に婚約の運びとなりまして」

「おめでとう。よかったねえ!」

「おめでとうぬ!」

「ありがとうございます。ひとえにユーラシアさんの多大な協力のおかげです」

「そーだ、あたしの協力のおかげだ! だからあたしには経過報告を聞く権利がある!」


 権利じゃなくて義務のような気がするニヤニヤ。

 一番機嫌良さそうなのヴィルじゃねーか。

 どうなってんだろ?


「大げさなことは何もないです。たまたま弟のモズさんが帰宅されたということで、挨拶に伺ってそれで……」

「お義父さん、おっぱいさんをワタクシにください、ってやつ?」

「おっぱいさんとは言ってないですけれども、大体そのような」

「キュンキュンするわー」

「キュンキュンするぬ!」


 ラブラブしいイベントは乙女の潤い。

 ヴィルじゃないけどごちそーさまでした。


「今後の予定はどうなるの?」

「吉日を選んで数ヶ月中に結婚となるかと思います。ただ新居のことで頭を悩ませておりまして」

「新居? 場所をどこにするかってこと?」


 頷くオニオンさん。


「はい。大雑把に分ければカトマスにするかレイノスにするか、あるいはワタクシの今住んでいるところにするかの三択なのですけれども」

「ふんふん、オニオンさん家ってどこにあるんだっけ?」

「ほこら守りの村を御存じでしょうか? あそこから南に下ったところにある一軒家です」

「ふーん、あの辺いいところだけど、ちょっと無用心だよね」


 腕に覚えのある冒険者ならともかく、おっぱいさんみたいな美人が寂しいところに住むのはいただけない。

 眉を曇らせるオニオンさん。


「ですよね……。男の一人暮らしならまだしも、サクラさんが住むとなると問題がありますよね。かといってカトマスやレイノスでは……」

「転居代がバカにならないってことか。ふむー」


 おっぱいさん家もオニオンさんが転がり込むほどの広さはない。

 どこかで新居を構えることは前提としてどこにするか。

 知らん集落は他所者に対して排他的なところが多いしな。


「……ギルドの近くはどうだろ?」

「えっ?」

「冒険者がウロウロしてるんだから、魔物やドロボーの危険はほぼないでしょ? レイノスやカトマスと違って土地代もかかんないし、職場までも近い。御近所のダンに聞けば大工さんも紹介してもらえると思うよ」


 おっぱいさんの転移の玉があればカトマスへ飛べる。

 レイノスにも近いから、買い物も苦にならんだろうしな。


「名案です!」

「ハッハッハッ、あたしを崇めるがよい!」


 ギルドの近くなら簡単に遊びに行けるぞニヤニヤ。

 いや、二人の幸せを邪魔する気はないけれども、パトロール的なアレでね?

 アレって何だって?

 細けえことはいーんだよ。

 

「申し訳ないですけれども、しばらく婚約の件に関しましては秘密にしておいてもらえませんか?」

「ええっ! そんな殺生な!」


 こんな楽しめる……からかい甲斐のある……おめでたいネタを封印しろってひど過ぎない?

 目一杯皆で冷やかして……祝福しないといけないじゃん。


「ワタクシの方は覚悟もできていますし、特に問題もないのですけれども、サクラさんの業務に支障があるのはよろしくないですから」

「よろしくないね。わかるわかる」


 即座に考えを改める。

 依頼受付所に機嫌の悪そうなおっぱいさんが座ってること考えると寒気がするわ。

 すげえ面倒でつまんないクエスト回されたりでもしたら憂鬱でかなわん。


「誓って誰にも言いません。安心してください」


 ホッとするオニオンさん。


「ありがとうございます。ところでユーラシアさん。本日の魔境探索のテーマは?」

「ちょっと変わってるとゆーか、つまるところあたしの得意技とゆーか。この子のレベリングだよ」

「えっ……案山子、ですか?」


 オニオンさん、頭の回りに疑問符が浮かんでいますよ。


「うちの畑番の精霊カカシだよ。すごくよく働いてくれて助かってるんだ。寄り代タイプの精霊でも、レベルが上がったりすると能力が強化されるのかなーと思って」

「寄り代タイプの精霊? ひょっとして以前、クエストの依頼者だったという?」

「うん。おっぱいさんに聞いてた?」

「ええ、チラッとだけですが。何の固有能力持ちなんです?」

「いや、調べたことないからわかんない。土の中の養分や水分を管理できるんだけど、これ固有能力じゃなくてカカシが元々持ってる力なのかも?」


 涅土の精霊だもんな?

 でも精霊や悪魔は例外なく固有能力を持ってる気がするから、カカシも固有能力持ちなんだろうとは思う。

 でもカカシは寄り代タイプで戦闘メンバーじゃないもんな。

 固有能力を調べたいってわけではない。

 が、レベルの上昇で能力が強化されるかは知っておきたい。


「ははあ、現在はユーラシアさんの家の畑の管理を行っていると」

「カカシをギルドまで連れてきてくれた人、あたしの父ちゃんだったんだ。オリオン・カーツって人」

「えっ? オリオンさんって船団長の? ユーラシアさんのお父さんだったんですか?」

「あたしも父ちゃんのことは旅人としか聞いてなかったから知らなかったんだ。つい二〇日くらい前に判明したの」


 人懐っこい感じのおっちゃんだった。

 自分じゃよくわからんけど、似てるっちゃ似てるのかも。


「イシュトバーンさんは親子だって気付いてたみたいなんだけど」

「何とまあ。オリオンさんは帝国本土タムポート出身と伺っています。だから『ユーラシア』という汎神教的な名前をおつけになったんですかねえ?」

「かもねえ。詳しいことは聞いてないから何とも」


 あたしの名前がドーラではメジャーでない汎神教の神様の名なのは、違和感持ってる人が結構いるのかもしれない。

 もっともあたし自身が女神みたいなもんだしな?


「行ってくる!」

「行ってくるぬ!」

「行ってらっしゃいませ」


 ユーラシア隊及びヴィルカカシ出撃。

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