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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1187話:ラブは潤い、ラブは愛

 フイィィーンシュパパパッ。

 帝都から帰宅後、うちの子達とともにギルドに来た。


「いらっしゃい。チャーミングなユーラシアさん。ギルドは久しぶりじゃないか?」

「いつ以来だったかな。最近忙しくてあっちこっち行ってるんだ。働き過ぎかも」


 バエちゃんにもらった、脱落した『アトラスの冒険者』の名簿に知らない固有能力がある。

 ポロックさんに確認したいが?


「お腹ペコペコなんだよね。もー食堂しか頭にない」

「ハハッ、行ってらっしゃい」


 ギルド内部へ。


「御主人!」

「よしよし、ヴィルはいい子だね」


 食堂に入るとすぐヴィルが飛びついてきた。

 ダンに遊んでもらっていたか。


「むむっ? ダンがあたし達に奢りたそーな顔をしているな?」

「どんな顔だ。まあ寒天スイーツが口コミで好評なんだ。奢るぜ」

「やたっ! 今日はいい日だ!」


 注文入れてと。


「あんた近頃ギルドに来てなかったじゃねえか」

「ポロックさんにも同じこと言われたな。いや、帝国で用があってさ」


 ゼムリヤが何だかんだ。

 リリーの縁談クラッシュイベントがどうこう。


「新聞読んだぜ。ヤマタノオロチってのはそういうことかよ」

「イベントに恵まれちゃって。面白い記事だった?」

「あんたは退屈させねえことに巻き込まれてるな、とは思ったぜ」


 退屈させねえことって誰目線だ。


「その後面白い展開になったの」

「十分面白いじゃねえか。まだ足りねえのかよ? 何だ?」

「じゃーん! 御褒美としてあたしを男爵様にしてくれるって」

「してくれるんだぬ!」

「ははあ?」


 胡散臭げな目で見るな。


「ユーラシアたるものが男爵なんか受けやしねえんだろ?」

「どーしてわかるの?」

「受けるなら美少女王か超絶美少女爵だろ」

「ダンはわかってるなー。ちょっといい?」


 内緒話モード発動。


「ヤマタノオロチ退治には帝都の新聞記者も連れてったんだ。あたしの存在感を高めておくチャンスだと思ったからさ」

「で、食いついてきたのが帝国政権の中枢か。要するにヤマタノオロチ退治でフィーバー中のあんたを、男爵をエサに帝国のトップが抱き込みにかかってるんだな?」

「読みがいいね。多分そゆこと。主席執政官で次期皇帝有力候補の第二皇子がね」

「第二皇子か。バアルと組んでドーラ戦を画策した迷惑なやつ?」

「うん。ただあたしはプリンスルキウスを推したいから、第二皇子の施しを受けて下についたなんて思われたくない。かといって露骨に断るとドーラの印象が悪くなりそうじゃん?」

「八方塞がりじゃねえか。どう切り抜けた?」

「あたしじゃ男爵様はムリだから、代わりに公爵の次男をどう? って推薦したの」

「……公爵が第二皇子派閥になるのはいいのか?」

「いや、第二皇子は知らないことなんだけど、公爵の娘はプリンスと婚約間近なんだ。公爵は第二皇子とバアルがつるんでたことも知ってるの。したたかな人だから完全にプリンスの側についてるわけじゃないけど、第二皇子からの距離は遠ざけた感じだな」


 公爵は『ルキウス様に協力しよう』と言ってくれているが、どの程度の協力かは明言していない。

 商人は利次第で転ぶものだ。

 あたしも口約束を鵜呑みにしてるわけじゃない。

 ただそのセリフ、ヘルムート君とパウリーネさんは聞いているので、バカ正直なあの二人はこっちに義理立ててくれるに違いないのだ。


「愉快な情勢になってるじゃねえか」

「でしょ? 他にもプリンス側になりそうな人はいるからね。大きい事件があれば逆転できそう」


 ただ加減が難しい。

 放っときゃソロモコは大きな事件になりそうだけど、同時にあたしやあたしの愛する世界にとってどえらい厄介なことになりそうだからな。

 あ、御飯来たっ!


「いただきまーす!」


          ◇


「ごちそーさまっ! おいしかった」


 ギルドの御飯は元々おいしいが、奢りだとなおおいしい。

 奢りは最上のスパイスなり。


「ダンに相談があるんだった」

「何だ? デート一回で手を打とうじゃねえか」

「いや、デートして欲しいってことなんだけど」


 その喜び四〇%怪しみ四〇%冗談二〇%の顔やめろ。


「あんたがか?」

「あたしじゃないよ」

「つまりあんたとさらにもう一人とデートできるってことか」

「こら、話聞け」

「聞くんだぬ!」


 最近ヴィルがキレキレだ。


「以前、ダンと相性ピッタリだけど、うまくいく気がしない女の子がいるって話したの覚えてる?」

「おう、引っかかる話だったからな。よく覚えてるぜ」

「最近その子がモテモテなんだ。縁談も結構来てるみたいなんだけど、ピンと来る人がいないらしくて。例えばあたしのお勧めはどんな男の人だとゆー、話の成り行きになってさ」

「ほお? つまり俺か」

「大正解でーす。その子にも相性はいいけどうまくはいかないぞって話したんだ。構わないから会ってみたいんだって。ダン、どうする?」

「おう。俺も会ってみてえな。いい女なんだろう?」

「うん。すげえ『いい子』だよ。間違いなし」


 フルステータスパネルで調べりゃ確認できるってばよ。


「俺とは面識ないんだったか?」

「ダンは案外顔が広いから実際はわかんない。おそらく面識はないだろうけど、知ってはいるはずだよ」

「え?」


 何のことやらわからなそうなダン。


「イシュトバーンさんの画集あるじゃん?」

「あの中のモデルなのか? 大いに期待できるじゃねえか」

「でしょ? しかもあたしとおっぱいさん除いて、あんたが一番いい女だと思ってる人だよ。お気に入りでしょっちゅう見てる子いるでしょ?」

「……『ニルエ』か?」

「ピンポーン! 大正解二回目!」

「どうしてわかるんだよ!」

「そんなもんあたしのラブセンサーがこの上なく優秀だからに決まってるだろーが」


 ダンのクセに今更何を言ってるんだ。

 だからその尊敬四〇%恐れ四〇%トリックなんじゃねーか二〇%の顔やめろ。


「まー相性がいいってのはわかるもんなんだよ。いつがいい?」

「俺はいつでもいいぜ」

「じゃ、明日の午前中行こうか。ギルドで待ち合わせね」

「先方には連絡しなくていいのか?」

「いつもいるから大丈夫だよ。ダンのオーケー取れたら連れていくって言ってあるんだ」


 楽しみが増えたなー。

 ラブは潤い、ラブは愛。


「あんた今からどうすんだ?」

「アイテムの処分と、おっぱいさんにもらった石板クエストが終了したから、その報告かな」

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