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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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1163/2453

第1163話:他人のラブラブ見てても面白くない

 フイィィーンシュパパパッ。


「こんばんはー」

「こんばんはぬ!」

「ようこそ、精霊使い殿」


 イシュトバーンさん家にやって来た。

 屋敷に案内される。


「その後、イシュトバーンさんの体調どうかな?」

「傍目には回復されたと思いますが」

「もう飛行カードは使ってないんだ?」

「さすがに懲りたようで」


 建物の中で使うからだぞ?

 ペペさんも天井に頭ぶつけたって話だしな。

 飛行がコントロールの難しい技術であることには変わりない。


「こんばんはー」

「おう、よく来たな」


 うん、体内の魔力の流れも滞りない。

 問題ないな。

 ヴィルがイシュトバーンさんに撫でられに行った。


「これあげる」

「ん? 『ホワイトベーシック』のパワーカードか」

「回復魔法と治癒魔法が使えるって便利じゃん? 最近贈答用にいくつか持ち歩いてるんだ」

「ハハッ、また事故があったら使えってか」

「大体イシュトバーンさんともあろう者が、何でポーションくらい用意してないのよ?」

「さすがに家の中で大ケガすることは想定してなかったぜ」


 そりゃそーだ。

 アハハと笑い合う。


「あーんどお土産のお肉だよ」

「すまんな。で、話聞かせろ」


 いきなりだなー。


「昨日の報告中途半端だったじゃねえか」

「まあまあ。楽しみはとっておくもんだよ」


 イシュトバーンさんも寝てばかりで暇してたんだろ。

 時系列に沿って昨日の話から。

 とゆーか神話級魔物のイベントはオチに使いたい。


「昨日は勝負そのものより、帝都の大店『ケーニッヒバウム』の店主フーゴーさんと、一昨日の対戦相手ヘルムート君の姉パウリーネさんと知り合えたことが大きかったんだ」

「おう、フーゴーさんと直接会ったか。なかなかの人物だろ?」

「あ、面識があるんだ?」

「昔帝都でな」


 へー、イシュトバーンさんは顔が広いなあ。

 そしてやっぱ昔帝都に行ったことがあったんだな。


「フーゴーさんは今日の話と繋がるところもあるからあとでね。パウリーネさんがプリンスルキウスにラブの人だったんで、昨日ドーラに連れてきてプリンスに会わせた。とてもいい感じ。近い内に婚約の運びになると思う」

「待て待て、展開が早い。つまりそのパウリーネってお嬢は公爵令嬢だな?」

「アーベントロート公爵家のお嬢だね。アーベントロート公爵家ってのがどれくらいの貴族なのかは知らんけど」

「どんなお嬢だ?」

「二〇歳くらいかな。やや大柄で黒髪の清潔感ある美人だよ。プリンスとは相性バッチリだし良さげでしょ?」

「ルキウス皇子殿下のバックとして、まあ男爵令嬢よりはな」


 パワーバランス視点か。

 プリンスを次期皇帝に押し上げたいと思えばね。


「位が高くたってどの程度の力があるかは、ちょっとまだあたしじゃわかんない。でもパラキアスさんが推してたんだ。となると公爵はかなりの実力者なのかなーって」

「間違いねえな。次期皇帝争いが面白くなってきたじゃねえか」

「お偉いさんに政略結婚は仕方ないと思うよ。でもラブラブだと見てる方が楽しいから」

「オレは他人のラブラブ見てても面白くないんだぜ」

「そーなの?」

「料理が来たぜ」

「いただきまーす!」


          ◇


「ごちそうさまっ! 満足です!」

「満足だぬ!」


 お肉のあとのスイーツは最高だなー。


「フーゴーさんがスイーツに詳しい料理人を貸してくれるって言ってたから、ここへ連れてきていい? 例のお宝レシピを解読して欲しいの」

「おう、フーゴーさんによろしく言っといてくれ」

「簡易レシピ集を発行したいんだよね」

「寒天の利用も含めてな」

「うん、レシピ解読だけに拘ることないよね。スイーツの作り方の基本書みたいなのがいい。どこでもスイーツを食べられるようになったら幸せだよ」


 ドーラの砂糖や寒天が売れて万々歳だし。


「フーゴーさんとの絡みは以上かい?」

「今日ちょっとした事件があってさ。そっちでも関係があった」

「ん? チャンバラ勝負だろ? 相手の模擬剣弾き飛ばして終いなんじゃねえのか?」

「チャンバラ勝負は中止になったんだ。神話級の魔物ヤマタノオロチってのが出ちゃってさ。退治に行ってたの」

「……つくづくあんたはハプニングに恵まれてるな」


 こーゆーのを恵まれてるで片付けていいんだろうか?

 いいんだろうな。

 楽しいし。


「どうだった?」

「んー失敗したなー」

「ほお?」


 えっちな目で見てくるイシュトバーンさん。


「あんたが失敗というのはどの程度だ?」

「ヒドラの類って牙を買い取ってもらえるじゃん? だから首落として再生っての繰り返すとかなり儲かるんだよ」

「ああ、あんたがキングヒドラを倒す時に、再生限界まで首を刎ね続ける方法を取ったって報告は受けてる」

「報告? まったくえっちなことしてるな。ヤマタノオロチって首八本もあるから、スパッと同じ位置で切れなくて再生スピードにかなり差が出ちゃうんだよ」

「それで?」

「首Aが完全再生すると攻撃してくるから、首Bが再生途中でも『薙ぎ払い』撃つじゃん? 得られる牙に未熟なやつが混ざっちゃうんだよね。買い取り価格が安くなっちゃう」

「そんなことなのかよ!」


 おゼゼに関わる重要なことなんだが。


「戦利品の牙を『ケーニッヒバウム』で売って、被害を受けた集落に寄付するって言ったら、フーゴーさんがポンと五〇万ゴールド出してくれることになったんだ。ありがたいことだねえ」

「ハハッ、謀りやがったな?」

「まあ」


 フーゴーさんをサイレントで煽り、寄付金込みで結構な金額を出させたことだ。

 いいんだよ。

 おゼゼはあるところからないところへ流れるべきなのだ。


「セレシアさんのファッションを『ケーニッヒバウム』に紹介できそうな雰囲気になってきたから、今度服屋休みの日にセレシアさんを連れていこうかなと思ってる」

「弟に先に話通しといた方がいいんじゃねえか?」

「ディオ君に? うん、伝えとこ」


 ディオ君が状況を把握してないでセレシアさんが暴走すると困りそう。


「お終いでーす」

「リリー皇女はドーラに戻ってくるのか?」

「そーだ。リリーの予定も確認しなきゃいけないんだった」


 ここんとこ毎日早起きでリリー眠そうだったんだよな。

 今日も昼寝するって言ってたから、『ケーニッヒバウム』行く前に別れたし。


「やること多いなー。今日は帰るね」

「おう、またな」

「バイバイぬ!」


 転移の玉を起動し帰宅する。

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