表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1156/2453

第1156話:とっとと婚約してください

「美少女精霊使い、再び参上!」

「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 ひゃい子を連れて行政府大使室に転移してきた。

 飛びついてきたヴィルをぎゅっとしてやる。

 ウルトラチャーミングいい子だね。


「お帰り」

「さあ、どれほど甘々な雰囲気になったか教えてもらおうじゃないか」


 歯切れのよくないプリンスルキウス。


「いや……特別なことはなかったよ」

「そんなわけあるか! あたしのラブセンサーの感度をバカにすんな! 空気がメッチャ甘酸っぱいわ!」


 プリンスこっち向きゃしねえ。

 クリークさんマックスさんアドルフ、どう?


「実に微笑ましい。お似合いではないか?」

「俺ごときが評するのは恐れ多いが、殿下に相応しい令嬢だと思う」

「お二人を祝福したい。そして俺の名はロドルフだ」


 オルムスさんは苦笑しているけど、パラキアスさんは意地の悪い視線を向けてきますね?

 うんうん、この二人を結びつけたのがあたしということになれば、ドーラはより帝国に食い込める寸法ですよ。

 もちろんプリンスがどれくらい偉い人になるかで、効果のほどは変わっちゃうわけだけど。


「帝国の皇族や貴族の婚約ってどういう手続きになるの?」

「いや、婚約はまだ早いというか……」


 プリンスは何をしどろもどろしてんだ、まったく。

 パウリーネさんが期待を込めた目で見とるがな。


「早いことあるか!」

「早いことはないぬよ?」

「パウリーネさんの年齢がいくつか知らんけど、リリーのとこにあんだけ縁談が殺到するとこみると、本来はとっくに婚約してなきゃいけないんでしょ?」

「はい」


 ほら、パウリーネさん頷いとるがな。

 帝国の貴族事情に沿わない理由なんかないだろーが。

 とゆーかプリンスだって結構な年齢じゃないか。


「公爵様もせっついてるんじゃないの?」

「いえ、お父様は私の気持ちを尊重してくださるので、急かされることはありません。でも心配をかけていたのは間違いないと思います」


 公爵ってどんな人なんだろうな?

 ヘルムート君はなかなか大物感が出てるし、パウリーネさんも非凡な清潔感のある人だ。

 常識で考えてその父ちゃんが凡人のわけはない。

 会ってみたいもんだ。


「パウリーネさんはプリンスと婚約できたら嬉しいんでしょ?」

「もちろんです!」

「プリンスとの婚約に反対しそうな身内の人いる?」

「いないと思います」


 パウリーネさん側には問題あらへんがな。

 とゆーか公爵が反対してない時点でバッチ来いやないけ。


「プリンスの方は?」

「は?」


 は? じゃねーよ。

 今まで何聞いてたんだよ。

 プリンスの決断次第だって言ってるんだよ。


「パウリーネさんの身分・容姿・性格・その他条件に気に入らないところがあるの?」

「き、気に入らないところなどない」

「プリンスだっていい年齢じゃん。今婚約しないことにポリシーがあんの?」

「もちろんないが」

「もー好きか嫌いかハッキリ聞かせて!」

「好きだ!」

「うあーキュンキュンするわー」

「キュンキュンするぬ!」


 大笑い。

 パラキアスさんが言う。


「ユーラシア、フィフィリア嬢はどうなのだ? 大使の元婚約者の。障害になるようなことはないか?」

「ないな。フィフィは自分の人生の道の上に、既にプリンスがいないことはよーく理解してる。今後の生活と冒険者活動の方にスパッと頭切り替えてるよ。プリンスも三日前に塔の村で会ってるから知ってるはずだけど」


 潔いところはフィフィの長所の一つだな。

 まるで未練が感じられなかった。

 却ってプリンスの挙動の方が変だったわ。

 パラキアスさんが断じる。


「大使殿下。差し出がましいようですが、論点が遅早だけならば、アーベントロート公爵家には話を早く通しておくべきと愚考いたします」

「……ああ、そうだね」


 場の空気が引き締まる。

 パラキアスさんは明言しなかったが、皇帝崩御の前にアーベントロート公爵家を味方につけておけとの具申に等しい。

 次代の皇帝位を狙う者として当然の行動であり、遅くなるほど後手を踏む可能性は高くなるのだ。

 んなことはプリンスだって理解してるんだろうけど、何を思い惑ってるのかな?


「もういっぺん聞くけど、帝国の皇族や貴族の婚約ってどういう手続きになるの?」

「両家の合意があれば、特別決まった手続きはないよ。強いて言えば陛下への報告と社交界での告知、教会への連絡かな」

「ふーん、今からパウリーネさん送っていくけど、プリンスも行く?」

「それはさすがに不躾だ。パウリーネ嬢、公爵殿は現在どこにおられるかな?」

「帝都におります」

「ではまず、手紙を書こう。お父上に渡していただけるかな?」

「はい、わかりました」


 プリンスが一筆したためている間に、オルムスさんが聞いてくる。


「ところでさっきの、リリー皇女の縁談をぶっ壊せイベントとは何だい?」

「リリーのとこにも縁談一杯来ちゃってるんだよ。有力候補が三人いて、パウリーネさんの弟のヘルムート君もその内の一人なんだけど」

「リリー皇女が気に入らないということなのかい?」

「正確に言うと、現在の実力が物足りないってリリーは見てるんだよね。まーリリーも実力ある冒険者だから、人を見る目が肥えちゃうんじゃないかな」


 頷く皆さん。


「精進して出直せ、這い上がってこいっていう。で、リリーの代わりにあたしが出場して公開対決、こてんぱんにしちゃう」

「面白いなあ」

「昨日今日の力比べと料理勝負で二勝。明日でお終いなの」

「明日は何の勝負なんだい?」

「チャンバラ対決だよ」

「結果が見えてる勝負はつまらないな」

「皆同じこと言うけど、あたしが内容決めたんじゃないからなー。なるべく盛り上げるようにするよ」


 パラキアスさんが言う。


「有力者と面識ができるのか?」

「できるね。今日は帝都一の大店の店主と知り合った。明日の対戦相手はツムシュテーク伯爵家の子だよ。それからこてんぱんイベントとは別に、『アトラスの冒険者』のクエストでメルヒオール辺境侯爵と仲良くなった」

「ほう、大物だな」


 悪い顔してるなー。

 何を考えているのやら。


「……皇族とその周辺の事情については、ユーラシアに一任していいな?」

「うん、任せて」


 プリンスが手紙を書き終わったらしい。


「じゃ、またねー」

「バイバイぬ!」


 ひゃい子とパウリーネさんを連れ、転移の玉を起動し帰宅する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ