表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1130/2453

第1130話:プリンスルキウスの活躍

「やあ、いらっしゃい」

「御主人!」

「プリンスこんにちはー。よーし、ヴィルいい子!」


 新聞記者トリオを連れてドーラ行政府に転移してきた。

 飛びついてきたヴィルをぎゅっとしてやる。

 あ、もう商人さん達も来てるね。

 事情のわかってない記者トリオがとまどっている。


「……えっ? ルキウス様?」

「ここは?」

「ドーラ行政府の大使室だよ。つまりプリンスルキウスの聖なる仕事場」

「「「ええっ?」」」


 ハハッ、驚いてやがる。


「どうしてダイレクトに大使室なんですかっ!」

「そうです! 心の準備というものが……」

「記者さん達のビックリする顔が見たかったんだ。意表を突くことがあたしの活力なの」

「ハハッ、諦めろ。これがドーラの精霊使いだ」


 その発言者を見て、記者の一人が不審げな様子になる。


「あれ? ひょっとして帝国軍のクリーク少将閣下でいらっしゃる?」

「うん。クリークさんとマックスさんは軍を辞めて、移民としてドーラに来たんだ。せっかくだからプリンスの下で働いてもらっているの」

「あっ、マックス中佐でしたか。失礼を!」


 別に恐縮しなくたっていいんだってば。


「ちょっと待ってください。帝国本土とドーラ双方の有力者とアポが取れるユーラシアさんは、どういう立場の人なんです?」

「今更? ただの美少女精霊使いだよ」

「ただの、じゃないですよね?」

「善良で親切で可憐な美少女精霊使いだよ。あ、『気品と慈愛に溢れた』ってつけ忘れたな」

「つけ忘れたぬよ?」


 プリンスが笑って説明する。


「『アトラスの冒険者』については聞いているかな? 実力ある冒険者ほど面倒なクエストを配られるらしいのだ。クエストであちこちに知り合いができたということなのだと思う」


 さすがプリンス。

 過不足のない説明だ。


「正直予もわけがわからぬのだが、考えるだけムダだ」


 急に投げやりだぞ?

 クリークさんマックスさんがすげえ頷いてるけど。

 まーまだ新聞記者トリオに飛空艇を落とした事情は話してないから、今くらいアバウトな説明の方がありがたい。


「今日は予と商人達をドーラ各地に案内してくれることになっているのだ。記者諸君も同行するということでいいのかな?」

「うん。午前中でざっと回るよ。ちょっと集まってくれる?」


 ドーラの地図を出して、軽く打ち合わせをする。


「いいかな? 今日は午前中にこことこことこことここの四ヶ所を巡りまーす」

「えっ? 最後の場所海の中じゃないですか」

「楽しみにしててよ。じゃ、ヴィルお願い」

「わかったぬ!」


          ◇


「こんにちはー」

「いらっしゃいませ、ルキウス大使、ユーラシアさん」

「御主人!」

「よーし、ヴィルいい子!」


 ヴィルにビーコンを持って行ってもらい、ヨハンさん家に転移してきた。

 ちなみにヨハンさんと海の王国には前もって連絡済みだ。


「プリンスとヨハンさんは面識あったんだね?」

「うむ。輸出品に関して世話になっているからね」


 商人さん達に説明する。


「ヨハンさんは港町レイノスと東を結ぶ道を仕切ってる商人だよ。東には古い集落であるカラーズの諸村と、急速に人口を増やしてる移民の開拓地がある」

「つまり、今後の発展の余地が大きい地区ですな?」

「そゆこと! ちなみに現在ベンノさんに扱ってもらってる『文字を覚えるための札取りゲーム』と画集『女達』は、カラーズで作ってるんだ」


 商人さん達熱心に聞いてますね。

 今後移民の人口が増えると、ヨハンさんの取扱高も急激に増大するはずだ。

 ヨハンさんと仲良くしとくことは直接儲けに繋がると思うよ。


 ん? 新聞記者さん達何?


「ルキウス様が御同行されているのは何故なのです?」

「暇だから?」


 プリンスが笑う。


「大使としての予の職務に大きなウェイトを占めているのは、帝国本土からドーラへ移民を恙なく受け入れてもらうことと、輸出入の活発化だ。同行するのは当然だろう?」

「なるほど!」

「プリンスがついて来てくれると仕事がしやすいよ」


 アハハと笑い合う。

 いや、マジだよ?

 説得力が違うからね。

 もっと言うと、新聞記者トリオや商人さん達にプリンス自身の活動を見せれば、印象も良くなるだろうと思ってる。

 ウィンウィンってやつだよ。


「今後、ドーラの東地区ではどんな商品が期待できますか?」


 来た。

 しかしここは抑え気味に。


「ごめんね。目先は移民の生活を安定させなきゃいけないから、レイノス東から輸出できるものが短期に増えることはないと思う。本や知育ゲームは期待できるよ」

「そうでしたか」

「先々の期待は大きいけど、今の内は勘弁してね」


 テンション下がっちゃったところで燃料投下!


「ここで皆さんに見せたい隠し玉があるよ」

「「「隠し玉?」」」


 ヨハンさんに目で合図する。


「こちらへどうぞ」


 ヨハンさんの後をついてゾロゾロ。

 納屋に案内される。


「こ、これは?」

「大量の……羽毛ですか?」

「グリフォンの羽毛です」

「「「グリフォン?」」」

「高級布団の材料だよ」


 驚愕する商人さん達と、盛んにペンを走らせる記者トリオ。

 ヨハンさんが言う。


「こちらは洗浄済みのものです。品質をお確かめください」

「……うむ、腰が強いのに柔らかい。確かに布団に最適ですな」

「グリフォンとは大型鳥の魔物なのでしょう?」

「でっかいね。ノーマルなドラゴンと大体同じくらい」

「羽毛の実物は初めて見たが、最高級品とされる理由がわかった」


 ハハッ、かぶりつきだ。

 やっぱり商人さんは高級品に興味があるみたいだなあ。

 儲けが大きいからかな?


「上流階級の方々向けの輸出品として、今月から出荷できます。もちろんさほど量の出るものではありませんが」


 へー、製品化早いな。

 あたしも欲しいけど、寒い冬は終わっちゃったしな?

 まだいいや、輸出分優先しよ。


「見事なものです」

「ええ。ドーラに魔物が多いとは聞いていましたが、グリフォンとは強力な魔物なのでしょう? どうやって羽毛を採取するのです?」

「最近グリフォンと仲良くなったんだ。櫛かけさせてくれるの」

「「「「「「えっ?」」」」」」

「グリフォンはエサをあげるとこっちの言うことを聞いてくれる、友好的な子なんだ。あたしも魔物扱いはしてないな」


 驚く六人の客人と、苦笑するプリンスとヨハンさん。


「これがドーラの精霊使いの仕事なんだ」

「次行こうか。ヨハンさん、ありがとう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ