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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1093話:『雪の精霊』のクエスト

 ――――――――――一九一日目。


「準備はいいかな?」

「大丈夫です」

「腕が鳴りやすぜ!」

「モーマンタイね」


 今日もいい天気だ。

 昨日おっぱいさんにもらった『雪の精霊』のクエストに出かける。

 でも何たって雪だからな、寒い地が予想される。

 うちの子達も皆厚着だ。


 雪とは冷え固まった雨が降ってくるものらしい。

 でも氷みたいに硬くないんだって。

 何その不思議現象。

 メッチャ楽しみだ。


「よーし、レッツゴー!」

「「「了解!」」」


 東の区画へ。


「こう転送魔法陣がズラッと並ぶと、あたし達も経験積んだもんだと思うねえ」

「誇らしいですぜ」


 二二個か。

 もっとも一八番目の魔法陣は使用資格を満たしてないらしいので、まだ使えない。

 マーシャによると最後の魔法陣らしいが?

 昨日設置された二二番目の転送魔法陣へ足を踏み入れる。


「転送よろしく」


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。

 上下の感覚と大地を踏みしめる感覚が戻ってくる……。


「だーっ、寒い寒い!」


 あたし雪見たの初めてだよ。

 降るってゆーか、風で雪が横に飛んどる。

 これが吹雪か。

 おおう、土じゃなくて踏みしめたの雪やん。

 見通し利かないし、方向感覚がわからなくなるな。


 ダンテが叫ぶ。


「こ、このスノーはストレンジね! 降るハズがないね!」

「やっぱおかしいのか。漂うわけのわからん魔力に関係ある?」

「メイビー!」


 明らかに異常な魔力が渦巻いている。

 『雪の精霊』が出している魔力なのか?

 それとも別の何かだろうか?

 ほこら守りの村のリタが悪霊化しかけたことを思い出す。

 おそらくクエストの目的はこの魔力の制御だ。

 とゆーかとっととクエスト片付けないと、美少女の凍結像が完成してしまうわ。


「そんなに遠くないから、魔力の中心へ行く! もしはぐれたら、魔力の強い方へ来て」

「ユー様、私が全員を『フライ』で運びます!」

「風強いけど大丈夫?」

「低空ならばコントロール可だと思います」

「よし、任せた!」

「はい、フライ!」


 『フライ』ならばはぐれることはない。

 空気の繭に包まれ、ゆっくり魔力の中心へ。


「おお、『フライ』だと寒くないじゃないか。素晴らしい」

「えへへー」

「となると『遊歩』の自動『ソロフライ』でも空気に包まれるから、ひょっとして水の中でも息ができるのかな?」

「どうでやしょう?」

「詳しいことまで海の女王に聞かなかったな」


 魚人は水の中でもナチュラルに息ができるから、そゆこと気にしてないかもな?

 ま、いいや。

 水温上がってきたら確認しよう。


「……あれだね」

「間違いないです」


 おそらくは雪の精霊本人だろう。

 様子が変だな?

 嫌がってるような感じ?


「どーしたんだろ?」

「魔力のウェーブは精霊から感じるね」

「苦しんでるように見えます」

「姐御、ファントムバインドじゃないでやすか?」

「あっ、そうかも?」


 魔力閉回路になっているナチュラルな罠ファントムバインド。

 あれほど強力な魔力を撒き散らす精霊であっても、理論上実体を持たない限り、取り込まれたならば身動きは取れないはず。


「よし、じゃああたしが行くから、あんた達はここで待機」

「「「了解!」」」


 うわ、寒い!

 雪を踏みしめ進む。

 この子も色が白いな。

 クララは暖色系の白さだけど、この子は寒色系の白さだ。

 釣り目で小さい顔、青っぽい羽を持っている。


「怖がらなくてもいいよ。んー、やっぱりファントムバインドだね。どっこい!」


 雪ん娘精霊を罠から引き剥がす。


「ウインドカッター!」


 スワシャーンンン。

 クララの風魔法がファントムバインドのあった位置に着弾する。


「……うん、オーケー。罠は消えた」


 雪ん娘精霊の喜ぶまいことか。

 くるくると飛び回っている。

 可愛いな、この子は飛べる子か。


「スノーがやんだね」

「ほんとだ」


 あれほどの吹雪を魔力で起こしていたってこと?

 レベル低いのにどんだけの魔力持ちだ。

 風はまだやや強いが、日も照ってきた。

 見渡してみると山の中腹のようだ。

 麓にあるのは集落かな?


「あたしは美少女精霊使いユーラシアだよ。あなたの名前は何てーの?」

「……?」


 雪ん娘が首をかしげる。

 あれ、言葉通じない子かな?

 聞こえてはいるようだが。


「精霊は全員コモンズを話せますよ」

「あれ? じゃあこの子は?」

「おそらくまだ生まれたばかりなんだと思います」


 クララによると、精霊や悪魔は皆自然とコモンズを話せるようになるんだそうな。

 多分人間側が精霊や悪魔の言葉を取り入れて用いているんだろうと。

 へー、そんな仕組みだったとは。


「過去、精霊や悪魔との関わりが薄くコモンズと接する機会のなかった地域は、独自の言語が発達するんじゃないでしょうか。ソロモコのように」

「ソロモコの住人は悪魔を知らなかったから、フクちゃんを神の使いだと信じちゃったのか」


 なるほどなあ。

 因果関係がわかると面白い。


「この子もすぐに喋れるようになるんだ?」

「数日だと思いやすぜ」

「えらく早いね。精霊すごいな」


 つかマジでこの子生まれたばかりなんだな?


「クイズ、精霊さん三人に聞きました! この雪ん娘精霊はどうしとくべき?」

「連れていくのが一番安全ではありますけど……」

「生まれたばかりだと、ここを離れたがらないと思いやすぜ」

「スノーがリッチね。ジスプレイスならばエネルギーに困らないはずね」

「とゆーことは、必然的に置いていくことになるのか」


 ファントムバインドも破壊したし、もう危険はないと思いたいが……。


「んーここ魔物がいそうな雰囲気なんだよね。危なくないかな?」

「昆虫系、植物系、魔獣系は、この寒さならば襲ってくる種はかなり限定されます」

「あれだけの魔力のウェーブを見せると、かなりテリブルね」

「当面は平気か」

「姐御、今度肉を持ってきやしょうぜ」

「それだ! アトムやるな。薪とお肉持って来て炙り肉パーティーだ!」


 世界平和の象徴であるお肉の美味さを雪ん娘にも教えてやろう。


「じゃあ、あたし達は帰るよ。今度また遊びに来るからね」

「!」


 うむ、ある程度通じてるっぽい?

 嬉しそうにひらひら飛び回っている。

 次来る時が楽しみだ。


 転移の玉を起動し帰宅する。

 クエスト完了のアナウンスがないな?

 ということはまだ一波乱あるらしい。

 おっぱいさんが少し扱いを気にしてたクエストである理由は、その辺にあるのかもしれないな。

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