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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第1073話:おっぱいの大小をあてがった

「美少女精霊使いユーラシア、颯爽と登場!」

「颯爽と登場だぬ!」

「「「ユーラシア!」」」


 魔境で遊んだあと、塔の村の食堂にやって来た。

 二つの用のためだ。

 今日悪役令嬢フィフィ一行が塔の村に着くはずだからってことが一つ。

 もう一つは、明日には第一皇子のお葬式のためリリーを皇宮殿に連れていかねばならないので、その確認のためだ。

 うんうん、フィフィ達も着いてるね。


 リリーが意外なことを言う。


「昨日、皆でノヴォリベツに行ってきたのだ」

「え?」


 皆ってエルとレイカのパーティーも一緒ってこと?

 リリーだけじゃなく?


「えーとフィフィがノヴォリベツ泊まりだから、皆で押しかけてサプライズ温泉パーティーだびばのんのんってこと?」

「「「そうだ」」」

「えーずるーい!」


 あたしがつまんない仕事をしていたとゆーのに。

 いや、つまんなくはなかったけれども。

 ん、フィフィ何?


「貴方がこの村に私がどこまで来ているか、伝えてくれていたのでしょう?」

「そーだけど伝えたの四日前だぞ? フィフィが予定通り順調に進んでたからノヴォリベツで会えたんだよ」


 どうせリリー達は、会えなきゃ会えないで温泉パーティーを楽しもうって腹だったんだろうけど。


「で、ジン。誰が一番どうだった?」

「何がですか?」

「とぼけるな。ノヴォリベツ温泉が混浴だというネタは上がってる」


 赤くならんでも。


「どうして僕に聞くんですか!」

「そりゃあたしだって正確な情報が欲しいから。あんたの観察眼を信頼してるんだぞ?」

「僕がじっくりがっつり観察してたみたいじゃないですか」

「してた」

「おお、ハオランナイスアシスト! で、フィフィとあたし比べてどう? 同じくらいだと思うんだけど?」


 ジト目で見るな。


「……多分、フィフィさんの方が微妙に大きいです」

「負けたかー」


 フィフィが聞いてくる。


「ねえ、何の話なの?」

「ハッキリ言うとエルが怒るから言えないんだ。フィフィ > あたし >>>> (越えられない壁) >>>> エルってことだよ」

「誰の何が超えられないかっ! うがー!」

「わかってるんじゃないか。実に敏感だな。ヴィル、特効薬」

「はいだぬ! ぎゅー」

「ああ、君は安らぎ! 君はいい子!」

「いい子ぬよ?」

「素晴らしい芸ね!」


 ハハッ、やっぱり芸の扱いだ。

 フィフィ一行大喜び。

 完成されたキレとコクのある芸なのだ。


「大小は置いといて、お土産のワイバーンの卵だぞー。食べよう!」


          ◇


「ごちそうさまっ! おいしかった!」


 ワイバーンの卵は、ぐしゅぐしゅに混ぜて単純に焼いたものだ。

 火加減間違えなきゃ、どうやっても美味い。

 塔の村には海底のコンブ塩が入ってるんだな。

 これレイノスに入ってないようだったら紹介しないと。

 フルコンブ塩ほどではなくても、旨みが強くて大変よろしい。


 フィフィが聞いてくる。


「ねえ、貴方。このおいしい卵はどうしたら手に入るの?」

「あんたの性格は実に冒険者向きだなあ。ワイバーンっていう魔物を倒すと、ドロップすることがあるんだよ」


 フィフィの執事がワイバーン倒す気ですかって顔してるわ。

 フィフィは割とやる気あるから、一年あれば倒せるようになるんじゃないかな?

 エルが言う。


「ヒカリとスネルの報告によると、塔のダンジョン地下でもワイバーンは生息しているそうだ。まだ遭遇したことはないが」

「どのくらいのレベルがあれば倒せるんだ?」

「安定して戦うためにはレベル四五くらい必要って聞いたよ。もちろんパーティーの構成や人数にもよるんだろうけど」


 塔のダンジョンの地下は、やはり魔境クラスの魔物が出現するようだ。

 一番先行してるエルのパーティーが、魔境トレーニングエリアでいうオーガ帯で戦っているくらいの様相だと思われる。

 ワイバーンまでもうちょいだな。


 レイカが言う。


「ワイバーンの卵は高級食材なのだろう? 売らないのか?」

「おいしいものは食べたいんだよ。皆で食べるとよりおいしいし、家で食べようとすると調理法限られちゃうからさ。お土産にしたいの」

「ふうん、だから喜んで持ってくるのか」

「ユーラシアらしいではないか」


 食いしん坊ってこと?

 否定はしないけれども。


 リリーが姿勢を正す。


「フィフィリア、言っておかねばならぬことがあるのだ」

「何でしょう、リリー様」

「我は明日からしばらくこの塔の村を離れる」

「えっ?」


 やはりフィフィの執事はまだ伝えてなかったのか。

 リリーに会うために塔の村まで来たのに、ちょっと言いづらいもんな。


「リリーのお兄さん、ガレリウス第一皇子が亡くなったんだ。リリーはお葬式に出席しなきゃいけない。あたしが明日送ってくけど、帝都の展開次第で帰りはいつになるかわかんないな」


 在ドーラ大使という役職のあるプリンスはすぐ戻らねばならない。が、リリーにはそうした縛りはなく、不確定要素が多いのだ。

 休養中との噂のリリーが久しぶりに姿を現すと、引き留められる公算も高いのではないか?

 何せ引っ張りだこって話だし。


「そ、そんな……せっかくここまで来たのに」

「すまぬ」

「フィフィ、リリーがレイカとエルを誘って温泉に行った意味を考えなよ」

「えっ?」


 え、じゃねーよ。


「あんたが寂しがるといけないから、おっぱいの大小をあてがったんだぞ?」

「誰のおっぱいが小さいかっ! うがー!」


 だからエルはノーガードで突っ込んでくるな。

 胸部装甲の薄さを理解しろ。


「ヴィル、鎮静剤」

「はいだぬ! ぎゅー」

「ああ、君はいい子! 君は天使!」

「悪魔ぬよ?」


 どっかん大爆笑。

 うむ、実に完成されたドーラの伝統芸能だ。

 フィフィもリリーの心遣いはわかったろ。


「ユーラシア、フィフィリアの冒険者スタートを見てやってくれんか?」

「え? エルもレイカもいるじゃん」

「ユーラシアはパワーカードのオーソリティであろ?」

「オーソリティと言われちゃ断れないなー」


 フィフィが冒険者活動したいということは、温泉で聞いたみたい。

 そして初心者なら装備品はパワーカードがいいと判断したようだ。

 エルとレイカは塔の地下の探索に注力したいだろうし、リリーはどうせ午前中は起きられないもんな。

 あたしも明日は夜以外時間がある。


「じゃ、明日の朝来るよ」

「お待ちしてますわ」

「今日は帰るね。また会おう!」

「また来るぬ!」


 転移の玉を起動して帰宅する。

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