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第69話 化け物が英雄になった日
森の中。
魔物「グルルル」
少女「あ、あ……」
迫りくる魔物に、私は怯えた。
魔物「ガアアアッ!」
魔物が私に襲い掛かる。
少女「キャアアア!!」
私が叫び声上げる。
魔物の鋭い牙が私の体に……
ズブリッ。
少女「えっ」
私が間の抜けた声を出す。
魔物「…………」
その牙が私まで届くその前に、魔物は息絶えた。
ワン「大丈夫か?」
両手の包帯を魔物の返り血で真っ赤に染めた。
青年が私に尋ねた。
少女「…………」
私は何も答えない。
私は見惚れていたのだ。
私を救ってくれた青年の姿に――
誰もが知る千年前の英雄――大魔導士ベルク。
そんなベルクと同じ名前を持ち。
ベルクと同じように化け物と呼ばれた青年がいた。
ベルクが人々を救い続けた結果、人々に希望を与え。
化け物から――英雄と呼ばれるように変わったように。
その青年もまた――『英雄』となった。
ベルクのような大勢の人に愛された英雄じゃない。
ただ一人の少女のための――英雄に。




