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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第67話 偉大なる英雄ベルク

   大魔導士ベルクと戦争

         著:イザベラ



 みなさんは大魔導士ベルクと聞くと、何を思い浮かべますか?


「世界を救った英雄!」


「みんなに愛された最高のヒーロー!」


 ……と、答えるのではないでしょうか。

 確かに、その答えは間違いではありません。

 人々は、戦場に立ち、みんなを守るために戦うベルクを称賛し、応援しました。


 みなさんも心当たりがあるのではないですか?

 絶望的な状況の中でも、「もうすぐベルクがくるぞ!」

 ……その言葉一つで、希望が湧いたのではないですか?


 ここで、みなさんに問います。

 果たして、ベルクは初めからそうだったのでしょうか?

 初めて戦場に立ったベルクを見て、あなたたちは、なんと声を掛けましたか?

 正解は……「化け物」です。


 ベルクの外見は、どこにでもいる少年でした。

 ですが、ベルクには他の人間と違う特殊な点がありました。


「ベルクは史上初の男の魔法使いです!」


「しかも、魔法使いの家系ではなく、一般家庭で生まれた――悪魔の血が流れていない唯一の魔法使いです!」


 そうですね。

 それも間違いではありません。

 でも、ベルクの特異性を話す上で、一番重要なのは……彼が不死身だったという点です。

 ――いえ、表現が少し違いましたね。

 厳密には「死んでも生き返る」です。


 ベルクは何度死んでも蘇り、戦場に立ち続けました。

 人々はそんなベルクに向かって――


「化け物め!」


「近寄らないで!」


「出ていけ!」


 ――と、心無い言葉をいい、彼を追い出そうとしました。

 けれど、ベルクは引きません。

 その場に残り、自身に罵詈雑言を浴びせた人間たちを助けるために戦いました。

 何度も何度も死んで、何度も何度も苦しみを味わっても……


「……ここから先は通さない」


 立ち上がりました。

 人々を戦火から守るために、敵国の兵士に単身挑みます。

 負けて、死んで。

 負けて、死んで。

 守り切れずに、多くの人が死んで。

 それでも、立ち上がり、戦って。

 そして――最後に勝ちました。

 最後の最後に、ようやく人々を守ることが出来ました。


 そんなベルクに人々は言います。


「この疫病神め!」


「あんたみたいな化け物が来なければ、私たちは幸せに暮らせたのに!」


 それは間違いです。

 ベルクがいなければ、全員死んでいました。

 それなのに、人間たちは、ベルクを傷つけて……


 ……失礼。

 少し感情が乗り過ぎました。

 これは前回とは異なり、れっきとした歴史書。

 事実を書き記していきます。


 人々が掌を返し、ベルクを称賛し……

 己の過ちを……過去に彼にした仕打ちを歴史から消し去って、

 美談(フィクション)にしてしまわないように。

 私はここにしっかり書き記します。

 愚かな人間たちの過ちの歴史を。


 そして……

 どれだけ、人々に酷い仕打ちをされても。

 体と心が傷ついても。

 それでも人々を愛し、守ると誓い。

 世界を救った……

 偉大なる英雄ベルクの――優しさを。

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