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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第64話 正義VS悪②

 ピト、ピト。


 悪党の杖から伸びた糸が、冒険者の体に触れる。

 その瞬間――


冒険者B「うわっ!」


 冒険者が突然の攻撃を間一髪かわす。

 攻撃をしてきたのは……


冒険者C「…………」


 仲間の冒険者だった。



   *



冒険者C「に、逃げて! 体が勝手に!」


 ガンッ。


 悪党の放った糸に触れてしまった冒険者が他の冒険者を襲う。


冒険者B「うっ」


 キンッ。


 なんとか仲間の攻撃を捌く、冒険者たち。


冒険者A「ま、まさか、操れるのは……」


 冒険者たちの脳裏に信じたくない事実が思い浮かぶ。


悪党B「ええ、その通りよ。私が本気になれば、この場にいる全員を操ることが可能よ」


 悪党が笑いながら残酷な事実を述べる。


冒険者A「なら、どうして、全員ではなく、数人だけ操るようなことを……」


 悪党の言うことを鵜呑みにすること出来なかった。

 きっと、操れる人数には縛りがあって……


悪党B「全員を操って殺し合わせても面白くないじゃない」


 悪党がバッサリと、その希望的観測を切り捨てる。


悪党B「抵抗せずに仲間に殺されるか……、抵抗して仲間を殺すか……選びなさい」



   *



ワン「…………」


 ダッ。


 刀を携えた剣士が一目散に、悪党目掛けて駆け出す。

 その判断は正しい。

 悪党を倒さない限り、この悪夢は終わらない。

 問題は……


悪党B「馬鹿ね……」


 悪党の杖から無数の糸が伸び――その全てが剣士に襲い掛かる。


ワン「…………」


 タッ、タッ。


 剣士は糸を躱しながら、悪党のと距離を詰めようとする。

 しかし……


ワン「……っ」


 躱したはずの糸が、意志を持っているかのように動き、何度も何度も剣士に襲い掛かる。


ワン(かわし続けるのは不可能。ならば……)


 剣士は刀を抜き、糸を受け止めようとする。


 ――スッ。


 けれど、無情にも魔法でできた糸は刀をすり抜けた。


悪党B「あなたも私の傀儡にしてあげるわ!」


 回避不能の糸が――剣士を襲った。



   *



ワン「好敵手ともよ。――すまぬ」


 剣士は手に持っていた刀を捨てた。

 そして――


ワン「……!」


 ガシッ。


 包帯まみれの両手で、『糸』を掴んだ。


 ――バチンッ!


 激しい音とともに、糸が千切れ――消え去った。


悪党B「なっ」


 悪党が驚くのもつかの間。


 ――バキッ。


 悪党の持っていた杖が無残にも砕け散った。


悪党B「きゃっ」


 その衝撃で悪党が怯む。

 そして……


 ガシッ。


 剣士が悪党の首を掴んで、その体を持ち上げる。


ワン「――どうやら、糸の大元は一つの魔法に繋がっていたようだな」

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