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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第63話 正義VS悪①

団員A「どうやら、俺はここまでのようだ……。故郷の母ちゃんに伝えてくれ。産んでくれてありがとうって」


団員B「馬鹿野郎! 自分で伝えに行けよ!」


 傷ついた団員を抱えながら、もう一人の団員が涙を流しながら言う。


団員A「それが出来ないから言ってるんだろ……」


 呆れた口調で団員が言う。


団員A「ああ、なんだか……眠く……」


 ゆっくりと目を閉じる。


団員B「駄目だ! 目を開けろ!」


団員A「…………」


 どれだけ揺さぶっても団員は目を覚まさない。

 彼は既に死んで……


ツー「癒しよ!」


 ピカッ、と回復魔法の光が団員の体を包み込んだ。


団員A「はっ! ……生きてる?」


団員B「良かったー!」


 目を覚ました団員に抱きつく。


団員A「そうか……。姐さんが……ありがとうございます」


 団員が回復魔法を唱えた少女にお礼を言った。


団員B「うおーん! 本当に生きてるよー」


 抱きつきながら嬉し涙を流す。


団員A「いつまで、くっついてんだよ」


団員B「うぎゃっ」


 くっついていた団員を引きがした。


ツー「ふふ」


 その様子を見て、少女が笑う。


ツー「みんな安心してね」


 少女が新入りの団員たちに言う。


ツー「私がいる限り絶対に誰も死なせないわ」



   *



教祖「くっ」


 ヒーローが膝をつく。

 ヘマをやらかしたのだ。


悪党A「死ね!」


 悪党がヒーローを殺そうとして……


 ザシュッ。


悪党A「えっ?」


 悪党の首からナイフが生えた。


悪党A『ドサッ』


 悪党が倒れ、絶命する。


ゼロ「大丈夫ですか、教祖様」


 悪党を一撃で葬った少年が、ヒーローに手を伸ばす。


教祖A「ありがとう、ゼロ。助かったよ」


 少年の手を掴んで、ヒーローが立ち上がった。



   *



人質A「うわあああ」


 ブン、ブン。


 悪党に捕まった人質が手に持っている斧を振り回す。


人質A「た、助けてくれ! 体が勝手に……」


 体の自由がきかない人質が助けを求める。


冒険者A「くそっ、厄介な……」


 悪党の魔法で操られた人質を見て、冒険者が愚痴をこぼす。


悪党B「おほほほっ、いくらギルドの冒険者といえども人質相手には手も足も出せまい!」


 悪党がその様子を見て、ほくそ笑む。


冒険者B「せ、先輩……どうすれば……」


冒険者C「こうなったら、人質ごと……」


冒険者D「駄目に決まってるだろ!」


 ざわざわ。


 冒険者たちの間に動揺が広がる。


人質B「うわあああーー!!」


人質C「嫌だ―!!」


人質D「誰か助けてー!!」


 人質たちが泣き叫びながら、冒険者たちに襲い掛かる。


冒険者A「くっ」


 人質を傷つけることはできない。

 このままでは為す術なくやられるしか……


ワン「――我に任せろ」


 どこからともなく現れた剣士が刀を片手に、武器を持った人質の群れに突っ込む。

 そして……


人質A「ぐはっ」


人質B「うぎゃ」


 バタ、バタ。


 剣士の放った的確な一撃により操られていた人質たちは全員その場に倒れこんだ。


冒険者A「こ、殺したのか?」


 その様子を見ていた冒険者たちの顔が青ざめる。


ワン「安心しろ。これは峰打ち――ただ、意識を失っただけだ」


 剣士が冒険者達に言った。


冒険者B「先輩! 彼の言う通りです! 倒れた人質たちは全員、息をしてます!」


冒険者A「そうか。良かった……」


 人質の無事を確認した冒険者たちは、ホッと胸を撫で下ろした。


悪党B「ブラボー、ブラボー」


 パチ、パチ。


 悪党が手を叩いて剣士を称賛する。

 人質を失ったというのに、その余裕な態度は変わらない。


冒険者B「人質はもういません! あなたの負けです! 投降してください」


 冒険者が悪党に言った。


悪党B「くくっ、あははっ」


 その言葉を受けて、悪党が笑い出す。


悪党B「あなたたちは本当に馬鹿ね。これは勝負じゃない――あなたたちに絶望を与えるための『遊び』よ」


 悪党が杖を構える。

 すると、無数の糸が杖から伸びた。


悪党B「愚かな劣等種にんげんどもよ。私の傀儡となれ」

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