第61話 教団の誕生
リーダー「なぜ、俺たちの組織に入団希望者が現れないのか。今日はそれを議論していきたい。じゃあ、まずはワンから。どうぞ」
男性用の白い修道服に身を包んだリーダーが言った。
ワン「真のヒーローとは理解されないもの……。ゆえに、一人。それ、すなわち栄光ある孤高」
白い修道服を翻したのち、ワンはいつもの中二病を炸裂させた。
リーダー「論外。次は、ツーお願い」
ツー「やっぱり、入りたいと思える魅力が足りないんじゃいんかしら。その点で言えば、この白い修道服は可愛くて良いと思うわ」
ツーは、僕らが用意した白い修道服を褒めた。
リーダー「ありがとう。この白い修道服は俺たちの組織を象徴する制服として用意したんだ。全員で同じ制服を着ることにより仲間意識と結束力を高める。これは、ギルドには無い――俺たちの組織に入りたいと思うだけの魅力となるはずだ」
人々を守る正義の組織と言えば、ギルドと騎士団が一般的だ。
騎士団は少々存在が特殊であるため僕らの競合相手とはならない。
そうなると、必要になるのはギルドとの差別化。
ギルドは依頼の達成による報酬――つまり、お金を求める冒険者が集まる組織だ。
リーダー「お金のためじゃない。その手を血をに染めてでも悪に虐げられてきた人たちを救う――ゆるぎない正義」
それに対して僕たちは志を掲げる。
リーダー「今後はその正義を前面に押し出し、悪を裁いていく」
リーダーが展望を語った。
スリー「志に興味はねーが、人を殺せるってことで問題ないんだよな?」
リーダー「もちろん。ただし、殺すのは悪人限定だ」
スリー「わ~ってるよ。ゼロ同様、殺す相手にこだわりはねーからな。それでいいぜ」
スリーが納得した。
リーダー「よし、最後はゼロだ。何か意見はあるかな?」
ゼロ「そうですね……。やはり、『名前』が必要だと思います。僕らの組織を表す名前が」
僕は意見を述べた。
リーダー「いい意見だ。それじゃ、発表するとしようか――生まれ変わった俺たちの組織の名を」
リーダーが宣言する。
リーダー「教会の修道士たちは神の名のもとに道徳を説いた。だが、道徳は善人を生んでも……悪人を裁いてはくれない」
悪を殺す。
僕らのゆるぎない志。
リーダー「教会が――神が取りこぼした悪を代わりに裁き、殺す。俺たちの組織名は『教団』。不変の正義を掲げる――正義の『味方』で、悪の『敵』だ」




