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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
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第58話 見惚れる

 コンコン。


 僕は、リーダーの部屋の扉を叩いた。


ゼロ「入っても、いいですか?」


 …………。


 返事は無い。


ゼロ「……入りますね」


 僕は、勝手に扉を開けて、部屋にお邪魔した。


リーダー「…………」


 リーダーは、ベッドに腰掛け、虚空を眺めていた。


ゼロ「プレゼントがあるんです」


 僕は、奴隷商が用意してくれたシスター服を、取り出した。


リーダー「それは……」


 リーダーが、反応を示す。


リーダー「どうして、それを俺に……」


 リーダーは、シスター服を見て、困惑していた。


ゼロ「ギルドとの共同戦線の日……。シスター服を眺めてましたよね。だから……欲しいのかなって」


 僕が事情を話した。


リーダー「そうか……。バレてたのか」


 リーダーが、うつむく。


ゼロ「その……何があったんですか? ここ最近の元気の無いリーダーを見て……みんな心配してたんです」


リーダー「えっ、あ……」


 僕の言葉を受けて、リーダーが驚きながら、顔を上げた。


リーダー「……ごめん。昔を思い出して……感傷に浸ってた」


ゼロ「……話を聞いても、いいですか?」


 僕は、シスター服をリーダーの膝元に置くと、隣に座った。


リーダー「夢だったんだ。ギルドの僧侶になるのが……。なれるわけ無かったのに……」


 僧侶になるのは回復魔法が使える魔法使い……女性だけ。

 男のリーダーでは……


ゼロ「ごめんなさい。そうとも知らず、僕は……」


 リーダーに喜んで欲しくて、シスター服をプレゼントした。

 でも、それが逆にリーダーの心を傷つけて……


リーダー「違うんだ。シスター服をもらって、俺……嬉しいんだ」


 リーダーが笑う。

 久しぶりに見た、その笑い顔はとても綺麗だった。


リーダー「着てみても、いいかな?」


ゼロ「はい、ぜひ!」


 リーダーの言葉に、僕は力強く頷いた。

 彼が喜んでくれるなら、これ以上に嬉しいことはない。


ゼロ「あっ、僕。目を瞑りますね」


 服を脱ぎ始めたリーダーを見て、僕は目を瞑った。

 男同士、気にする必要は無いと思うが、念のためだ。


リーダー「ありがとう。……うん。もう大丈夫だよ」


 僕が、ゆっくりと目を開けた。


ゼロ「……!」


 驚きのあまり声が詰まった。


リーダー「どうかな?」


 頬を染め、照れくさそうにリーダーが言った。


ゼロ「とても似合ってます」


 僕は、目の前の『彼』が男だと言うことを忘れて……

 シスター服姿の――『彼女』に見惚れていた。

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