第57話 衝撃の真実
奴隷商「おや、一人で来るなんて珍しいですね。ゼロさん」
ゼロ「実は、個人的に頼みたいことがありまして……」
協力者である彼には、普段から僕らが保護した子供たちの貰い手を探してもらってる。
ゼロ(リーダーは、彼のおかげで一時の間、幸せな人生を送ることが出来た)
奴隷商という立場でしか救えない子供たちを救い、幸せな日常を送れるように手配する。
必要『悪』の――子供の味方。
ゼロ(リーダーの根幹にある。悪でしか救えない――『悪による救済』の元になった人)
リーダーが、憧れた正義の味方。
ゼロ「……シスター服を用意してもらいたいんです」
奴隷商「シスター服? ……ああ、もしかして、ツーさんですか? 確かに、彼女は回復魔法が使えますし、きっとお似合いに……」
ゼロ「い、いえ。そうではなく……『大人用』のシスター服を用意して欲しいんです」
ピクリ。
僕の言葉に、奴隷商が反応した。
奴隷商「もしかして、あの子――『リーダー』のですか?」
ゼロ「……! はい、そうなんです!」
やはり、奴隷商は知っていたのか?
リーダーが、シスター服が好きなのを。
奴隷商「リーダーは、あなたたちに打ち明けたのですか?」
ゼロ「……違います。僕が……僕だけが気付きました。他の人には話してません」
奴隷商「なるほど……」
奴隷商は、僕の言葉に頷き、考え込んだ。
奴隷商「正直、なぜ『シスター服』なのかは分かりませんが……。あなたが、わざわざ一人で私に頼みに来たのです。必要なことなのですよね」
ゼロ「は、はい。そのはずです」
……あれ?
リーダーが、シスター服を好きなことを知らないのか?
じゃあ、さっきの反応は一体……
奴隷商「どうかしましたか?」
ゼロ「な、なんでもありません」
知らないのなら、バラさない方が良いだろう。
リーダーも、『シスター服』が好きなこと……あるいは、着たいことはバレたくないはず。
ゼロ「シスター服の件、よろしくお願いします」
奴隷商「はい、任せてください。『彼女』に似合う飛びっきりのシスター服を用意しますね」
……彼女?
ゼロ(も、もしかして……)
僕の脳裏に、シスター服を着たリーダーの妄想が蘇った。
ゼロ(リーダーは、シスター服が好きだったわけじゃない)
リーダーは、幼い頃……
奴隷商にお世話になっていた頃から……
ゼロ(女装の趣味があったんだ!)
僕は、衝撃の真実に辿り着いた。




