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魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
314/334

第55話 ■■

 もうすぐだよ。

 もうすぐ終わるよ。

 長い長い悲劇プロローグが。

 千年に渡った悲劇の――ほんの一部が。


 英雄ベルクなき時代の――

 英雄ベルクが取りこぼしてしまった――

 数多の悲劇を――

 無理矢理、『救う』ために。


 もうすぐ生まれるよ。

 あと、ほんの数十年。

 神が筆を折って、数千年。

 ようやく、現れるよ。

 本物の■■が。


 英雄と呼ぶのも、憚れるほどの。

 正真正銘の■■が。


 倫理観も、道徳も持ち合わせない。

 人の皮を被った■■が。


 数多の悲劇の元凶を取り込み。

 人の皮すら捨て去って。


 数多の生物の肉塊を取り込んで。

 数多の屍を築き上げて。


 失敗から学び。

 人殺しをやめた。


 他人の体を弄び、作り変えた。

 生きた人間を生まれ変わらせる。

 狂気に満ちた神の真似事。


 デウス・エクス・マキナ。

 物語の破綻を、さらなる破綻で塗りつぶした。


 『ハッピーエンド』と呼ぶのも、憚れるほどの。

 狂った『救済譚』。


 倫理観に期待するな。

 彼女、あるいは『彼』が救済と言ったら、救済なのだ。


 名前を失った――『奪われた』少女の。

 決して、消えることのない『空虚』を。

 満たせる『何か』を探して。


 これは、選ばれし者――『千年前の英(ベルク)雄』の物語ではない。

 これは、空虚を満たすために奪い続けた――『後付けの(??)英雄』の物語。


呪いA「千年間、一人で寂しかったろう」


呪いB「待っててね。必ず迎えに行くから」


 ――また一つになろう。

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