↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校の悪役令嬢  作者: ああああいい
第21章 教団編―追憶―
307/336

第48話 安堵

スリー「主人は痛みと恐怖で教育し、俺を支配した」


スリー「ツーは愛と快楽を与え、俺を虜にした」


 そこに違いはあるのだろうか?


スリー「……違いなんてない」


 支配か、虜か。

 痛みか、愛か。

 恐怖か、快楽か。


 真逆のようで結果は同じ。

 俺が俺でなくなる。


スリー「俺はツーが好きだ」


 でも、俺が好きになったわけじゃない。


スリー「俺は好きにならされたんだ」


 ツーの愛で、その体で。

 俺は、ツーの虜に……

 ツーの道具ものになった。


スリー「道具に後戻りなんて駄目だ」


 俺は人間だ。

 自分の手で、確かに掴み取った。

 ……主人を殺して。


スリー「人殺し(にんげん)でなければいけない」


 そして、人殺しの俺では……


スリー「ツーを幸せにできない」


 ツーは、俺に依存し始めている。

 これは良くないことだ。


スリー「俺はツーの側にいるべきじゃない」


 時刻は、早朝。

 俺は組織を抜けることに決めた。


スリー「なんやかんや言って、悪くない時間だったな」


 きっかけはリーダーに捕まったことだった。

 でも、いつしかここで過ごした日々は、かけがえのない大切な時間となっていた。

 しかし、それもここまでだ。


スリー「組織は変わっちまった。もう、人殺しの組織じゃない」


 ギルドとの共同戦線を皮切りに、組織は人殺し以外の仕事も請け負うようになった。

 このままいけば、リーダーが理想とした――『正義』の組織へと生まれ変わるだろう。


スリー「そこに人殺しである俺の居場所はない」


 そうなる前に消えなければならない。

 強い意志を持って俺は、アジトの入口の扉を開け――


ゼロ「あっ、スリー。こんなところにいたんですね」


スリー「……ゼロ?」


 どうして、こいつがここに?

 誰にも見つからないように、みんなが目覚める前の早朝に抜け出そうと思っていたのに……


ゼロ「早くしないと遅れますよ」


 ゼロが、俺の手を引っ張る。


スリー「お、遅れるって何が……」


ゼロ「忘れたんですか? リーダーのことを四人で話し合うって決めたじゃないですか」


 全然、記憶にない。

 ここ最近は、ツーのことと自分のことで頭がいっぱいだった。


ゼロ「さあ、早く行きますよ。リーダーが目を覚ます前に事を済まさないといけませんから」


 組織を抜ける――そんな俺の葛藤と決意を知らないゼロは、勝手にどんどん進んでいく。

 世界は理不尽だ。

 自分の思い通りにいった試しなんてない。


スリー(それなのに……連れ戻されて……)


 安堵してしまっている自分がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。