第45話 ■業
スリー「…………」
どんな言葉をかければ良いのか分からず、俺は黙ったままだった。
ツー「…………」
ツーは、俺を見つめていた。
待っているのだ。
俺が優しい言葉をかけるのを。
スリー「…………」
それでも言葉は出てこない。
ツー「ごめんね」
ドンッ。
ツーは、俺をベッドの上に押し倒した。
スリー「な、なにを……」
突然のことに、俺は困惑した。
ツー「嫌なら嫌って言って……。すぐにやめるから……」
俺の上にまたがっていたツーが、少しずつ上半身を倒してくる。
ツーの顔が……すぐそこまで迫っている。
スリー「…………」
俺は……何も言わなかった。
*
翌朝。
目を覚ますと、俺は裸だった。
スリー「……!」
俺は慌てて隣に目をやった。
だが、俺の予想に反して、そこには誰もいなかった。
夢……だったのだろうか?
スリー「うん。全部、夢だったんだ」
裸なのは、暑くて脱いだだけ……に違いない。
俺は自分に言い聞かせながら、服を着る。
スリー「そろそろ、みんなの元に行こう」
俺は自室の扉を開けると……
ツー「あっ」
ちょうど、ツーがいた。
どうやら、なかなか目を覚まさない俺を起こしに来たらしい。
ツー「あはよう、スリー」
スリー「ああ、おはよう」
二人横並びになって歩いていく。
ツー「ふ、ふ~ん」
ツーは、どこか楽しそうに、鼻歌交じりに歩いていく。
機嫌は良さそうだが、特に変わった様子は見られない。
やはり、昨日の夜の出来事は、ただの夢だったのか……
俺が、そう思った矢先……
ツーが顔を近づけてきた。
スリー「うっ」
夢の出来事が鮮明に蘇り、顔が赤くなる。
ツー「あなたは、もう私の子供じゃない……卒業だよ」
ツーが、屈託のない笑顔を見せる。
ツー「だって、あなたは女を知って――大人になったんだもん」




