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第43話 思い出したくない記憶
スリー「……病気で死んだって言ってなかったか?」
冷静さを装って尋ねた。
ツー「あれは嘘。病気は治ったの……いえ、”治してしまった”の」
含みのある言い方だった。
ギュッ。
ツーの握りしめる力が増した。
ツー「……回復魔法を勉強したの。お父さんの病気を治すために」
ツー「時間のほとんどを勉強に費やして……。お父さんの看病はワンに任せっきりにした」
ツー「私は薄情な娘……だった……」
泣き出したツーが俺の胸に顔を埋める。
スリー(病気を治そうとしているのだから、薄情なんてことはないと思うが……)
どうやら、ツーはそのせいで、父親と一緒にいる時間をさけなかった後悔しているようだった
ツー「回復魔法の勉強が行き詰まって……私は”ズル”をした」
ツー「私は”黒魔術”――”悪魔”に頼ってしまった」
悪魔……
スリー「悪魔が……お父さんを殺したのか?」
ツー「……違うわ」
ツーが首を振った。
ツー「悪魔はお父さんを治して――『異常を正常に戻しただけだ』。そう言って、大した対価も取らずに帰って行ったわ」
ツー「私は喜んだ。お父さんも、ワンも、喜んでくれた。……日常が帰ってくると思った。でも……」
オエッ。
ツーが吐いた。
思い出したくない”記憶”なのだろう。
俺の”過去”と同じように……




